今日のアウトテイク#73「コワーキングは黄金時代、最大需要の時代を迎えている ほか」【メンバーシップ特典】(2024-01-30)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

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書店ゼロって町が26%もあるんですね。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"君は自由だ。だから道に迷うんだよ。"
(フランツ・カフカ)

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#生き残りに賭ける町の本屋さん

まるで昨日の続きみたいで恐縮だが、また書店の話。しかしこれが、とてもいい話。以下の記事中にビデオがあるのでご覧あれ。

東京・杉並区のJR阿佐ヶ谷駅前で43年にわたって営業してきた本屋さんが閉店すると聞いて、それを惜しむ声が地元住民をはじめとしてたくさん寄せられた。SNS(たぶん、Twitter)では180万回もリツイートされたらしい。

町の本屋さんがなくなるというのは、もちろんいち事業者ではあるけれども、やっぱり昨日の「コモン」の話にもあったように、そのエリアにおいての「みんなが、いつでも、いつまでも使える」共用スペースがなくなるということに等しいと思う。

で、その話が広がるうちに、なんと大手書店の「八重洲ブックセンター」が名乗りを上げて閉店後の跡地を譲り受け、営業を開始することが決定。しかも従業員もそのまま引き継ぎ、棚も当分そのままで営業するとのこと。スバラシイ。

こうして、町に不可欠なインフラ、いや、居場所と言ったほうがいいか、が、存続の道を探り当てたのは、やっぱり地域の人たちの応援、後押しがあったからだろう。

で、もうひとつ、本の話。(またか)

これは以前、どこかで書いたかもしれないが、コンビニの本屋さん。まずはご一読を。

かつては、コンビニも雑誌や本の売上がそこそこあったが、昨今、ネットで購読する人が増えて、さっぱりな状況。売り場面積は限られているので、そういえば最近はどんどん存在感がなくなっている。

一方、地方都市においては、そもそも書店がなくなっている。で、その代わりをコンビニが担うようになってきている。

出版文化産業振興財団(JPIC)の調査によれば、書店が一つもないいわゆる“書店ゼロ”の市区町村は約26・2%にのぼるといい、書店のかわりをコンビニが担う例は今後も増加すると思われる。

26%て!

記事には奈良や狭山の事例が紹介されているが、一方で、出版取次大手の日販が、コンビニへの雑誌や書籍の配送業務を2025年2月には終了するらしいから、なにかそれに代わる流通機能が必要になる。

ネット通販は買いたいモノがはっきり判ってる場合は確かに便利。しかし、ふらっと入った書店で思いもかけない本と出会える愉しみは、ない。

嘘だと思うかもしれないが、ぼくがたまに行く東京神保町の東京堂書店には、入ると必ず手招きする本が待っている。それがもう不思議なくらい、「今、読んでおけ」という本、ドンピシャの本が、必ずいる。

ここは、なんとかコンビニに、頑張ってほしい。

#コワーキングは黄金時代、最大需要の時代を迎えている

生活圏内のコワーキングの存在感が、ますます増してきた。記事のタイトルがすごい。「After WeWork, coworking heads to the suburbs」=「WeWorkが破綻したあと、コワーキングは郊外に向かう」。

いや、事実、そうなのだけれど。例によって、まずはDeepLで自動翻訳して読んでくだされたく。

After WeWork, coworking heads to the suburbs

女性がメインユーザーだった今はなきニューヨークのコワーキングWingのインテリア・ディレクターだったLaetitia Gorra氏は、2023年12月、自宅敷地内のビルに「スタジオ」と呼ばれるマイクロ・コワーキング・スペースをオープンした。

「自宅敷地内のビル」というのがよく判らないが、

「パンデミック(世界的大流行)の最中、近所のヘイスティングス・オン・ハドソン村に住む女性たちに出会い、毎週集まって話をしたりアイデアを共有したりするようになったのです」と彼女は言う。彼女たちと同じように、自宅では生産性が低いと感じ、都会に出る時間やコストをかけずに仕事ができる静かな場所を求めていたのだ。

というのはよく判る。つまり、生活圏内のワークスペースだ。パンデミックのせいで通勤がなくなったものの、労働環境としては自宅は何かと不便だ。できたら、自宅近くで仕事がしたい。

そこで、地域にある有休物件を活用してワークスペースとし、ついでに地域コミュニティの活性化にも一役買うという副次的効果も生んで、郊外のコワーキングがまさに「コモン」としての存在感を日増しに増している。それがこの記事のタイトル「コワーキングは郊外に向かう」。

生活圏内のコワーキングの重要性については過去に何度も書いている。

とりわけ、この記事で書いた、地域の住宅を共用ワークスペースとして提供する発想は、コロナ禍を経て出るべくして出てきたアイデアだと思う。

そういう生活環境を求めて、都市圏から郊外へと人も移動し始めている。これがまたすごい数字で、2020年以降、アメリカの主要都市から小規模コミュニティへの転出は59%増加している、と。ちょっと年代層が判らないが、Z世代、ミレニアル世代かな。

当然、そうしたニーズを対象に郊外に特化したコワーキング事業者が各地で勃興、その活動範囲をどんどん広げている。いわく、「パンデミック以前は繁華街以外での開設は30%に過ぎなかったが、その比率は逆転している」。

近隣で働く人々は「自分の残りの生活と一 体化できる」ワークスペースを求めている。可能な限り、このようなスペースは高層ビルの50階などではなく、街角に近い場所にある。
(略)
このような便利な立地は、他の仕事の合間に数時間だけ立ち寄るという体験をサポートする。「夢は、歩きやすい大通りに店を構えることです」。

郊外の大通りに面した店舗物件も、その多くが空いたままだ。それを再活用することでコワーキングの開設を目論む。時流に乗った事業展開と言える。というか、日本も同じことができるはず。今日も神戸のさる商店街に取材に行ったが、空き店舗はあるものの、コワーキングを開設するという動きはどうやらなさそうだった。勿体ないなぁ。

記事後半には家族で利用できるコワーキングも紹介されている。「Patch」がそれだが、サイトのトップページには「YOUR NEIGHBOURHOOD WORKSPACE」、あなたのご近所のワークスペース、と大書されている。ちなみに、URLは「https://www.patch.work/」で「パッチワーク」。シャレが効いている。

説明によると、カフェや書店、図書館、地域のグループや団体が利用できるイベントスペースなど、誰もが気軽に立ち寄れる1階も備えているとのこと。これ、まさにコモンですね。で、肝心なのはここ。

人々を地元にとどまらせることは、社会的・経済的なメリットがあり、地域住民同士の絆を深め、支援ネットワークを強固にし、地元ビジネスを強化することにつながる。

その一翼を担っているのがコワーキング、ローカルコワーキングだ。このことは、何度強調してもし足りないぐらい大事。

余談だが、ここの代表はこうも言ってる。

WeWorkの失敗はサービスの問題ではなく、ビジネスモデルの問題でした。コワーキングには何の問題もない。

その通り。飛ぶ鳥を落とす勢いだったWeWorkが破産手続きを取ったとき、それこそ鬼の首を取ったみたいに「だからコワーキングなどというビジネスモデルは駄目なのだ」という論調も一部あったが、勘違いも甚だしい。

彼の言う通り、WeWorkは不動産サブリース業としてマズイやり方をして破綻しただけで、そもそもコワーキングでもなんでもない。(元はそうだったんだけど、どこかで歯車が狂った)なにしろ、WeWorkの固定負債は一時期売上の85%だったというからオドロキ。「地球上のどんな企業も生き残ることはできません」。

そのことはここに書いた。

最後にこう締めくくっているが、これ、本当にそう。

「WeWorkの倒産で、多くの人が今がコワーキングの黄金時代であることを知らないと思います。ほとんどのプロバイダーが経験したことのない最大需要の時代なのです。」

コロナが後押ししたが、一概にコロナのせいでもない。テクノロジーの進化が徐々に我々の働き方を変えてきたところにコロナが来て、一気に加速した、と見るべきかと思う。

郊外におけるコワーキングをビジネスとしてやるか、地域コミュニティとしてやるか、それぞれ目的によって作法は違ってくるだろう。しかし、いずれにしても、ローカルコワーキングの需要は高まる。そういうフェーズに入っている。

コワーキングの黄金時代、最大需要の時代を、ではどう生きていくか。一時期のブームに終わることなく、しっかり根を張ったコワーキングにするための追い風と捉えたいと思う。

ということで、今日はこのへんで。

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