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文学と尺八📖

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古文書・地誌・狂言・詩集などに登場する尺八、虚無僧をご紹介♪
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#薦僧

四代目歌川広重による『江戸府内絵本風俗往来』の普化僧(こもそう)

四代目歌川広重による『江戸府内絵本風俗往来』の普化僧(こもそう)

某日、西荻窪の古本屋で『江戸府内絵本風俗往来』という文庫本を見つけた。

(四代目広重なんて人がいたのねぇ)
なんて思いながらパラパラとめくって見ていると、虚無僧の絵があるではないか。
この風俗絵本には江戸の年中行事から日常風景、商売人や路上の人々がその説明文と共に生き生きと描かれている。
明治38年に刊行された本だ。
時代の激変ぶりに差異がありすぎるかもしれないが、ちょうど今頃に昭和の風俗絵本を

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暮露ってだれ?『七十一番職人歌合』を読み解く!

暮露ってだれ?『七十一番職人歌合』を読み解く!

暮露と文学 其の一!

中世の頃、虚無僧の前身といわれる「ぼろぼろ」「暮露々々」「暮露」という人々が存在しました。

彼らは一体どのような人々であったのか⁉️

『暮露』の名称は以下に記録があります。

 

十四世紀初め『徒然草』では「ぼろぼろ」「ぼろ」(始原として「ぼろんじ・梵字・漢字」)

十四世紀頃の『暮露々々のさうし』では「暮露々々」「暮露」

十六世紀初めの『七十一番職人歌合』では「暮

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虚無僧をさがせ!『絵本慶安太平記』

虚無僧をさがせ!『絵本慶安太平記』

「虚無僧」をキーワードに探し物をしておりましたら、このような絵本に行き当たりました。絵本とありますが挿絵はとても少ない…。が、漢字のふりがなはバッチリです。

まずは、

『慶安太平記』とは?
慶安の変を題材にした実録本・講談・歌舞伎などの題名または通称。

『慶安の変』とは?江戸時代の前期1651年、軍学者・由井正雪 (ゆいしょうせつ)が、槍の達人だった丸橋忠弥(まるばしちゅうや)らと共に、幕府

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