アジア人フェチ地獄

アメリカに住んでいると、アジア人フェチシズムの餌食になることがある。


アジア人、特に日本人は男女問わず幼く見える。

そして細い。

ムダ毛もない。

可愛げがある。

だいたい奥ゆかしい。

おとなしい。

言うことを聞く。

そしてMANGA,ANIME,GEISHA。


ゲイとして都市部に生きていると、ときたま遭遇する。

西海岸に行くともっと遭遇する。

そう、YELLOW FEVER持ちの輩に。

イエローフィーバーとは、黄色い肌の人へのフェチシズムを持った人への呼称(蔑称)である。

元来黄熱病のことであるが、何処かの誰かが、東アジア人フェチのことをそう呼んだことから、そう呼ばれるようになった。アジア人をイエローと言う時点で差別的なのだが。

そう、この人たちは東アジア人、つまり日本をはじめ、韓国・中国・台湾の男女にしか興味がない。

恋愛的にもだが、問題となるのは性的にも、だからである。


マッチングアプリ現役マンだったころ、時々遭遇した。

「アジア人大好き!」

と一言いい放つとんでもねえ野郎に。

こわいわ。

人として好いてくれるのは嬉しい。

が、肌の色だけで決められるのはわりと疑問である。

アジア人という人種を一括りにして、「全部エロい。」なんて言われた日にはもう暴れてやる。


「日本の文化が好き!だから日本人と付き合いたい!」

わからんでもない。

「MANGA大好き!だから日本人も好き!」

勉強しようね、とは思うが、まあ出発地点としてはありえるでしょう。

「アジア人なの!好き!」

ん?なんだ?なんだこの違和感は。

アジア人ならなんでもいいんか?それは差別の一種では?

アジア諸国、いろんな対立の歴史があり、それぞれの文化がある。それを一括りにされるのは癪だ。


元彼がこれだった。

「このAVを見たんだよ。」と、日本のゲイ動画を見せられたことがある。(なぜ?)

男優はお世辞にも可愛くもかっこよくもなかった(個人の感想)。

それを見て彼は

「この男優がすごくかわいい」

と言った。

・・・?

その「すごくかわいい」っておれにも言うよね?

この超絶美少年(個人の感想)のおれとそのお世辞にも微妙な男優を同じ「すごくかわいい」で括っただと?

なるほど。

おれとそいつを同じ土俵に上らせるんじゃない。

アジア人ならなんでもいいのか?


他にも、彼は前の記事にも書いた「浮気された元彼」なのだが、

その浮気相手も全く自分と違うタイプの韓国人。お世辞にも可愛くない(個人の感想)。

なるほど。

アジア人なら(略)。


また、彼はK-POPにハマっていて、

かっこいいと言う俳優やアーティストは全員アジア人。

白人の俳優を褒めたところを聞いたことがない。

音楽もK-POPしか聴かない。

生粋のフェチ持ちだった。

性的にもアジア人にしか興奮しないらしい。

こわいね。


書いていて思うが、

K-POPがアメリカで爆発的に流行ったことにより、このフェチ持ちの人が増えた。

「K-POPアイドルかっこいい!」という発見から、

「アジア人を抱きたい!」という欲へと感情が歪んでいった人も少なくないはず。

アプリ時代にも「韓国人?」と一言目に聞かれることも少なくなかった。

「残念、わいはジャパニーズやで」と言っても結局は「アジアンはとてもセクシー!」に収束するようで、関係ないようだった。

アジア人フェチの闇は根深い。


好み、というのであればしょうがない、というところもある。

けど、

「アジア人ならどんな顔でもどんな性格でもいい!」

という地獄みたいなのが存在する。


おれにも個性くらいあるんですけど。


何が凄いって、

この人たちは「アジア人」を性的記号に陥れながらも、それが人種差別的であると微塵も思っていないこと。

もちろん、差別的でない場合もある。

自分でわかっていて、「アジア人が好みなんだよね、とてもセクシーだよ」みたいな人もいる。

けど、

ほとんどの場合が人種差別的で、また、「静かで言うことを聞く日本人女性像」を記号化し、優位に立ちたがるようなミソジニー的な部分もある。


考えてみれば、日本人のゲイ界隈にも

「外専」という、外国人(主に白人)のみを求める人々がいる。


人種が逆なだけでアジア人フェチと同じよね。


女性が記号化されることについて憤ってる人たちを見ていて、

理解はしていたつもりだけど、男である分、完全に自分ごととして考えられないな、と思っていたけど。

なるほど、自分を記号化されるというのはこういうことなのか、と感じた。


この人好きだな・・・と想っていた彼が自分のことを

「アジア人だから好き」と思っていたことに気づいたらと思うと・・・

ゾッとするわ。







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