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軟水のたそがれ【フォトエッセイ】

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毎週日曜日の夜に更新 社会心理学の立場から感じたことをツラツラと… 日常が冷たく流れてしまうその前に、身近な温もりに気づいてもらえるような、そんな文章を意識しています。 写…
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2021年3月の記事一覧

潤いが巡る"豊潤"な世の中に

潤いが巡る"豊潤"な世の中に

【潤いが巡る世の中に】

これは、僕が理想としている世界観だ。

心豊かに互いの渇きを潤し合えるような、『豊潤な世界』と言い換えることができるかもしれない。

「世界中がそうなればいい」と思っているわけではなく…

僕が目の前の人に潤いを注ぐことで、その人の渇きが癒え、湧き出た潤いをまた別の誰かへ注ぐことができるようにして差し上げることが、大切だと思っている。

そしてその潤いは、誰彼構わず注ぐわ

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唯一無二の私を生きるということ

唯一無二の私を生きるということ

この1週間は『唯一性』と『内発性』について考えていて、高校時代に倫理の授業で学んだサルトルを学び直していた。

そこで今宵は、『自分は何者なのか?』ということについて、学びほぐしていこうと思う。

実存主義の立場を取るサルトルは、「自分とは何者か?」という自己の本質や自由について考え抜いた哲学者。

『実存』とは現実存在を縮めた表現で、『本質』と対比されるものだ。

例えば僕らは、自分を探し求めて

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スキが重なる瞬間を何度でも

スキが重なる瞬間を何度でも

僕がSNSで日々発信を続けているのは、いざという時に、「スキな人を応援できる自分であり続けたいから」という理由が大きい。

『いざという時』とは、例えば、仲間が何かに挑戦しようとしている時や、困り事を抱えた時のため。

そして、僕自身に金銭的な援助をする余裕のない時のためでもある。

誰かを応援する時には、お気持ちだけでなく、やっぱりお金も必要だ。

いざという時はお金の問題に直面するし、相手が持

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冷たさに流されず温め直すということ

冷たさに流されず温め直すということ

子どもの頃、僕が暮らしていた家の中は、殺伐としていることが多かった。

両親と祖母の対立や、夫婦仲の不和など、冷たい空気感がありふれていたように思う。

もちろん、冷たさだけではなく温かさを感じた瞬間もあったはずだけれど、記憶を覆い隠すものは、冷たさの方が多かったという認識だ。

実家を出て東京で一人暮らしを始めた18歳の頃、「やっと家を出られる」と安堵した。

子どもの頃の僕は、その冷たさに流さ

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