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虚無女の夏

先月、劇団ジャブジャブサーキットの演出家はせ ひろいち氏演出の別劇団の芝居を観に行った。

個人企画集団*ガマ発動期7発目

『TAKOYA姫』

〜タコヤキ或はたこやひめ〜


 


一見、劇団名もタイトルもサブタイトルも、何のことやら全く想像できない。
しかも出演者の日替わりゲストって何だ。


蒲公仁氏率いる演劇集団による、北村想氏の脚本で、劇団ジャブジャブサーキットのはせひろいち氏が演出する芝居。


ということだ。(ちょっとややこしい)



感想を一言で言うなら、
観劇後大満足で帰ってきた。




演劇や映画というものは、とかく共感して感動することが多い。登場人物の心境を自分になぞらえたり、別の私事とリンクして心を揺さぶられたり、希望が沸いたり...。
そういったものが全部はぶかれて、三人の登場人物により、ただ誰もが知っている芥川龍之介、宮沢賢治、グリム童話の話を全く違う視点から徹底的に考察しつつ、物語は淡々と進み、結局最後には観客全員が騙されていたことに気がつくという、完全な現実逃避な時間を満喫できる芝居であった。


こういう芝居はそうそうないなと思った。芝居というのは観ている間、無意識に何かしら自分の回りの事を思い出すのだ。
現実を思い出さなくて良い、そんな時間はあらためて素敵だなと思った。


あと、80分間の台詞劇。出演者はずっと喋りっぱなしであった。単純にそれにとても感動した。この脚本に挑む役者もすごい。




古典尺八楽愛好会の参加者の皆さんには、いつも口酸っぱく暗譜暗譜と言っているが、5分ばかしの曲でもなかなか実行してもらえない。

皆さんにもこの芝居を一度見て欲しいものだ。とつくづく思った。



なにより、

この人すごい。

という人に会うのも大事なことだ。





その翌日、はせひろいち氏にお礼のメールをしたところ、


「熱中症に気を付けて虚無女の夏をお過ごしくださいませ」


との別れ際の挨拶。


そうだ、昨年は虚無女として、劇団ジャブジャブサーキットに出演していたんだった。


人生で最初で最後の初舞台。


その節は観に来てくださった皆さまには改めて感謝🙏
名古屋の大須も、暑かったなぁ。



大須観音の前で汗だくで虚無僧をしたのを思い出す。




夏には、ますます虚無を感じる今日この頃。



今年はまた暑さが早くからやってきた。
1時間も路上で虚無僧しているとフラフラになってくる。辻立ち場所に日陰を選ぶくらいがせいぜい関の山で、逆に場所によっては風通しが悪くて汗は滝のように流れる 。日影でも地面のタイルに太陽の照り返しで眩しく、編笠はその役割をなさない。

駅のタイルは太陽を照りつける


商業施設からクーラーの冷気が漂ってくるのを密かに狙っているが、世の中そんなに都合良くは無い。



そんな中、冷たいペットボトルのお茶を目の前に差し出してくれた方や、暑いけど頑張ってなんて声をかけてくれる方もいて救われる。


目の前に突然差し出されたお茶。


とある日、暫く隣で聞いてくださった男性に「涼しい気分になりました」というような感想をいただいた。

おお、少しは人の役に立てたのかもしれない🎐




実は、尺八の音って涼しくなるな〜なんて思いながら吹いていた。

実際、腹式呼吸をしっぱなしなので身体は熱くなり汗だくなのだが、耳から入ってくる尺八の音色はなんとも冷涼感に包まれるのだ。特に古い曲ほど涼しげだ。


自分で自分を涼しくする方法として是非是非全ての皆さんにお勧めしたい。



駅前に木陰なんかあったりしたら最高。
でもみんみん蝉と音の競争にもなる。



そうこうするうちに処暑とのこと。

朝夕虫の声なんか聞こえてきて、ドバーッと汗をかいた盛夏がちょっと懐かしくなる季節だ。私は超冷え性なので、裸足で歩き回れるのもそろそろ終わりかと思うと寂しい。


しかしながら処暑の早朝から、うちの外からは元気なみんみん蝉の鳴き声が聞こえる。



いやはや、
この猛暑、みなさんよくがんばりました笑。
しばらくの残暑も頑張りましょう。




涼しくなってから夏の疲れがやってくるので、油断しないでくれぐれも気をつけて!




因みに、

役者として舞台にはもう立ちませんが、今度はとある劇団の芝居の舞台美術をやっております。

10月に公演です❗

詳しくはこちら↓

岐阜の東柳ケ瀬に位置する飲み屋街の雑居ビル3階にある超ミニシアター御浪町ホールにて、前代未聞のミュージカル『ふしぎの国のアリス』!


お近くのかたは是非!💨




古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。サポートしていただけたら嬉しいです🙇