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お気に入りのnote

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私のお気に入りの私のnote。初めに訪れてほしい場所。
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2020年3月の記事一覧

次会える保証はどこにあるだろう

「また必ず会おうね」

大学に通っていた1年間、私の前で1度も涙を流さなかった彼女が、私の右手を握って泣いていた。

大学を1年通ってやめた。それなりに友達もいた。大学をやめて半年経った頃、またみんなで集まろうとみんなが私に声をかけてくれた。

毎日大学で顔を合わせていたメンツ。バイトで来れないと初め言っていた仲の良かったあの子も、無理矢理シフトの代わりを探して、いつもの駅に来てくれた。

久しぶ

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口紅を捨ててみた

口紅は魔法だ。

鏡を見ながら口紅を塗っているあの時間が好きだ。オードリーヘップバーンになった気分。

んまんま、と上唇と下唇を合わせるあの仕草を母がやるたびに、私も早くそれやりたいと密かに願っていたものだ。

持っていた口紅3本ほど。唯一残してあった化粧道具だったかもしれない。途端に怖くなった。もう戻れないかもしれない。

「女らしく」いられる手段を自ら絶っていくのはこんなに怖かったのか。

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