マガジンのカバー画像

食料と農業

40
運営しているクリエイター

#農林水産省

タフ・ネゴシエーター塩飽二郎さん逝く〜国際交渉を進めるときの One Voice の大切さ

 Facebookへの投稿を転載しました。

 1986年にプンタデルエステでウルグアイ・ラウンドの開始が宣言されたときは、農林水産省国際部長。米の関税化猶予を主に米国との秘密交渉で合意したのが1993年秋。開始から終結まで一貫して交渉に関わり、ジュネーブに通い続けた数少ない人物。私も記者として農林水産省を初めて担当したのが1986年でしたから米国による農産物12品目の対日ガット提訴に始まる貿易自

もっとみる

宮城に続き沖縄、山口でも発覚~広がる和牛の遺伝子不一致、揺らぐ信頼、バブルは崩壊?ブーム悪乗りのツケ

1、JA山口県は1月末に把握 宮城、沖縄と続いて今度は山口県でも。13日午前11時半、JA山口県の畜産課から電話があり、山口県の家畜市場から出荷された和牛の子牛で遺伝子父子矛盾(不一致)が検出されたという説明がありました。県庁も同時刻に発表したそうです。

 JA山口県の説明によると、最初に遺伝子不一致が判明したのは今年1月30日でした。県外に出荷された子牛のDNAを購買者が検査したところ、不一致

もっとみる

和牛とあぶくのような儲け話にご用心

和牛の世界はどうしてあぶくのような儲けを期待する輩が跋扈するのだろう?

デタラメな人工授精証明が横行した宮城県の実情を調べていて、ふとそんなことを思いました。

和牛バブルに浮かれてコンプライアンスがおろそかになっていたのではないでしょうか?そんな時、背後に怪しげな欲望にかられた人々も近づいてくるものです。気を引き締めなければならない時です。

あれやこれや考えながらネット上で調べものをしていて

もっとみる

宮城県発の疑わしい牛、全頭DNA検査必要!

 全農宮城県本部(JA全農みやぎ)は18日、授精記録とは異なる牛の遺伝子が検出された同県産の子牛が流通している問題で、子牛の所有者の同意を得ながら疑わしい牛を全頭DNA検査にかける必要があるとの考えを明らかにしました。人工授精業務を監督する立場にある県と連携し、全容解明を急ぎます。

 検査費用をだれが負担するかは現時点では未定ということです。

 ふつうなら牛の所有者が検査費用を負担するものの、

もっとみる

仕事師の沈黙

信じられない思いです。しかし、私がどこまで彼、熊沢英昭さんの心の中をわかっていたというのでしょう。そう自問しました。

農林水産省をはじめて取材した頃からの付き合いです。もう33年。当時はJRAなどを所管する競馬監督課長だったでしょうか。とても温厚で優秀。いつ会っても余裕たっぷり、にこにこ笑いながら仕事を片付けていました。

退官後もときどきお会いして、彼がアメリカとの交渉にあたったウルグアイ

もっとみる