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スイングバイIPOという選択肢を選んだ理由

今回は、2024年7月1日にリリースさせて頂いた通り、株式会社HiOLIはオイシックス・ラ・大地グループとの資本業務提携を締結いたしました。その記憶が新しいうちに、私なりの考察も含め、経緯などを記しておこうと思います。


スイングバイとは何か

そもそもスイングバイとは

そもそもは宇宙の分野で使われていた専門用語です。
打ち上げた衛星が宇宙空間を進む場合、自分が持っている推進燃料を使い、軌道を変換しながら目的地に向かうのが一般的です。
しかしながら、遠い惑星に到達するためには、多くの推進燃料が必要となり、それは物理的に困難なため、自分より大きな力を使い、より遠くにより速く進む方法があります。
この方法を『スイングバイ』といいます。
詳しくは、下記リンクをご参照ください。

スイングバイが成功する条件

まず、スイングバイの成功の定義を、自分たちが思い描いている目的地に早く到達できることとしておきます。
文系の私が、解説するので、間違っている可能性が多分にあるのですが、そこはご容赦ください。あくまでもイメージです。宇宙の分野におけるスイングバイの成功条件は下記の3つだと思います。

  1. そもそも衛星がきちんと軌道まで到達できること

  2. 相手側が自分と比較して圧倒的な質量(力)の差があること

  3. お互いのタイミングが合うか。相性があうか。

1.そもそも衛星がきちんと起動まで到達できること
当たり前の話ではありますが、そもそも力を利用する前に、自分たちがその力を利用できる場所にいるかどうかは極めて重要です。
おそらく、それをビジネス的に置き換えるとPMFをしているかどうかなのだと思います。

2.相手側が自分と比較して圧倒的な力(質量)の差があること
これも当たり前の話であるが、遠くに行きたいのに、力を利用する相手が自分より小さい又は弱いとそもそも遠くに飛ばせる余地など存在しません。スイングバイは相手の引力とその相手側の進行スピードを利用するため、引力によって引き寄せられなければ、そもそも意味がありません。
また、引力だけあっても、その相手が止まっていては、自分のスピードに加算できないため、速くもなりません。
ビジネスに置き換えると、時価総額や売上高において圧倒的な差があるか。相手自身が成長しているかが重要になると思っております。

3.お互いの相性があうか。タイミングが合うか
当然、相手の力を利用しようと思っても、こちらのタイミングやスピードが速かったり、相手のスピードが速すぎたり、遅すぎたりすると、最終的に思うような軌道にならず、目的地までに到達できません。
あと1ピースさえハマれば、一気に形勢が逆転する又は一気に開花する可能性があるタイミングで出会えているかどうかはとても大切だと思っております。

まとめると、ビジネスにおけるスイングバイの成功条件は下記の4つではないかと思っております。

  1. 自社ビジネスや事業がPMFしている状態であるかどうか。

  2. 相手方に力を利用できるだけの規模の大きさがあるかどうか。

  3. 相手方がそもそも成長しているかどうか。

  4. お互いのタイミング、相性があうかどうか。

なぜ、このスキームを選択したのか。

オイシックスとの出会い

そもそもHiOLIとオイシックス社との関係は古く、オイシックス社のCVCであるFuture Food Fundを立ち上げたばかりのタイミングの2020年頃に初めてお会いしたことからスタートしています。当時は国内唯一の食領域に特化している、かつオイシックス・ラ・大地が設立したファンドということで、エクイティの支援だけでなく、協業を期待し、出資していただくことになったのが始まりです。

そして、2021年9月より、松本氏を当社の社外取締役としてお迎えし、そこからは毎月の定例会のみならず、定期的にお食事をしながら、様々な角度から経営のアドバイスを頂き、本当の意味で伴奏して頂き、当社の成長をご支援頂いてきました。

オイシックスでないといけなかった理由

私がHiOLIにジョインしてから、シリーズCの資金調達を実現すべく、既存投資家や新規投資家との会話を進めてきました。
一般的な資本政策での資金調達の検討を進めつつも、常に、よりHiOLIを大きくする、課題解決を最短最速で実現できる選択肢は他にないのかと考えていました。その中で、当時ソラコムさんとKDDIさんのスイングバイIPOが話題になったことをきっかけに、HiOLIとしても選択肢の一つとして持っておくことにしました。

個人的には、HiOLIの作っているものの良さ、ブランド、世界観はとても好きなのですが、まだまだ広がり切れていないことを課題として認識していました。一方で、HiOLIの作っているものが広がるには、「きっかけ」となるものが必要ではないかなと感じておりました。
そんな中、スイングバイがその「きっかけ」になるのではないか、HiOLIとして大きく変化させるタイミングではないかという考えに至り、改めて、スイングバイの実現性について社内で議論をしました。特に、どの企業とのスイングバイが理想に近いのかが論点でした。

その結果、前述のビジネスにおけるスイングバイの成功条件に当てはめると、この条件を満たす会社はオイシックスしかないとなりました。そこから交渉をスタートさせ、今回の結末となりました。HiOLIにとってはスイングバイの相手は、オイシックスでないといけなかったのです。

  1. 自社ビジネスや事業がPMFしている状態であるかどうか。

  2. 相手方に力を利用できるだけの規模の大きさがあるかどうか。

  3. 相手方がそもそも成長しているかどうか。

  4. お互いのタイミング、相性があうかどうか。

今回、我々を信じてくださったオイシックスに結果で恩返しをすべく、オイシックスのリソースをフル活用させて頂き、事業成長を加速させていきたいと考えております。

HiOLIの進むべき道

今回、シリーズCということで、会社では過去最高の約8億円の資金調達を行いました。
今回の資金調達は、日本の酪農の課題を解決するための”脱脂粉乳”の消化支援が最大の目的です。
具体的な言葉に直すと、『M&A』『グローバル』だと考えております。

地方銘菓のロールアップM&A

現在、HiOLIは様々なパートナー工場とお取引をさせて頂きながら、モノづくりをさせてもらっておりますが、
その中で見聞きした話でもありますが、日本の各地方には、銘菓と呼ばれるお土産が昔から多くあることを改めて知りました。
(私の地元の広島では、言わずもがな、『もみじまんじゅう』です。)

ただ、一方で、地方の銘菓も少子高齢化の波には逆らえず、なり手不足、後継者不在により、廃業をされる企業が最近増えてきています。
こういった、地方の良き技術や良き資産を残すためにも、当社が介在することで、未来に残していけるだけでなく、当社にとっても、新たな気づきや再成長の機会などにもつながると考えております。

グローバルへの展開加速

2023年11月より、HiOLIとしては、初めてのグローバルに挑戦しました。
日本の店舗の2~3倍の価格で販売だったのですが、私は本当に売れるのだろうかと、半ば疑い気味で、このプロジェクトを見守っていました。
結果は、大盛況で売れたのです。
このときに「海外であっても美味しいものは売れる」ということを思い知らされました。

この経験はまだまだ日本の良さを上手く活用すれば、グローバルでも通用できるという学びの機会となりました。
ある意味、メイドインジャパンやジャパンクオリティというブランドをまだまだ生かせる間に、グローバルに進出し、ターゲット市場を広げるチャレンジをしたいと考えております。それが強いては、”脱脂粉乳”の消化支援につながるとも考えております。

このようなグローバルに挑戦するエコシステムを創り上げることが、日本の再成長のみならず、地域活性化にもつながり、日本の食を支えるパートナーの方々へも還元できる仕組みを実現できると私は考えております。

日本ブランドがまだまだ通用する今、ここから2~3年が勝負だと思っております。
皆さんから見ると無謀と思えることかもしれませんが、グローバルとM&Aに果敢に挑んでいきます。
ただ、私だけではやはり何もできません。ぜひ、日本の未来のために、皆様のお力を貸してください。

最後に

我々の挑戦はこれからも続きます。
我々と一緒に当社のビジョン実現、日本の酪農の課題を一緒に解決したいと思う仲間を絶賛募集中です。
全方位で採用募集中ですので、下記キーワードにヒットする方はぜひ、ご応募お待ちしております。

  1. 商品企画/店舗デザイン

  2. グローバル海外展開

  3. 人事責任者

  4. 事業開発

  5. 生産管理リーダー候補

  6. 経営企画、M&Aリーダー候補

  7. パティシエ

  8. 営業事務


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