君とそっとずっと歩きたい道

　カネコアヤノの歌をよく聴く。力強くまっすぐな歌声と詞が、心に残ると言うよりは、刺さるといったほうが近い。

　「星占いと朝」という曲は特に好きな一曲で、今回の記事のタイトルもその曲の一節だ。喧嘩をして眠れないまま、「君のことずっと考えて朝」になり、悪い占いの結果なんて嘘だと言い聞かせる。そして最後に「君とそっとずっと歩きたい道」というフレーズ。大切な人を想うまっすぐな気持ちが、彼女の強い歌声にのり、私の心にそのまま入ってくる。

　付き合って半年経つ恋人がいる。最近はかなり減ったが、付き合い始めのころは少なくない回数の喧嘩をした。お互い頑固で理屈っぽいから、どんどんこじれていくし、言う予定のなかった酷い言葉まで投げつけ合っては、それに傷ついていた。喧嘩をしたまま会えなかった夜はシャワーを浴びる気にもなれず、眠ることもできなかった。どうやって謝ったら仲直りできるだろう、元通りに仲良くしたいと、ぐるぐると考えて、なかなか帰ってこない返信を待ったりした。気がつくと小鳥がさえずり、空が白んでいて、昨晩シャワーを浴びていないことを思い出し、お風呂場に向かう。シャワーで汚れを洗い流すと、なんだか心まで少しすっきりする。どうしてあんなことを言ってしまったのかと、反省する。今日は素直に謝ろうと決めて、彼へ会いに行く道の途中で、きれいな景色や美味しそうなカフェを見つけて、彼と歩きたい思うのだ。楽しい日々を思い出して、これからも華やかでなくても喧嘩をしても、やっぱり二人で過ごしていきたいと思うのだ。