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神崎翼
2020年8月2日 23:11
拾った吾子は、どうやら近辺の村から口減らしのために追い出されたそうだ。「なるほどなるほど」と頷いて聞いてやる。吾子はまだ布団の中だ。大雪の中にろくすっぽ寒さを遮ることのない薄着で放り出されたものだから、全身がしもやけのようになっているのだ。囲炉裏に火を入れ布団にくるみ、雪を溶かしてお湯も作ってやる。古く小さいが、その分隙間風は少ない家だ。じきに温まるだろう。ああ、全身が真っ赤になって可哀想に。
2020年8月1日 23:35
※グロ描写注意 いつも買い物に来ていた、普通のスーパーだった。顔なじみになった灰色交じりの髪をした品出しのおじさんがいて、いつも優しい顔で今日の割引商品を教えてくれた。顔だけ知っているおじさんもいた。精肉コーナーの窓ガラス越しに見える作業所で、眼鏡をかけていつも挽肉を作っていた人。レジ打ちのお兄さんは一方的に名前を知っていた。名札に書いてあった、田中さん。女性が多いパートの人々の中で男の人、特