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地域密着型のコンサートをつくる③ 練馬区でコロナ禍に始まった世界音楽冒険記企画のおはなし

笠間で2020年頃、井筒屋企画などを立ち上げて過ごしてましたが、それをやっていく中で、練馬区在住のガムラン奏者の増田久未さんから、練馬区でも地域密着型のコンサート企画や、当時はコロナ真っ最中だったので配信事業もやりたいのだけど協力してもらえる?という連絡をいただき、おそらく私が笠間でやってる地域密着型の企画の形であっても場所が変わったらまたそこに住む人たちと違う化学変化が起きて、違う発展を遂げるだろうと面白い気持ちになり、時間も当時たっぷりあったので協力できることはとことん協力しようと思い、連日相談しながら1回目の企画を行うことにしたのが2020年の秋でした。

これは、現在の世界音楽冒険記の前身のようなオンライン企画で、機材はこの時のギタリスト大柴拓さんのおすすめを増田さんがバッチリ揃えて始まり、全て手作りな企画とはいえ、とても良い内容の配信コンサートとなりました。


その後、少し月日は流れますが、久未ちゃんが私達の笠間の井筒屋企画にも世界音楽冒険記で取材しに来てくださり、立ち上がったばかりのYouTubeに掲載してくれたり、笠間や石岡のお囃子も取材し、それもまたYouTubeに掲載されてます。この時は笠間市在住の高橋協子さんに紹介していただき、一緒に行った練習の様子はとても素晴らしく、記憶に残る取材となりました。なかなかこの時期にこういった攻めた配信をしてる人もおらず、コンサートも少ない中で紹介していただけたことはとても嬉しかったです。


こういった活動を久未ちゃんが練馬区で頑張って進めている中で、楽器紹介や他の音楽グループもその企画に出演されるようになり、世界音楽冒険記がだんだんと魅力的な配信を行う団体として飛躍し始めました。

コロナも終息までは行かずとも、普通のライブができるようになってきた2021年の秋頃から、LIVEシリーズも始めようということになり、どんなグループで始めの公演を組むかにあたって、笠間の井筒屋で邦楽曲や民話を中心に活動を始めた尺八、琵琶、ピアノのトリオと、バンドネオン、ヴァイオリン、ピアノのトリオの2つの有観客コンサートの企画が立ちました。その時の会場は曼荼羅美術館という全体が展示品の曼荼羅に囲まれた美しい空間でした。この時はまだまだ企画内容も運営も手探りな状況でしたが、手作り感のある公演もとても楽しかったことを覚えてます。

その後、年が明け2022年になり、タンゴ五重奏の企画が立ちました。会場はこれまた練馬区にある美しい美術館である光が丘美術館でした。タンゴ五重奏はその前にも1度公演したメンバーの皆さんとご一緒しましたが、ほとんどがこの久未ちゃんの世界音楽冒険記企画の立ち上げの頃からオンライン配信でもライブでも関わってくださった方々で、最初からこの企画の変遷を見続けてきた自分としては、個人的にとても感慨深い気持ちでのコンサートとなりました。

こういう企画をしていく中で、久未ちゃんが、いわゆる普通のライブやコンサート企画でそのグループのリーダーが音楽面の準備に加えて、いつも駆けずり回って疲弊しながら続けているであろう告知や集客のための宣伝、そして演奏会の記録を残すことや、当日のスタッフやセッティングなどの運営面を一手に引き受けてくださり、演奏家の準備が音楽を作ることに集中できていったことは本当にありがたいことだと思ってます。

例えば、普通の自主企画公演やライブハウスでのライブ等ではチラシを30-50箇所くらいに撒きに自分で行くことも多く、大学生時代からそれが普通と思ってやってきましたが、意外と結構な労力でもあり、逆に色々な方と知り合ったりお話しできる良い機会でもあったりしますが、分業されることでそれもまた1つの仕事なのだなと気付かされる事が多かったです。
コンサート作りの中で、そういった見えていない面のことを誰かがやっている事にあまり気づいておらず、当たり前だと思っているような演奏家も残念ながらとても多く、久未ちゃんのこの企画で分業することによって、その仕事にスポットが当たったこともすごく良かったのではないかと思いました。表に出ている面の向こう側には必ず見えていない面があり、こういった土台を作るような運営の仕事を好んでやりたいという人が今後増えていったら嬉しいなぁとも感じます。

発信したい演奏家がいて、それを聴きたいと思う聴衆がいて、そこまで情報がちゃんと行き届いて、聴きに来たいと思う人が足を運んで来てくれている状況を作り出すというのは、きっとこうやって動いてくれる人がフル稼働で仕事をしてくれているからだろうなぁと感じたり。興味を持って下さる方も増えてきてとても嬉しいですが、それは地道に人と人を繋げたり、こういうことをしていますという情報を地域の人に伝える仕事を久未ちゃんが丁寧に丁寧に続けているからこそだと思っております。

その後、コロナの影響もありつつですが公演企画を段々と企画できるようになってきた頃、石神井公園にあるふるさと文化館から、笠間市でも練馬区でも公演していた尺八、琵琶、ピアノの民話を語る公演のお話があり、それもまた世界音楽冒険記での繋がりが結んでくれたご縁となりました。内田家住宅という非常にかっこいい古民家での、地域住民に向けた練馬区の民話を3つの楽器で紡ぐ公演となりました。こういった企画のお話が来たことも浸透してきた証拠なのかもと嬉しくなりました。ちなみにこの時の共演のラファエルさんと康子さんは練馬区民です😁


ここで、久未ちゃんが手がけた世界音楽冒険記LIVEを一挙にご紹介。相談に相談を重ねて出演者を決めて打診してという作業を続けて来ましたが、毎回ワクワクする公演が続きました。自分が参加した以外にも、アイリッシュやシャンソンの公演もあったようで、練馬区の人は気軽に参加できる距離にこの企画があって良いな〜なんて思うようにもなりました。ぜひ近隣の方にはこれから参加してみてください😊

広く浅く音楽を知りたい人も、深く知りたいと思う人もどちらの人も楽しめるような企画に段々と変化してきているように感じており、更に練馬区の素敵な空間も自分たちも知っていけたらと思ってます。

今後の予定ですが、私が関わるのは5/28の曼荼羅美術館のタンゴカルテットと、7/11の大泉学園ゆめりあホールでの2台ピアノコンサートです。
いずれもタンゴの公演ですが、今回大先輩達のお力をお借りして楽しく公演準備中です。快くお引き受けくださった先輩達に感謝です。
現在、ご予約受付中とのことで、ご興味ある方は、

090-2177-5617(増田)
へご予約ください。


今後もこの企画が練馬で大きな渦のようになってさらに多くの人に知られていくことを祈ってますし、自分も最大限の協力を続けていきたい企画の1つですので、世界音楽冒険記を応援していただけたら嬉しいです!

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