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「きみは、ぼくの東京だった」

グッナイ小形さんの曲のタイトルです

このタイトルがどうにも好きでして
どんな情景か、無責任な享楽を一つ

その土地が、一人との思い出に全て染まる
それのどれだけ美しいことか

以前音楽で同じような話をしました
一時期同じ曲を聴き続けていると
その時期の出来事、感情、景色
それらが混合し、気づけばその曲を聞くと
BGMとして様々なことが蘇る

この曲もその一つ
というかBGMとしての概念が曲として
輪郭を持ってしまった
なんと美しい表現方法でしょうか

私はこの方の他の曲を知りません
そもそもどうしてこの曲に出会えたのかもわからない
ストリートミュージシャンとして活動されていて
MVもクラウドファンディングで制作されています

この曲に関して多くは知りませんが
「〇〇は、僕の東京だった」

このフォーマットに当てはまるものは
みなさま胸にひっかかるものがありませんか?

「東京」がそもそも地名を指すのか
日本の首都、あらゆる流行の発信地
比喩として東京が使われているなら
またこの言葉の味わいも変わってきます

「君」ではなく「きみ」
「僕」ではなく「ぼく」
全て人称がひらがなであること
ここには何が込められているのだろう

思い浮かぶのは
幼い少年少女

素敵な約束を交わし合った二人だけど
時間は無常に二人を引き裂く
引き裂くほどは行かずとも、小さな亀裂
その亀裂が時間が経てば大きなズレになる

「あの時」を思い返すことしかできず
現実は思い浮かべたものではなく
それでも記憶は美しいまま

人はいつでも
思い出の彩りを少しだけ
色鮮やかにしてしまう

そして呟く言葉が

「きみはぼくの東京だった」

私にとっての東京はどこでしょうか

私の地元はそれはもうとんでもない田舎で
幼い頃の私は、街の中で一番高い電波塔のことを
ずっと東京タワーだと思っていました

一番心に残っている町
きっと大学から卒業する時
この町が東京になりうるのだろ思います

今のところは浪人時代に住んだ町

駅前の都会で寮の702号室
自殺防止の鉄格子付きのすりガラスから
毎日のように警察や救急車の音を聞いていました

お風呂場で友達と大声で下ネタを言いすぎて
隣人が寮に怒鳴り込んできたり

元旦から模試なのになぜか朝食がおせち
胃袋が遅起きなのでもそもそと食べ
夜の自習が終わり、消灯までの20分
それぞれカップ麺を持ち寄って
大学生活の青写真を鉄格子を通して描いた

あのオンボロ寮こそ
東京でしたかね


退寮まで寮母とバトルを繰り広げ
「あんた本当に碌なもんにならんよ??」
「そうでしょう、お疲れ様でした」
でお別れをしたのですがね!!

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