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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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2024年7月の記事一覧

シリーズA投資|immedio

DNX Ventures(以下、DNX)は、株式会社immedio(以下、immedio)の総額約3.5億円のシリーズAラウンドに、リード投資家として追加出資させていただきました。本ラウンドは、DEEPCORE、Sansan、G-STARTUP等との共同出資となり、累計調達金額は5億円となりました。 immedioは、「なめらかな出会い方をデザインし、価値の流通を加速する」というミッションのもとに、企業向けにインバウンドリードの商談化ツール「immedio」を提供しているS

累計4億円調達したシリーズAのスタートアップやってたけど破産したヨ

こんにちは、教育系のスタートアップでCTOをしていたヒガシ(@suica_versa)と申します。 表題の通り、私は約6年前から教育機関向けのシステム開発を行うスタートアップでCTOとして働いていましたが、7/10付けで破産開始決定が申し渡されました。 破産に伴い、取引先をはじめ関係各所には大変なご迷惑をおかけしていることを経営メンバーの一人として、謝罪いたします。 このnoteでは、なぜ破産に至ったのか?破産の手続きってどういう内容?破産するとどうなる?という、スター

スイングバイIPOという選択肢を選んだ理由

今回は、2024年7月1日にリリースさせて頂いた通り、株式会社HiOLIはオイシックス・ラ・大地グループとの資本業務提携を締結いたしました。その記憶が新しいうちに、私なりの考察も含め、経緯などを記しておこうと思います。 スイングバイとは何かそもそもスイングバイとは そもそもは宇宙の分野で使われていた専門用語です。 打ち上げた衛星が宇宙空間を進む場合、自分が持っている推進燃料を使い、軌道を変換しながら目的地に向かうのが一般的です。 しかしながら、遠い惑星に到達するためには、

これからのSmartHRの話をしよう─資金調達を経て目指したい、業務効率化の先の世界

こんにちは。SmartHR CEOの芹澤です。 先日シリーズEラウンド実施の記者会見を行い、SmartHRの新プロダクトや事業のこれからについてお話ししました。 おかげさまで多くの反響をいただきましたが、今回の一連の会見ではSmartHRが「なぜ」このような領域で事業展開をしているのかはお伝えできなかったので、この note でその辺りについて詳しく書きたいと思います。 僕たちの新しいプロダクト会見では今後の事業展開として「人事労務領域」「情シス領域」「従業員領域」「プラ

【緊急取材】SmartHRがIPOではなくレイター調達を選ぶワケ

Primaryの過去記事が読み放題 Primary メンバーシップ SaaS関係者必見のコンテンツ多数! *    *    * 国内SaaSスタートアップのトップランナーがまた大きなニュースを公表した。 2024年7月1日、労務・人事領域のクラウドサービスを提供するSmartHRは、資金調達シリーズEラウンドで約214億円に及ぶ契約を締結したことを明らかにした。 総額のうち新規株式発行に伴う第三者割当増資は100億円程度となり、残りは、既存株主持ち分の一部売り出

¥680

僕は5年前、すごく疲弊していた。

はじめまして、CityCamp株式会社の松池恭佑と申します。まず、自己紹介させてください。兵庫県生まれ、学生時代に旅人としてインドなどたくさんの国を放浪し、上京して新卒でサイバーエージェントグループのシーエー・モバイル(現CAM)に入社。1年で退社し、picki株式会社というタレントやクリエイターとファッションブランドを作る会社を立ち上げて3年、その後CityCamp株式会社を創業。という経歴です。 新卒の頃新卒でシーエー・モバイルに入社してからというもの、僕はずっとやる気

ファイナンス未経験の僕がチューリングの「臨時CFO」として50億円を調達するためにやったこと

はじめに みなさんこんにちは。"We Overtake Tesla"を合言葉に完全自動運転の実現を目指すチューリングでCOOをしている田中です。 先日プレスリリースや各種メディアでも発表させていただいた通り、我々チューリングは多くの投資家に支えられ、プレシリーズAラウンド前後半あわせて45億円の資金調達を実施しました。 チューリングにはCFOがいなかったので、会社の成長に必要なことは何でもやるCOO魂を発揮し実はちょうど1年前ほど前から僕が「臨時CFO」としてファイナンス

上場から時価総額10倍以上、1,000億円超!IPO後も大きく成長する企業とは

1. はじめに2024年5月21日、東証から「市場区分見直し後の状況と今後のフォローアップについて」が発表されました。 https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/mklp770000007bcn.pdf こちらの資料によると、グロース市場に上場した会社の新規上場時からの時価総額成長率の中央値は、1.03倍。 49%が新規上場時の時価総額(公開価格ベース)から下回っており、半数近くの会社が