今日のアウトテイク#48「WeWorkの失敗はコワーキングの失敗、ではない ほか」【メンバーシップ特典】(2024-01-05)

<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ
・投稿せずに、いや、やっぱりやめておこう、と思った殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・要するに「伊藤の現在地点」

※noteメンバーシップ「Beyond the Coworking 〜移働の時代〜」に参加いただくと有料記事も全文読めます。

※読んで面白かったらぜひシェアくださいまし。

WeWorkの失敗は、単に不動産業の失敗。それだけ。


#今日のBGM

#今日のコトバ

"時間を止める方法:キス。
時間旅行の方法:読書。
時間から逃れる方法:音楽。
時間を感じる方法:書くこと。
時間を解放する方法:呼吸しよう。"
(マット・ヘイグ)

How to stop time: kiss. How to travel in time: read. How to escape time: music. How to feel time: write. How to release...

Posted by English Literature on Wednesday, January 3, 2024

#GCUCの年次レビューと新年の目標設定

GCUCに昨年を振り返り、今年の目標を立てよう、という記事があったので共有しておきます。

例によって、以下、ざっくりと。

・以下はGCUCが1年を振り返り、新しい年に向けて自分自身を確立するために取り組む質問のリスト。

  1. 今年は何に気持ちを切り替えたか?

  2. 私の人生におけるアンカーは誰だったのか?

  3. 今年、エネルギーと収益を生み出したものは何か?

  4. 何がエネルギーと収益を奪ったのか?

  5. 私は何を恐れて、やり遂げることから遠ざかっていたのだろう?

  6. 私の最大の功績は何だったのか?

  7. 私の最大の機会損失は何だったのか?

  8. 何を学んだか?

今年も同じ局面を迎えたときにリソースとして応用できるので、こういう振り返りはやっておいたほうがいいと思う。

次に、これからの3カ月、6カ月、12カ月に何をするかについて自問自答してみよう。

<3ヶ月>
・今後3カ月でどんなクールなことをしたいか?  
 〜全体像に貢献するような、短期的で実行可能な目標を明確にする。
・何かすぐに始められることはあるか?
 〜目標を一口大のタスクに分割し、それを実行に移そう。
・どのような友人や情報源が助けになるか?
 〜あなたの周りにいる、あなたをバックアップしてくれる仲間や道具を特定する。

<6ヶ月>
・今後6カ月でレベルアップに集中すべきスキルは?
 〜自分に必要な才能やスキルを把握し、どのように向上させるかを計画する。
・注意すべきハードルは何か?
 〜障害物について考え、それをどのように飛び越えるか、あるいは単純に回避するかを考える。クリエイティブに。
・6ヶ月の時点で、目標を達成できたと言えるか?
 〜測定可能なマイルストーンを設定し、正しい道を歩んでいることを確認しよう。

<12ヶ月>
・これらの成長目標を継続するために、どのような大きな行動が役立つだろうか?
 〜壮大な計画を立て、高いが実行可能な目標を書き留める。これらはストレッチゴールであるべき。
・次年度のキャッシュフローや商品ラインナップを増やすための戦略は?
 〜地域社会に働きかける新しい機会や方法を模索する。
・前向きに行動し、大局に貢献するためのクールなアイデアとは?
 〜目標を達成すること、達成するまでの道のりが、地域社会にどのように貢献できるかを考える。

そして「全体的な反省」として、以下の2点。

・今年の目標を立てるために、昨年から何を学べばいいのか?
・これらの目標を達成する間、指導を仰ぐことができるメンターや友人は誰か?

個人的には、壮大な計画が必要かどうかはさておき、カツドウを続けるためには「高いが実行可能な目標」を持つことは必要だと思う。それには、「短期的で実行可能な目標を明確にする」ことと、「目標を一口大のタスクに分割し、それを実行に移すこと」が肝要。要するに小さくても続けられることをまずやっていくこと。

それとこれ、「あなたをバックアップしてくれる仲間や道具を特定する」。目標を共有できる仲間を持つこと。これこそがコワーキングの最大の武器だから。

やりながら修正して行っても、前を向いて進んでるなら別に構わない。
ちょっと考えてみよう。

#ローカルコワーキングの真価

ルーラル(地方、郊外、田舎の)コワーキング(=ローカルコワーキング)が単に作業場にとどまっていないことを、3つの視点から考察されてたので共有しておきます。

コミュニティフォーカス:
ルーラル・コワーキングは単なるスペースではなく、多様なステークホルダー間の関係と参加を促進するコミュニティ・ドライバーである。

ビジネスチャンス:
これらのスペースは、新しいインパクトのあるビジネス戦略のホットスポットであり、地域経済を活性化させる。

戦略的重要性:
マネジメントの視点が支配的で、ネットワーキングとそれに続く共同作業活動を支援する行政、企業家、政策立案者の役割にスポットライトが当てられている。

まったくその通り。
ただ、日本の場合、「戦略的重要性」までは至っていない感がある。地域経済のエンジンとしてコワーキングをフルに活用すべきなのだけれども、特に、行政と政策立案者の理解が足りない。

まずは、ぼくのnoteを片っ端から読んでほしい。

#WeWorkの失敗はコワーキングの失敗、ではない

最短3週間でオフィスを開設するサービスのCodiの創業者が、「コワーキングは失敗している」と語るフォーチュン誌の記事。誰がどんなポジションで自説を説こうがそれは自由だが、正直、フォーチュンがこんな戯言を載せるとは意外だった。

まずは、以下のページを例によってDeepLで翻訳して読んでいただきたいが、

気になるところを抜粋してモノ申すと、

週5日の対面式ワークの未来はまだ議論の余地があり、全米の企業はパンデミック後もハイブリッドワークの選択肢を維持している。マッキンゼーの調査によると、今年、アメリカの労働者の73%が週3日以上、平均3~4日オフィスに出社して働いていると回答した。以前は「ニューノーマル」と呼ばれていたハイブリッドワークが今後も続くことを強く示唆している。

コロナ禍以降、平均3~4日オフィスに出社して働いている一方で、それ以外の日には自宅ではなくて自宅に近い(郊外の)コワーキングを利用するようになってきている。

自宅に仕事環境を持っているワーカーは極めて稀有。なので、「ハイブリッドワーク」というのは「会社のオフィスと自宅」ではなく「会社のオフィスと生活圏内のコワーキング」という意味に変わってきている。

ということを、この人はクライアント企業にオフィスを段取りつけるのが商売だから、あえて触れていない。バレバレです。

WeWorkが商業用不動産のパラダイムシフトを利用できないのは、WeWorkの革新的なブランドが、商業用不動産が何世紀にもわたって使ってきたのと同じ伝統的な条件の上に築かれたからである。コワーキング・ビジネス・モデルは、固定賃料で長期賃貸を引き受け、稼働率と賃料の高止まりに大きな賭けをかける。このため、貸主と借主の間のコミットメントされた期間には、大きなリスクの不均衡が残る。WeWorkが2019年に提出した悪名高いS-1ファイルに開示されているように、同社の平均リース期間は約15年である。このため、同社は顧客に柔軟なリース期間を提供する一方で、金利サイクルや市場の低迷期をまたいでコミットし続けることになる。

それはその通り。だから、コワーキングを不動産業という舞台の上でやろうとするから無理が出る。場所を時間で貸して利用料金を取ることが目的の不動産業ではなくて、利用者のサポートをする仕組みのことをコワーキングといい、コワーカーのカツドウにコミットすることで収益を上げるのが本当。

要するに、コワーキングが提供するのはプロパティ(ハコ)ではなくてホスピタリティ(お世話)だ。

それにしても、WeWorkの平均リース期間が約15年とは!一体、何を考えてそんなリスク背負ってたんだろう?謎。アタマおかしい(失礼)としか思えない。

オフィススペースが埋まらなくなると、損をするのは大家(ビルオーナー)ではなくコワーキング・プラットフォームだ。JLLによると、2023年第3四半期時点で、アメリカの商業用不動産スペースの20%以上が空室のままだ。これは、WeWorkのような企業にとって存続の危機をもたらす。

当たり前だ。サブリースという古臭いビジネスモデルの上で、しかも、上記のようなリース条件でやってる限り、そうなるのは必至。

それ以前に、コロナ禍になる前からリモートワークの常態化がぼちぼちと進んできていて、企業が固定経費、特にリース料の負担を減らす傾向が続いていたことは無視できない。

とりわけ、国際会計基準(IFRS)に準拠する大企業は、家賃などのリース料が経費だけではなく資産にも計上されることから、「賃貸借契約」を避ける動きが活発化していた。おかしくなる前のWeWorkは、いち早くそこに気づいて、フリーランサーより大企業の社員にフォーカスを変えたことが功を奏した。

ただ不思議なのは、あれほど潤沢な事業資金があったのに、なんでリース契約にこだわっていたのか。これと思しき物件は買って自社資産にしておいたほうが、その後、いくらでも身の振り方はあったと思うのだけれども、我々が知らないなにか特別の事情があったのだろうか。

コワーキングは、職場に活気とコラボレーションをもたらす独創的な手段であると宣伝されているが、変革をもたらすと主張するのと同じ、古くからあるモデルの土台の上に成り立っているという事実を、私たちは受け入れるべき時なのだ。

そもそも、ここが間違っている。コワーキングはワークスペースだが、オフィスではない。この人は不動産業としてのフレックススペースをマッチングするビジネスをしているからこう言ってるが、そこからして違う。

前章の「ルーラルコワーキングの3つの価値」は、都会にあるコワーキングでも同じで、ハコであることよりそこに集まるヒトと、このヒトが起こすコトがそのコワーキングの真価となる。その意味では、従来のオフィスとは異次元の環境を意味している。「古くからあるモデルの土台の上に成り立っている」というのは、考えが浅すぎる。

既存の調査では、52%以上の従業員がコワーキングモデルの基礎であるオープンフロアプランよりも個室を好むことが証明されている。これらの従業員は、WeWorkのカルチャーの一部になるためではなく、会社のミッションやカルチャーとのつながりを感じるために対面式の仕事を求めているのだ。

いったい何年前のデータを持ち出してるんだ、という話。5年も前の調査結果なんか、コロナの間に全部ひっくり返ってる。それに、その当時の数字でも48%がオープンでOKと言ってるわけで、コロナがその動きを後押ししたと見るのが正解。うっかりこういう言説に惑わされないよう、くれぐれもご注意を。

今日のフレキシブルなオフィス環境では、従業員は同僚と密に交流することで、ワークスペースのメリットを享受することが奨励されている。もし、コワーキングに参加することで、このような交流があまり意味のないものになるのであれば、このモデルの重要な価値提案は、せいぜい顧客層のかなりの部分のニーズに対応できていないことになる。

それは、コワーキングであろうがフレックススペースであろうが同じことだ。ワーカーがどういう環境を選ぶかは施設の優劣ではない。人との関係がいかに構築されているか、これに尽きる。ややもすると不動産業者はここを無視する。なぜか。それは彼らが提供できるのがハコでしかないから。

要するに、WeWorkの失敗はコワーキングの失敗でもなんでもない。不動産業としてのWeWorkの失敗だった、というだけの話。

が、彼らがコミュニティの本当のパワーに気づいて、それを従来の不動産業的アプローチに加味したら、どうなるか。

と思ったが、やっぱり、当分、無理かな。

ということで、今日はこのへんで。

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