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次男の補助輪

7歳になった長男はもう自転車に乗れる。
小学校に入ったときに、
窮屈そうだったので、
新しい自転車を購入した。
前の自転車には補助輪をつけて、
4歳の次男のものに。

いわゆるお古だが、
次男は気に入ってくれて、
たまに「自分の自転車で行く」と、
その自転車で公園に行こうとする。

そうなると大変だ。
車も走る道路をちょこちょこと、
こいで行くことになる。
危険なので、私も長男も
自転車はあきらめて、
横を一緒に歩いていかなければいけない。

何回かこぐたびに、うまくいかないで、
途中で止まる。私と長男はそのたびに
歩くのをやめて、次男を待つ。

ペダルをこぐのに一生懸命だ。
ずっと下を見てこぐので、
電柱にぶつかりそうになり、
そのたびに私が手で自転車をとめる。

下を見ているので、走行も安定しない。
「ちゃんと前見て」
声をかけるが、すぐに下を向いてしまう。

そのとき長男が次男に声をかけた。
「これを見て」
持っていたボールを上にかざし、
道しるべとなったのだ。

そのボールを見て一生懸命、
ペダルをこぐ次男。
ガラガラと補助輪が道路にあたる音。
兄弟で前へ前へと進んでいく。

普段は喧嘩ばかりなのに、
こういうときは助け合う、
それが兄弟というものなんだろう。

補助輪外れたら、家族4人で
サイクリング行こうね。

男3人はその日のために、
お昼ご飯が待つ自宅へと帰っていく。
ちょこちょこと、ゆっくりゆっくり。


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