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愛鐔紹介

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2023年7月の記事一覧

蝦夷目貫①

蝦夷目貫①

古美濃にも作域が似たような大変薄造りの目貫があり、蝦夷目貫などと呼ばれる。南北朝期の大太刀に付いていたものも多いからか得てして大きめ。
元々は山銅に鍍金することで金ピカであったはずであるが、経年と共に表面が擦れ、返ってそれが1つの味わいとなっている。
四分一地で蝦夷目貫の鑑定の付いたものや、金銅地のものも見た事があるので、山銅と四分一(朧銀)、金銅の3つあるのかもしれない。
尚、四分一が刀装具で現

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京金工 尾長鳥鐔① デザインについて

京金工 尾長鳥鐔① デザインについて

昨日手に入れた総鍍金の鐔に描かれた鳥が尾長鳥なのか、鳳凰なのかについて考えてみる。

因みにこの鐔は日刀保の鑑定書では「京金工」極めとなっている。
京金工は後藤や埋忠など主流派に属さない京都の金工の作を総称してそう呼んでいると思われるが、いわば「良く分からない」というのが鑑定の結果であるようにも個人的には感じられる。
刀装具も後藤や埋忠、美濃など主要流派の研究は進んでいるが、京金工や古金工など、こ

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古金工 獅子目貫①

古金工 獅子目貫①

古金工とは桃山時代以前に製作されたとされる作で後藤や美濃など特定の流派の極めがつけ難い物を指しており、言わば作者不明の金工郡の事を指しているようである。

この目貫もまたそんな作者不明の物で、桃山時代頃の物とのこと。

太刀師鐔 小菊模様図 ①

太刀師鐔 小菊模様図 ①

先日新たにコレクションに加わった鐔をじっくり眺めてみる。
菊花模様の刻印が一面に施された山銅地の鐔で表面には山銅の茶色っぽい地鉄と黒ずんだ地鉄が見え、良い艶感がある。

縦6.9cm ×横6.6cm ×切羽台厚0.8 cm 、耳厚0.7㎝、重量 187g

この菊花の刻印であるが一見ランダムに打たれているように見えるがよく見ると規則性を持っているのが分かる。
遠目から見ると大切羽のような形に見える

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鐔を求め「永楽堂」さんへ

鐔を求め「永楽堂」さんへ

日本刀を販売しているお店が両国にある。
刀が好きな人であれば刀剣博物館という名前は一度は耳にしたことがあると思うが、そこから徒歩10分ほどの位置に、両国駅からは5分かからない程度の位置に「永楽堂」さんはある。

永楽堂さんはネット販売にも力を入れているお店で、HPの更新頻度も高い。
サイトで気になった鐔を発見し、事前に連絡を入れてお伺いする事にした。
(必ずしもサイト掲載品を店内に置いているとは限

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