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サービスの均一化は顧客離れへの第一歩?

一言でいうと

サービス提供側のあたりまえは、顧客の印象を悪くすることもある

活用シーン

顧客対応、マーケティング

内容

9万7000人余りの顧客の回答分析によると
顧客の企業に対するディスロイヤルティ(企業に対する悪印象)悪化の5つの鍵
①一度で解決しない
とりわけ大きいのが問題を解決するのにたびたび連絡を取らねばならないこと。
対策は初回解決率の向上で、それは、単に一本の連絡で解決するという意味ではなく、電話を切った後にユーザーに起こりうる問題も事前に解決することで、再度電話をせずにすむという事も含む。
②画一的なサービス
十把一絡げな扱いをするのは、顧客にとっては苦痛。一人一人に遭ったエクスペリエンスを提供していないと感じられること。
③情報の繰り返し
何度も同じことを言ったり、何度も同じことを聞かれたり。
④解決のための努力の認識がサービス提供側にかけている
使う言葉や方法に工夫がない。従来の方法から進歩がない。
⑤たらいまわしにされる
ここには、オンラインで解決しようとしたにもかかわらず、電話せざるを得なくなったという事も含む。

おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係
マシュー・ディクソン (著), ニック・トーマン (著), リック・デリシ (著)

顧客が企業に対してガッカリするとき、カスタマーサービス界隈ではこのようなことが起こっている、という5つの事象が挙げられています。

まず、一度で解決しないというのは、多くの人が経験しているように思います。黎明期のパソコン通信などのカスタマーセンターでは、一度で解決するほうが珍しいくらいです。これを試してダメならまた電話を、となるわけです。

しかし実際のところ、そのあとに起こりうる現象は大抵わかっているはずです。そこで、しっかりと事後の対応を教えておいていただき、そこで物事が解決すれば、お互いハッピー。

後気になったのは、「画一的なサービス」というのが、企業のディスロイヤルティを促進するのだとか。たしかに、あのマニュアルめいた話方に不快感を感じる人は多いでしょう。気持ちのこもらないお礼には怒りすら感じる人もいるようです。

企業側としては、「最低限のレベルの底上げ」のつもりだったり、大企業が好きなのは「顧客間の公平性」などという言い訳で画一的’(逆に言うと融通の利かない)サービスを良しとしているようです。しかしこれは残念ながら顧客の心をかなり離れさせるようです。
そういえば、「好意」出始めたちょっとした気遣いが、「マニュアル化」させた途端、効果が亡くなったというケースもありました。


こう考えて行くと、大企業というのは組織が大きいがゆえに融通が利きにくい部分があります。今のところはまだ、人々の中に「大企業だから安心」という思い込みがありますが、心理学的に言うと組織は大きくなるほどその中の個人は無責任になりがちです。その難しさをこれまでは、ルールやマニュアルでカバーしてきたのですが、それではうまくいかないシーンが露呈してきています。スキルではなく、本気で人を育てる気概が必要なのかもしれません。

故舩井幸雄先生が、「1000年企業を作るコツは、良い人を育てることである」とおっしゃったそうですが、さすが本質をついてらっしゃるのかもしれません。


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