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アドバイスに使ってみたい漫画の名言⑤ ~『ベイビーステップ』~

『ベイビーステップ』は
平凡な男子高校生が硬式テニスを始め、
プロを目指していくというストーリーで、
現実離れした必殺技などなく、
弱者が強者に勝つヒントがちりばめられている
テニスの参考書的な漫画です。

ソフトテニス部の顧問として

私は十数年、中学校の女子ソフトテニス部の顧問を担当しており、
漫画『ベイビーステップ』との出会いは衝撃的でした。
その内容は私が目指したい指導の方向性・考え方とぴったり当てはまり、
しかも、それを具体的に、科学的に言語化、映像化されているので
かなり大きく影響を受けました。

高校からテニスを始めた主人公が
圧倒的なサーブを武器にする先輩や
小さい頃からプロを目指している同年代の選手に対抗するために
努力を続けるシチュエーションは、

中学校からソフトテニスを始めた平凡な生徒たちが、
運動能力の高い相手や
小学校からソフトテニスで活躍している相手に対抗しようとする部活動と
似ているので、とても共感できます。

そして、その壁を乗り越えるための具体的な方法が
丁寧に描かれているので、
勝利までの道筋が明確に見えるようになり大変、勇気づけられました。

実際、平成24年から3年間、
6名しかいないソフトテニス部を担当していたとき、
練習のバリエーションや戦術に多様性をもたせるために
『ベイビーステップ』は大いに参考になりました。

6名の選手では3ペア対抗で行う団体戦において交代枠がなく、
限られた戦力の中で戦わなければなりませんでした。
そんな状況でも、『ベイビーステップ』を参考にして
勝つための考え方を意識するように練習してきた生徒たちは、
試合まで、そして試合中での努力を怠らず最善を尽くし、
最終学年時には団体戦県ベスト8までコマを進めることができました。

生徒たち自身も『ベイビーステップ』を愛読しており、
私の練習メニューやアドバイスに対する理解が
格段に向上したことも要因だったと思います。

もちろん、その道のりは決して順調ではありませんでした。
6名という代わり映えのないメンバーで日々練習すると、
序列が固定されやすく自分自身の成長を実感しにくい状況になりがちです。

また、練習試合では、
練習で身につけた技術や戦術を試すように指示していたため、
当然、新しいことに挑戦しているからミスが多くなり、
実力が同程度、または、上の相手に対する勝率はかなり低く、
モチベーションの維持が大変でした。
私としては練習試合でいくら負けても、
目的を達成できれば問題なかったのですが、
やはり生徒たちには「勝ちたい」という気持ちがあるので
かなり悔しい思いをしていたようです。
そんなときに、『ベイビーステップ』の名言を用いて奮起を促しました。

漫画『ベイビーステップ』の名言

「Baby steps to Giant strides」
(赤ちゃんのようなよちよち歩きでも、やがて大きな一歩となる)

塵も積もれば山となる、千里の道も一歩からというような意味です。

「君たちは今勝ちたいのか?
 それとも目標としていた大事な大会で勝ちたいのか?よく考えよう。
 目先の勝敗ではなく、
 今の小さなチャレンジ、努力を1つ1つ積み重ねることで
 本番の試合で緊張しても活用できる技術や戦術を身につけることが
 結果につながるはず。
 Baby steps to Giant strides
 よちよち歩きでも前に進んでいる限り必ず目標に到達するから、
 がんばろう」

と引用させてもらい、よくこのようなアドバイスをしていました。

1か月かけて必死に練習して身につけた技術を
練習試合で対戦相手に試したら、
その運動能力の高さで一瞬で技術を盗まれてしまい、
しかも相手の方が精度が高いという悔しさをたくさん経験しながらも
Baby stepsを続け、
試合で力を発揮した6名の生徒たちの足跡は
Giant stridesになったと思います。

私のBaby steps

2022年も残すところあとわずかとなりました。
教師を辞めて9か月、
私の日々の活動はまだまだ何も生み出していませんが、

私のBaby stepsが
Giant stridesになる

と信じ、新年につなげていくことを決意しました。

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