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疲労の原因はeIF2αのリン酸化と判明!

今回は、疲労の根本原因を研究によって見つけ出した近藤一博さんの著書「疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた」(BLUE BACKS)より疲労のメカニズムとその解決方法を紹介します。


疲労とは・・・

疲労:疲労感の原因となる体の障害や機能低下
疲労感:脳が感じる疲労したという感覚(休養願望)

この2つで構成されています。
つまり、

疲れたなぁ〜
休みたいなぁ〜
頭がスッキリしないなぁ〜

などのように感じる感覚というものは、疲労感です。細胞の機能が低下していること、このまま放っておくと大変なことになりますよ〜ということをサインとして伝えてくれている生体アラームの1つです。
※3大生体アラーム・・・痛み・発熱・疲労

疲労感の原因とは?

ストレス(正式名称:ストレッサー)です!
実は、ストレスというものは様々な種類のものが存在しています。

【物理的ストレッサー】暑さ・寒さ、照明の程度、騒音など
【心理社会的ストレッサー】人間関係、経済・政治問題、将来の不安など
【化学的ストレッサー】悪臭、アルコール、タバコ、食品添加物など
【生物的ストレッサー】ウイルス、細菌、花粉、ハウスダストなど

このようなストレッサーによる刺激を受け取った時に体が起こす反応
それを、ストレス反応といいます。

人の体は、アミノ酸が欠乏したり、ウイルス感染したり、細胞の酸化などが起こると「eIF2αのリン酸化」が起こり、結果、統合的ストレス反応(integrated stress response:ISR)を起こします。

ようやく、キーワードが出てきました!笑

リン酸化とは、細胞の機能を調節する重要な仕組みらしいですが、eIF2αのリン酸化によって、ヘルペスウイルスの活性化、タンパク質合成の阻害、炎症性サイトカインの生成、細胞死の誘導などが起こります。

改めて違う表現で疲労を定義します。
疲労とは・・・
疲労:eIF2αのリン酸化による細胞の機能停止や細胞死
疲労感:炎症性サイトカインが脳に伝わって感じる疲労の感覚

疲労を軽減する方法とは?

リン酸化eIF2αを脱リン酸化・・・
つまり、リン酸化eIF2α脱リン酸化酵素の活性化をすれば良いということになります。

そして、この酵素は疲労によって活性化します!
疲労を取り除きたいのに疲労を与えるという面白いメカニズムですね、笑

しかし、そんなに珍しいものではありません。
肌を綺麗にしたいのに肌の細胞に傷をつけて修復作用を促すという感覚に似ています。美容鍼や美容整形施術で行われている一般的な方法です。

ちなみに余談ですが、
エナジードリンクを飲むと疲労感が正確に伝わらなくなります。
肝臓からの炎症性サイトカインの産生を低下させることで、実際は疲れているにも関わらず、脳は疲れていると認識しません。これは、生体アラームの故障といえます。

騙し騙しやっていると、
どこかで大きな歪みが生じ、重大な病に侵される可能性もあります。
今まで解説してきた疲労は生理的疲労という分類のものですが、これは、休養を取ったり、疲労と疲労回復のバランスが取れていれば問題ありません。

しかし、病的疲労(例:うつ病、慢性疲労症候群など)になると、休んでも回復しません。疲労感が抜けないので、ずっと慢性的に疲れた感覚を感じたまま生活することになります。こうなる前に対処できるように生体アラームを正常に働かせることを安易に止めたりしないようにしましょう。

では、最後に解決策を簡潔に紹介します。

エビデンスがある解決策

・適度な運動
・栄養摂取
(ガンマオリザノール、ケルセチン、アンセリン、ベータアラニンなど)

疲労が即座に取り除けるような魔法のような方法はないということです!
ストレッサーに全くさらされない毎日を送るのは不可能と考えると、疲労と疲労回復のバランスを王道のやり方で整えることこそが最善。

コツは、
1、疲労の種類を意識してアプローチすること
大きく分ければ肉体疲労と精神疲労があります。肉体疲労は休養によってのみ回復し、精神疲労は体を動かすことによって軽減します。血流を促進することができるという点もプラスに働いていることが考えられます。

2、アウトプット
中に溜め込むのではなく、外に吐き出す!
つまり、カラオケ・絶叫マシーン・LIVEで盛り上がる・大声で笑うなどのような行為が良いということです。人は自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを1日の中で取りながら生活しています。ストレッサーに溢れた生活をしていると交感神経優位になり、血管も収縮し、血流が悪くなり、呼吸も睡眠も浅くなります。交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできるようにアウトプットをしていきましょう。

3、本当に効果がある栄養を摂る
上記に紹介した成分は米ぬか、鶏の胸肉、カツオなどに含まれています。また、ビタミンB1が不足すると疲労感が強くなるということも分かっています。摂取したらすぐに疲労が取れるという即効性があるようなものではありませんが、エビデンスがあり、炎症性サイトカインの抑制や脱リン酸化を確実に促してくれる成分を日常的に摂取していきましょう。

長々となりましたが、これが疲労の真実です。
疲労回復指数というものも採血で調べることはできますが、小まめに検査することは難しいので、意識レベルでコントロールすることが大切です。
情報過多な時代なので、本当の情報を見つけることも難しい時代ですが、本質を外さないように心がけ、その確かな情報をお客様、患者様にお伝えしてもらえたら嬉しいです!

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