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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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#スタートアップ

シード期のファイナンス・最低限抑えるべきポイント

自己紹介はじめまして。株式会社KenRi代表取締役兼法律事務所KenRi弁護士の西田と申します。 経歴としては、弁護士としてスタートアップ法務を専門にする法律事務所にてスタートアップファイナンスやM&A、訴訟、広告レビュー、労務などを取り扱ってきました。 2024年4月に株式会社KenRiを創業したばかりですが、ご縁に恵まれ、同年7月に7000万円の資金調達を実施することができました。 現在は、同社の経営とご依頼いただいたスタートアップのファイナンスなどを中心に弁護士業をし

シリーズAで3人の子どもが生まれたCEOは、シリーズBに進みます

こんにちは、「良い景気を作ろう。」ログラスの布川です。 なんと本記事が1年ぶりの記事となりました。 株式会社ログラスは、7月31日にシリーズBで70億円の資金調達を発表させて頂きました。本資金調達で累計調達額は100億円となる予定です。 資金調達実現にあたり、お客様、投資家の皆様、弊社メンバー、応援頂いた全ての皆様に深く感謝申し上げます。本当にたくさんの方にご支援いただき、時には𠮟咤激励いただくこともございました。その全てが、今回の結果に繋がっていると思っており、心から

急成長タイミーの礎はいかにして作られたか。小川代表と振り返る「タイミー創業期」の物語

スキマバイトサービスのパイオニアとして、2018年8月のローンチ時から“新しい働き方の選択肢”を広げてきたタイミー。2024年4月末の時点で同社のサービスに登録しているワーカーの数は累計で約770万人、登録事業者の数も25万拠点を突破し、その数は現在も増え続けています。 東京証券取引所グロース市場への上場を経て、さらなる飛躍を見据えるタイミーですが、2017年の設立直後から順風満帆に進んできたかというと、決してそうではありません。実は代表取締役の小川嶺氏は最初に立ち上げたア

累計4億円調達したシリーズAのスタートアップやってたけど破産したヨ

こんにちは、教育系のスタートアップでCTOをしていたヒガシ(@suica_versa)と申します。 表題の通り、私は約6年前から教育機関向けのシステム開発を行うスタートアップでCTOとして働いていましたが、7/10付けで破産開始決定が申し渡されました。 破産に伴い、取引先をはじめ関係各所には大変なご迷惑をおかけしていることを経営メンバーの一人として、謝罪いたします。 このnoteでは、なぜ破産に至ったのか?破産の手続きってどういう内容?破産するとどうなる?という、スター

ファイナンス未経験の僕がチューリングの「臨時CFO」として50億円を調達するためにやったこと

はじめに みなさんこんにちは。"We Overtake Tesla"を合言葉に完全自動運転の実現を目指すチューリングでCOOをしている田中です。 先日プレスリリースや各種メディアでも発表させていただいた通り、我々チューリングは多くの投資家に支えられ、プレシリーズAラウンド前後半あわせて45億円の資金調達を実施しました。 チューリングにはCFOがいなかったので、会社の成長に必要なことは何でもやるCOO魂を発揮し実はちょうど1年前ほど前から僕が「臨時CFO」としてファイナンス

上場から時価総額10倍以上、1,000億円超!IPO後も大きく成長する企業とは

1. はじめに2024年5月21日、東証から「市場区分見直し後の状況と今後のフォローアップについて」が発表されました。 https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/mklp770000007bcn.pdf こちらの資料によると、グロース市場に上場した会社の新規上場時からの時価総額成長率の中央値は、1.03倍。 49%が新規上場時の時価総額(公開価格ベース)から下回っており、半数近くの会社が

エンタメスタートアップ、累計7.4億円の資金調達の裏側と乗り越えられた理由

Pictoriaの調達力はなぜ?「謎の会社」の真相はいかに! 「Pictoriaって、なんでこんなに資金調達できるの?」「謎の調達力…」 最近は弊社の露出も増え、新しく会う方がウチを知ってくださっていることが増えてきて、同じくらいこういったことを言われる機会も増えてきました。 ありがたいことに、B Dash Ventures、XTech Ventures、Skyland Ventures、Sony Innovation Fund、Z Venture Capitalといった名

1円SO(ストックオプション)を発行する場合の会計・監査上の取扱いについて

 初めまして、KOSOパートナーズの水地です。  本日は国税庁が発表した1円SO(セーフハーバールール)を発行する場合の会計・監査上の取扱いについて記載させて頂きます。  1円SOを出しているミドル以降のスタートアップには必須の内容なので参考にして頂けると幸いです。 I. はじめに  2023年7月に国税庁が「信託型ストックオプションは給与課税の対象!」という見解を示し、スタートアップ界隈が騒然とした日、国税庁はこれまで曖昧だったストックオプションの権利行使価額の考え方を明

DNX Ventures 倉林✖️Resilire 津田の対談。「シリーズAでResilireにリード投資をした裏側」

Resilireは2024年4月に、リード投資家としてDNX Venturesを迎え、シリーズAラウンドで総額6.2億円の資金調達を実施しました。今回、DNX Venturesの倉林陽さんをお招きし、当社代表取締役の津田と対談を行いました。シリーズAの投資意思決定に至る背景や、シード期から見る中でのResilireへの印象の変化。そしてResilireへの今後の期待についてお伺いしました。 ■初めのResilireの印象について 津田: 改めまして今回はシリーズAでリード出

PeopleX、シードラウンド16.1億円の資金調達の裏側

この度、PeopleX社はシードラウンドにて16.1億円の資金調達を完了致しました。 創業間もなく、当然ながら売上0円段階である当社に対し、これから創る未来を信頼して頂いた事に心からの感謝と、重責を社会価値に転換していきたいと思います。 資金調達の裏側創業以前から、前職時代にお世話になったベンチャーキャピタル様にご挨拶も兼ねて、御食事の機会やお話の機会を頂きました。 自分自身、事業経験は長くとも、自ら起業してのファイナンス経験はないため、先輩方に素直に現状をお伝えし、ま

【#2】VCの世界を探る:ストラクチャー(後編)

⑴ はじめにスタートアップ公認会計士の中辻です。 この度は、本記事をお読み頂きましてありがとうございます。 なお、noteだけでなく、X(旧Twitter)でも情報発信を積極的に行っていますので、フォロー頂けますと幸いです。アカウントは👉@Naka_CPAです。 前回のnoteではベンチャーキャピタルに関連する用語を解説しました。今回は、更に踏み込んでベンチャーキャピタルの具体的なストラクチャーについて説明させて頂きます。前回記事は👇をご参照下さい。 ⑵ ストラクチャ

【#1】VCの世界を探る:ストラクチャー(前半)

⑴ はじめに スタートアップ公認会計士の中辻です。 この度は、本記事をお読み頂きましてありがとうございます。 なお、noteだけでなく、X(旧Twitter)でも情報発信を積極的に行っていますので、フォロー頂けますと幸いです。アカウントは👉@Naka_CPAです。 スタートアップ企業の成長において、資金調達は重要な要素の一つです。その中でも、ベンチャーキャピタル(VC)は、スタートアップが成長するための資金を提供するだけでなく、経営支援やネットワーキングの機会を提供す

YOUTRUST、20億円の資金調達の裏側 ~できる限り詳らかに。社長の視点から~

先日、20億円の資金調達を発表いたしました。 本当にありがたいことに、想定以上にたくさんの方々に拡散いただきまして「XがYOUTRUST一色になった」というお声もたくさんいただきました。ご迷惑じゃなかったかな…と少し心配したのですが、実際はポジティブな意見ばかりで「なんて素敵な人たちに恵まれているのだろう」と感謝の気持ちでいっぱいです。 このnoteは主にスタートアップ業界の仲間に向けて、出来る限り詳らかに社長岩崎の視点から今回の資金調達までの道のりを生々しく共有させてい

解禁間もないフィンテック融資(金融事業向け融資)でスタートアップが資金調達した話〜ファーストペンギンとしてお伝えしたいこと〜

スタートアップファイナンスにおいては昨今、株式を活用した調達(エクイティファナンス)に加えて、融資による資金調達(デットファイナンス)を組み合わせながら事業を成長させるケースが増えてきました。また、第三の選択肢として、ファクタリングやRBF(レベニューベーストファイナンス)など、債権や将来債権を根拠とした資金調達なども選択肢として充実してきたように思います。 イークラウドは、株式投資型クラウドファンディングを運営している会社です。スタートアップの資金調達を支援する事業を営ん