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ちょっと変でいて下さい

採算性だとか利益率だとかコスパだとか、そういう概念について無慈悲に考え抜いていくと、「ヒトのイノチ」という資源がめっちゃコスパええやんって話になっていきます。

ほとんどたいした投資をすることなく生産できて、生まれた瞬間に数百万とか数千万とかいった値がつくのですから。

環境に対する負荷も限りなく低くて、持続性という点からもこれ以上のものは無いほどバッチリです。

しかもその汎用性の高さと言ったら、あらゆるものの群を抜いて、さまざまな活用方法があるのです。

「このイノチ、〇〇すれば幾らになって、〇〇すれば幾らになって、〇〇させれば幾らになって…」と、本当にいくらでも商売を思いつくことができるでしょう。

何かがぶっ壊れた人間からして見れば、こんなに優れた資源はありません。あまりにも優れているので、人の世が続く限り、それを商品にしようという欲望は、未来永劫無くなることはないでしょう。ストッパーが働かず、ある欲望のままにどんどん繁殖して勢力を拡大していこうとするさまは、まさに癌細胞のそれと同じです。

私たち人類は一個の生命体として、その欲望を戒め、食い止め続けなければ、やがて全身を蝕まれて息絶えることになるのです。

ただ決して忘れてはいけないことは、その欲望は、外部にあるのではなく、私たちの内側にあるのだということ。それを忘れてしまったときに、まったく同じことが繰り返されるのです。

幾度となく文明が滅びてきましたが、きっといつも同じようなことが起きてきたのでしょう。

その都度生き延びてきたのは、周りとちょっと違う変な個体でした。その行動が合理的でないものだから、周りから理解されないちょっと変な個体。

ちょっと変で良いんですよ。
むしろちょっと変でいて下さい。
私からのお願いです。

「ちょっと変でいること」。
ひょっとしたら生命の最大の戦略であるのかも知れません。 

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