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わたしはいかにして『ロシュフォールの恋人たち』を愛するようになったか・1



今日は大好きな映画を大好きだとこころおきなく語っていこうと思います。

そのタイトルは『ロシュフォールの恋人たち』。

確実に幸福が約束されたこのタイトル!


と言いつつ、自分が最初にこの映画を見たのはごくごく近年。
忘れもしない、2018年の3月28日です。
旧・京都みなみ会館のさよなら興行で見たのです。

旧みなみ会館サイト

現みなみ会館サイト


ここでみなみ会館について語り出すと、軽い中編くらいの文章量になるので、それはまた別の機会に。

なお、『ロシュフォールの恋人たち』を含めた特集上映「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」は今月24日まで。急げ!



生まれて初めて『ロシュフォールの恋人たち』を見るにあたり、自分がこの作品について持っていた情報量はたったの3つ。

1・タイトル
2・昔のフランス映画
3・ミュージカル
以上。


……いや、マジメです。本当にこれしか知識がありませんでした。
「誰が出てるか」さえ知らなかったんです。いやホントに。
だからわたくし、映画冒頭、トラックに乗っている男女二組が主役でダブルカップル=恋人たち、なんだと思ってました。ええ、真面目な話ですよ。

そしたらその後に、大変な美女二人組が出てきて仰天する。
「えっ、ドルレアック姉妹やん!??」うん、そうですよ。


今になって思うと、何故にこんなにもこの映画の知識ばかりがスッパリ抜けた状態でこの年まで生きてこられたのか、自分にも全く理解ができません。
だって、なんてったって名作ですから、リバイバルかかればきっと映画館にポスターなんか貼ってあっただろうと思うのですね。なのに全部視界からスルー。
多分、突然記憶を奪われ子供に戻されてまたこの年まで生きたとしたら、きっと無理です。どこかで知識を得てしまう。

だって『シェルブールの雨傘』見てる、『反撥』見てる、『昼顔』見てる、『ロバと王女』見てる、『うたかたの恋』見てる、それでなんで『ロシュフォール』抜けてる。
お姉さんの方は『袋小路』しか見てないけども。
一体何故、この映画に関してのみこんなにも全力で目も耳もスルーを決め込んできたのか。


でも自分でも不思議なことにね、「もっと早くに見てたら良かった!」とは、全然思いませんでした。
あるんですよいろいろ。他のものでは。「この知識が子供の頃にあれば」とか「もっと若い頃にこの作品に出会いたかった」とか「もっと前に食べておけば良かった」とか。

なのに『ロシュフォール』については、全然そうは思わなかった。
むしろ逆、「この映画を知ったのが今で本当に良かった!」と思いました。


イイ大人になって、子供の頃のように前のめりに作品を好きになる、という機会が明らかに減っている、という自覚がありまして。
どう言いますかね、目がハートになる。きゃーきゃー言ってるんです、頭の中で。映画見ながら。
「好き! もうこれ全力で好き!」て脳が叫んでる。脳内麻薬がどっばどっば出てる。

実際のところはもう判らないので想像でしかないのですが、もっと若い頃、それこそ十代に見ていたら、ここまで大量の脳汁出なかったんじゃないか、という気がするのですね。
その年代の頃はそれこそ右も左も後ろも前も、いろんな方面に脳がスパークしてますから、ここだけ一点集中、とはいかなくて、すぐにあっちこっち、目移りしてただろうと。
そして成長した後では、自分内の「昔すごく好きで、今も好きな映画」棚に入れられて、そのまま置かれっ放しになってたのではないだろうかと。


あと純粋に、「この年になってから好きになって良かった」と思ったのは、好きで好きでしょうがないので、折に触れ意味もなく『ロシュフォールの恋人たち』で検索かけたりなんだりしまして。
それで知ることができたのですが、「『ロシュフォールの恋人たち』50周年記念CDボックス」なる世にも素敵な商品が18年の7月に発売されてたんですよ。勿論、買いましたとも。

オリジナルサントラ、英語バージョン、インストゥルメンタル、オーケストラ、カバー、デモ曲がたっぷり入ってCD5枚、お値段5000円切っちゃう。
すんごくないですか、コレ!?

このボックスセットの存在、2018年に好きになり検索かけまくっていたからこそ知れたことで、そうじゃなかったら知ることもなかったと思うのですね。だから本当に嬉しい。
トップの写真、このCDに合わせリマスター完全版サントラCD、Blu-rayです。
はあ、こうして並んでるのを見るだけでしあわせ。


……ふと気づくと「何がどう好きなのか」ということを書く前にこんなにも文章量を浪費してしまっていました(笑)。我ながら本当に冗長です。
と言うことで、各曲とかどの辺りが好きなのか、ということを、この先、回を重ねて更なる熱を込めて語りまくっていきたいと存じます。ついてこられる方だけついてきてください。


※ 映画の話に文字ばっかりもなんなのでオマケ ※

50周年記念コンサート&記念上映の際の映像。

お客さんのコスプレがもうTrès très mignon!

   

     

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