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関係妄想を具現化する

これまでにも何度か書いたけれど、私は自称"関係妄想家"である。"このタイミングでこの本を読んだことは必然性だ!この本は私のために書かれたものだ!""この人と私は出会うべくして、今日運命的に出会ったんだ!"と、日々、感じながら(妄想しながら)生きている。
でも、もちろん、本屋で売られている本は私のために書かれたものでもなければ、今日並んだレジのおばちゃんとの出会いは運命的なものでもない。それはわかっている。
わかった上で、それでもやはり、自分と相手(人でも本でもモノでも)との間に、何かしらの"関係がある"と思っている方が、なんだか楽しいじゃないか。

そして、私がこの人と"関係がある"と思いたい人がたくさんいる。芸能人、著名人から一般人(知り合いの知り合いとか)まで、それはそれはたくさんいる。そんなうちの1人に、今日会いに行ってきた。

彼はたまたまインスタで見つけたアーティストで、どうやら同じ町に住んでいるらしいのだ。彼の描く人物の瞳の美しさがとても印象的で、インスタの画面を通してだけでなく、実際にその絵を観てみたいと思っていた。どんな人がその絵を描くのか会ってみたかった。
その彼が展示会をしているのはインスタで知っていたので、こどもたちのハーフタームが終わったら行こうと思っていたら、どうやら来週半ばで終わってしまうらしいことに気がついた。これはいかん!ということで、急遽、今日こどもたちも引き連れて行くことにしたのだ。ただの"関係妄想"の相手を、本当に接点のある人にするための行動を起こしたのだ。

彼のギャラリーを訪れ、インスタをフォローしていること、同じ町に住んでいること、彼の描く瞳が好きだということを、直接伝えたら、とても喜んでくれた。私の英語はボビーオロゴンの日本語レベルよりさらに下なので、不自由なく意思疎通ができたわけではないが、彼の作品を実際に観ることができたこと、彼と話ができたこと、私という存在を彼が認知してくれたことが、とても嬉しかった。たとえ、相手にとってはたくさんの客のうちの1人に過ぎず、すぐに忘れられたとしても、それは問題ではない。たった15分ほどの時間であれ、私は関係妄想を抱いていた相手と、妄想ではないリアルな接点を持ったのだ。そのことが、私にとってはとても重要なこと。
その一点のみの関係で終わるかもしれない。でも、一点の交わりを得たことが、次の一点へのきっかけになるかもしれない。そうすると、点は線となり、さらに面や立体へと広がっていくかもしれない。"関係妄想"が、ただの妄想から具現へと変わっていくかどうかは、私の行動次第なのだ。

私は今日も、誰かや何かとの関係を妄想し、それをどうしたら具現化できるのかを考える。そして、その可能性が少しでも転がっているのなら、自らつかみ取りに行くのである。