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【面接準備】ネット上の井戸端会議「オンラインクチコミ」を味方につける方法

みなさん「オンラインクチコミ」をしっかり味方につけていますか?
「オンラインクチコミ」とは、ネット上のクチコミの事です。最近、特に若い世代はクチコミを大切にしており、求人応募にも少なからず影響があります。

飲食店の予約時に食べログやぐるなびなどの紹介サイトを使われるとき、お店評価の★の数や利用者のコメントや投稿写真をチラ見され、お店選びの参考にされることがあるかと思います。採用活動でも同じことが起こっています。

応募が急に少なくなった、応募者とのやり取りで途中離脱が目立つようになった、面接ブッチが増えた・・・など。こういった出来事があった時はクチコミを確認してみましょう。

実際に私のご支援先でなぜここに応募したのかインタビューを行っていても
「応募前に企業名でクチコミ検索を行って、安心感が高いので応募しました」と言う声を非常によく聞きます。

ここでは、求職者がクチコミを使う理由、チェックしておくべきクチコミサービス、悪いクチコミを書かれている時の対処方法、クチコミをうまく活用した採用支援ツールについてご紹介していきます。


クチコミはZ世代には欠かせない情報 

クチコミ、最近はレビューと言い換えられほとんどの商品サービスには掲載されています。言葉自体はマスコミとの対比で1960年ごろに作られたそうですが(大宅壮一さんの造語とされています wikiより)、おもに2005年ごろの高速インターネットが展開されてから、世の中に普及し始めました。

アルバイトパートの71%が応募前に事前下見を行っているというパーソルさんのデータがあったり(2017年のHito Manager記事より やや古いですが)、最近ではen転職さんのリサーチで、転職希望者の半数が転職活動時にクチコミをチェックし(20代は57%)、確認タイミングは91%と大半が応募前、7割強の人が「応募辞退」「選考辞退」といった何らかのブレーキをそこでかけているというデータが公表されています。なかなか恐ろしい。

クチコミをおろそかにできないということが、とくにZ世代やミレニアル世代の採用には重要ということがわかります。

【図1】転職活動の中で、企業に関する社員クチコミを見ますか?
【図2】転職活動中に、企業に関する社員クチコミを「見る」と回答した方に伺います。転職活動のどのタイミングで社員クチコミを見ますか?(複数回答可)
【図3】転職活動中に、企業に関する社員クチコミを「見る」と回答した方に伺います。社員クチコミの影響で、応募や選考辞退、内定辞退をしたことはありますか?(複数回答可)

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
■調査期間:2023年12月26日~2024年1月30日
■有効回答数:4,513名

エン・ジャパン株式会社プレスリリース(2024/2/20)より引用

求職者がクチコミを見る理由

求職に活用できるクチコミサービスは、Google検索結果にべてくる「Googleビジネスプロフィール」も含めれば20種類ほど存在しています。

求職者がクチコミで会社情報を収集する動きは新卒就職活動で主流になりました。1996年に当時早稲田大学生だった伊藤将雄さん(現:ユーザーローカル代表)が「みんなの就職活動日記」を立ち上げたのが最初と思われます。(2004年に楽天が買収、2022年にポート社に株式譲渡し現在も「みん就」として運営継続中)そこから転職領域では転職会議(株式会社リブセンス)、Lighthouse(エン・ジャパン株式会社)、アルバイトを含めたオールラウンドのプラットフォームとしてはYahoo!しごとカタログ(YAHOO!JAPAN)などが有名です。

クチコミを利用すれば、求職者は自分の気になるポイントの情報を確認することができます。多くのクチコミサイトでは、その会社で働いている・働いたことがある従業員の会社や職場に対する評価が掲載されています。通信簿のようなスパイダーグラフ化するなど可視化されているため、年収、残業時間、有給消化率など会社の「リアル」をぱっとみて判断できます。

求人情報は「いいことしか書いていない」と話半分に信じている求職者も多く、クチコミに書かれたエピソードを通じて情報の「盛りすぎ」を是正しながら、自分の最適な職場を探すツールとして重宝されています。

クチコミサイトの難点

クチコミサイトの最大の難点は「一度書かれたら消すことができない」ことです。運営者はあくまでも客観的な意見としてネガティブな情報も掲載します。これは仕事探しのクチコミサイトに限らず、すべてにおいてのルールです。

そして多くのクチコミサイトは情報閲覧する(そのサイトを利用する)際に「自分の持っている情報を書き込む」ことを条件にしており、これがネガティブバイアスを引き起こす原因にもなっています。

就職・転職サービスを利用する人はほとんどが「今の会社を辞めよう」と思っている人で、辞めたいと思う事には理由があり、その多くは「いまの職場に不満を持っている」という理由です。となると書き込まれる情報は、多少の手加減があったにせよネガティブに振れやすいことが容易に想像できます。

また、書き込みの内容が職場単位ではなく会社単位なので、自分の職場はそんなことがないのに「もらい事故」を起こす場合、中小企業の場合は書き込む人数が少ないので少数のマイナス意見に引きずられるなど、けっこう見てしまったが最後、対応に追われてしまうということもなります。

ドラマ「不適切にもほどがある」で令和にタイムスリップした主人公がエゴサーチしたばっかりに批判に対してイライラして全部に真顔で返信するシーンがありましたが、あそこまでとは言わないまでも言われっぱなしはちょっとシャクに障るというのも、人間の心理としてはわかるところです。

面白かったですね 私もドはまりしました

クチコミの母数を増やすことが最大の対処法

さきほど書きましたが、一度書かれたクチコミは消せません。明らかに事実と異なる誹謗中傷の場合は、運営元に訴えて取り下げてもらうことは可能ですが、それもなかなか労力と時間がかかります。

シンプルに改善する方法としては「フラットなクチコミ」を多く集める事です。幸か不幸か、ざっと眺めてもクチコミの記載数はだいたい10件以下が多く、仮に10人が2をつけて2.0の評価だったとしても、20人に4をつけてもらえれば、単純計算上は評価ポイントは3.3になります。

恣意的に極端にいい点をつけたり、いい評価を書くように強要したりといった「不正」はダメですが(簡単にばれますし)、従業員の人にお願いして、フラットに自社を評価してもらえばそこまで悪い点がつくことも無いと思われます。

実際の支援先でも、その職場の人や取引パートナーに「フラットなご意見の記入」をお願いして情報を3倍に増やすことで判断の適正化を行ったことがあります。
物流会社なので「キツイ」系の記載はやむを得ない部分でしたが、かなり悪意を感じる逆恨み系クチコミもあり(記載時期から人が特定されたおまけつき)そこに評価を引きずられるのも問題なので、時間をかけながらクチコミを増やしました。

是正されたことでいい情報も覚悟しておいてほしい情報も増え、フラットな結果になったことで応募者の人にも360度からの意見として提供できた記憶があります。※念のため、あくまでもノーバイアス、作為はありません。

クチコミを活用した採用支援ツール

こんなクチコミをうまく活用して直接的に採用に生かす採用支援ツールもいくつか存在しています。

OpenWorkリクルーティング
約1,600万件のクチコミ(サイト記載の数字)をもとに登録ベースで527万人の求職者が情報収集を行っているOpenWorkを利用したダイレクトリクルーティングツールです。
OpenWorkはVokersという名称で2007年から展開している老舗のサービスで5年前にOpenWorkに社名・サービス名を変更し、昨年ドメインも変更されました。新卒から転職までをカバーしており、幅広い求職者が情報を収集しています。

求人サービスは成果報酬型で新卒40万円@人、中途採用80万円@人、企業が情報を追加登録してスカウトを送るというシンプルなスタイルです。お試しでターゲットになりそうな求職者が何人登録しているかを申し込む前に検索することが可能なので、直接的な採用ツールとして利用しやすいサービスです。

https://www.openwork.jp/recruiting


VOiCE
実際に働いている従業員にアセスメント調査を行い、バイアスのないクチコミ情報を展開する採用支援ツール。ありそうでないスタイルです。
WEBマーケティングに長けている全研本社さんの新規事業サービスで、ネガティブになりがちな「退職者・退職予備軍が中心のクチコミ」をフラットに是正しようと昨年からサービスを展開されています。

利用企業もクチコミにバイアスをかけられないことでフラットな情報を展開できるので、いいことも覚悟しておくことも理解して応募する「採用確度の高い候補者」の応募が増えることが特徴です。

またマイナスな情報も当然収集でいるわけですが、その情報は改善ポイントとして是正を行えますし、その取り組みをサイトに載せて発信することもできます。情報を公開して終わりではないので、採用サイトのサブツールとして活用できることも面白いです。

そもそもSEO改善に長けた会社でもあり、WEB上での採用ブランディング発信として、認知度があまり高くない会社、マイナスの印象を持たれがちな業種、老舗のしっかりと取り組んできた地元企業など、求職者への認知がまだ強くない会社には有効な打ち手になるのではないかと思われます。

VOiCE紹介ツールより抜粋


終わりに

インターネットに簡単に情報を展開でき、それをスマートフォンで気軽に検索して獲得きるようになった現代。便利な反面、その情報の取捨選択、信憑性になやみ、だれもが不安も抱えながら過ごしているのが令和の情報社会です。吟味したのに外してしまったら残念ですし、その意味でもクチコミは客観的第三者意見として重宝されています。

ここを雑に取り扱わず、しっかりと対応することが採用活動にも有効になります。応募者を取りこぼさないための方法として、しっかりと対策を打つことをお勧めします。


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