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授乳中にコーヒーは飲んではいけない?

コーヒーが好きな人は、妊娠すると「ノンカフェインコーヒー(デカフェ)」を初体験します。そして、出産後の授乳期間もお世話になっていますよね。

最近のノンカフェインコーヒーは、かなり本格的なコーヒーの味に近いものが増えてきましたが、違いの分かる人には物足りなさを感じてしまいます。
「コーヒーが飲みたい!」というお母さん、ぜひこの記事を読んでください。

結論から言うと、授乳中は1日1~2杯程度のコーヒーは飲んでもいいと言われています。

1.カフェインの影響

カフェインは、脳を刺激して覚醒させる働きがあります。
「コーヒーは眠気覚まし」と言われるように眠気を抑制する効果があります。

カフェインは母乳を通して赤ちゃんも摂取します。
カフェインを体内で分解し体外に排出するまで、赤ちゃん(1歳未満)では大人の倍以上の時間がかかります。

例えば、お母さんがコーヒー1杯飲んだ場合です。
5~6時間経過すると、お母さんの体内からカフェインが半分排出されます。
赤ちゃんは、母乳から摂取したカフェインを14時間ほどかけてようやく体内から半分排出されるのです。

そこで、授乳中のお母さんにノンカフェインコーヒーが推奨されています。
しかし、安全性の低いものもあるので、詳しく紹介していきます。

2.ノンカフェインコーヒーとは

ノンカフェインコーヒーとは、カフェインを取り除いたコーヒーです。
カフェインを取り除く過程には大きく分けて2つの方法があります。

1)精製した後のコーヒー生豆からカフェインを除く方法
2)カフェインを含まないカフェインレス・コーヒーノキを栽培する方法

2-1)精製した後のコーヒー生豆からカフェインを除く方法(脱カフェイン法)

①有機溶媒抽出方法

ジクロロメタン(有機化合物を溶解する液体:薬)を用いてカフェインを抽出する方法です。

【メリット】
・安価

【デメリット】
・カフェイン以外の成分の損失が大きいため風味で劣る。
・ジクロロメタンを直接、生豆に接触させるため消費者が安全面での不安を抱きやすい。

②水抽出方法

コーヒー生豆を水に通してカフェインを水溶性成分ごと抽出し、さらに薬でカフェインを抽出除去します。カフェインを除いた後の残留した成分は再び生豆に戻す方法です。

【メリット】
・薬が直接、生豆に接触しないために安全性が向上する。
・水抽出された成分のみから薬で抽出するため、カフェイン以外の成分の損失が抑えられる。

③超臨界二酸化炭素抽出方法

超臨界状態(気体と液体の区別がつかない状態)にした二酸化炭素でカフェインを抽出する方法です。

【メリット】
・常温に戻せば二酸化炭素の除去は容易、万が一残留しても毒性はなく安全。
・薬を使用しないので、廃液処理など環境面においても優しい。

2-2)カフェインを含まないカフェインレス・コーヒーノキを栽培する方法

栽培の段階からカフェインを含まないコーヒーノキを育種する試みがなされています。
遺伝子組み換え方法、人工交配により2例の作製成功例があります。

【メリット】
・脱カフェイン法で問題視されている風味の損失がない。

【デメリット】
・クリアすべき課題も多く実用化には至っていない。

3.ノンカフェインコーヒーを選ぶポイント

上記内容から、ノンカフェインコーヒーを選ぶときは、②水抽出方法または③超臨界二酸化炭素抽出方法のものにしましょう。

スーパーなどで市販されているものは、製造過程が分からないものが多いです。
コーヒー専門店で製造過程を確認してから購入するのが安心です。

コーヒー好きなお母さん、
・コーヒーは1日1~2杯程度で飲む
・ノンカフェインコーヒーは安全で美味しいものを選ぶ
ほっと一息のちょっとした自分時間を楽しんでくださいね。



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