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私小説

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わたしがいて、虚構のわたしがいて、嘘に嘘を重ねて真実にたどりつければ、もしかしたら……
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#虐待

私小説 真実の瞬間

 それはこんな感じで起きると思ってもらえればいい。  たとえば夜勤。あなたはひとりで就床…

Karla
1年前
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私小説 弱者に向かう怒り

 いったいどこからが虐待になるのか。そう質問をした障害者施設の職員がいた。その職員は、障…

Karla
1年前
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私小説 虐待と愛護の間

 この私小説を書きはじめたとき、私小説である以上、わたしのことを小説に書いてやれという思…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 8

 しかし、虐待というのは、わたしたちの問題を相手にぶつけているだけだという気がする。とい…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 7

 わたしは正しく、あなたは間違っている。人間が陥りやすい最大の罠。わたしはいつだって正義…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 4

 ひとりの職員が虐待を行なうまでに追い詰められる。と、このように書くと、虐待を行なうのは…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 2

 虐待が起きる背景に、職員のストレスがある。たとえばこんな事例はどうだろう。  ある利用者がいる。その利用者は甘みの強い飲み物が大好きである。その利用者が常に職員に甘みの利いた飲み物を要求する。なぜなら自宅でそのような生活を送ってきたからだ。両親はその利用者を甘やかせて育てた。欲しいというものは何でも与えた。そのまま施設に入所をした。利用者は施設でも同じ暮らしを続けようとした。しかし、自宅で好き放題の生活を続けたせいで、糖尿病にかかっていた。インスリンはまだ必要ではなかった。

私小説 わたしの体験 1

 知的障害者を対象にした入所施設で、虐待は不可避的に起きる。わたしの体験ではそうだった。…

Karla
1年前
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