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火曜夜に丁度”家事”絡み続きます -『西園寺さん-』と『僕の妻は-』-

火曜日の夜分、奇遇な事に”家事”に紐付く漫画原作のドラマとアニメの放送時間が続く形となりました。
昨晩、ドラマ『西園寺さんは家事をしない』が22時から始まった事で、先週より始まっている23時からのアニメ『僕の妻は感情がない』を続けて観られるスーパー”家事”タイムです。
(※放送局は違います(※地域によって放送時間も異なるかと存じます

だから何だという話ではあるのですが何事も切掛です。
始まったばかりの各々に感じた事を綴ってみようかと思った次第です。

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🍲”自分や誰かの為に家事をすること”に焦点が定まり個人的に原作以上の好み仕様にシェイプアップされていた『西園寺さん-』

このドラマはひうらさとるさんの漫画が原作です。
原作では初手から西園寺さんが楠見くんに恋愛方向の戸惑いを見せてラブコメ的な側面も強かったのですが
ドラマ版は楠見くんだけでなく西園寺さんもストイックで彼との疑似家族状態にもそうした印象は感じず、”家事をする”という事に関しての様々な向き合い方というテーマに焦点が定まっていて、物語展開も原作の分解再構築でそうしたテーマに沿った自然な流れに構成されていて
個人的にドラマ版のが好きだな〜〜。。となってしまったのでした。
(これはあくまで個人的な好みの話なので悪しからずなのです..

の方が、と言うからいけないか。
この『西園寺さんは家事をしない』という一個のドラマそのものが、凄く好みの仕上がりでした。

変な話、”映像化で余計な恋愛要素を足されてしまった”という例はありがちだったりするかも知れない中で、逆に引くパターンなのはなかなか興味深いところでした。
ドラマ版はまず第一話でのこの関係性に惹かれるものがあって、いずれ恋愛要素も出て来るのかも知れないけど今はそういうのいいかな..と感じるものでしたので本当に凄く良い塩梅だったと思うんですよね。。
ひうら漫画のノリとはまた違う空気感で原作ファンの感想は様々でしょうけれど、物語や人物像は基本原作準拠で構築されていてちゃんと”実写ドラマ化”された作品に仕上がっていると思います。
楠見くんとか再現度すごいよ(ちらりとX覗きましたが原作者さんも大興奮でらしたのでした

西園寺さんのシルバニア趣味、あれは原作にないオリジナル要素なんですがめっちゃ良かったよ。。
秘密のシルバニアファミリー部屋を持つ独身アラフォー女性というだけでなくそこで楽しく暮らす自身のアクスタを一緒に飾ってるの、何と言うか、”自宅を本当に自分のやりたいようにしている”西園寺さんの掘り下げとしてもルカちゃんとの繋がりとしても滅茶苦茶良要素だったな〜〜〜〜〜。。と思ったのでした。

原作の映像化としても一個のドラマとしてもとても楽しみな作品が始まりました。
この良塩梅は脚本家さん演出家さんプロデューサーさん各所の素敵なケミストリーなのかな。
何にせよ一話の構成は脚本家さんの上手さをかなり感じた次第です。
共同脚本のおひとり山下すばるさんやPのおひとり岩崎愛奈さんは『私の家政夫ナギサさん』も手掛けられていた面子で成程なのでした。

△良インタビューでしたので是非御一読を


🍲初回の不安さを払拭する2話を経て”家電を配偶者と想うこと”を映像作品で描くことへの挑戦を魅せる『僕の妻は-』

このアニメは杉浦次郎さんの漫画が原作です。
私は当時はまだ居たTwitterで御本人が掲載していた試し読みで知ってその世界観と表現に衝撃を受けたものでした。
Twitterの頃にXを離れていた私は久々に覗いた際にアニメ化の報もつい先日知って驚きと同時に心配が過っていたのですが
放送されたアニメ初回はこう
放送後にストレートに「気持ち悪い」との感想が駆け巡ったのも擁護出来ないほど、本当にそんな描写に満ちていて..。

最初こんなだったっけ..と原作初回を読み返してみると、確かに流れとしてはアニメも原作をなぞってはいたんですよね。
でも
ああじゃないんですよ….。
例え同じシーン同じ台詞でも、意図や魅せ方でまるで違うものになるのが表現というものです。
本当にこの辺が、漫画とアニメは”絵”なので似たものと思われがちやもですが全く別の媒体なんですよという処と申しますか..。
(母数的に圧倒的大多数であるTVで初めて知る人達からすれば原作まで同一視され易いのが、”アニメ化”というタイプの媒体の移し替えの一番の懸念なのはずっとなのでした

初期タクマは自分の行動の無情さとミーナちゃんへ惹かれる感情の狭間で揺れながらああした振る舞いをしていたのが、あまりに露骨に欲情前面のような表現にされていて..。
あの方がアニメとしてはコミカルに映えて初回の話題や切り抜きになりやすいはずなどの意図があったのやも知れませんし
後は単にスタッフの解釈があんな感じでしかなかったのかも知れませんが
何にせよ”この作品がどういう作品か”という初回で一番伝えるべき掴みを潰した印象でした。
(アニメのメインビジュアル自体、タクマがデレッデレでだらしなくミーナちゃんに触ってるのがまずこれ駄目だって今でも最悪だと思ってます(まずあれをどうにかしてほしい..
原作が本当に哲学的な話を物凄いバランスでやってるので、安易にキャッチーに”美少女ロボットに恋する男のラブコメ”的に映しちゃ駄目だと思うんですよ..

少し安堵したのは第2話でした。
御話が動き出し、お出掛けするふたりのやりとりやその顛末の描写はかなりタクマの真摯さを映し出していて、実はちょっと新鮮に泣いてしまって。
内容はちょこちょこ端折りがちではありましたが、要点は押さえられていたかと思います。
なぞるより、表現としてこういう感じでゆっくりゆっくり進めていってほしい。。

”原作”である本来の漫画作品の話をしますが
タクマは
ミーナが家電ロボットである事を誰よりも判っています。
判った上で 求婚し 彼女もそれに応えます。
かといってそれは感情が芽生えた訳ではなく、家電ロボットとして主人の要請に応えた結果です。
ですが
あくまで無表情に淡々と機能行動を重ねているだけのはずの家電ロボット・ミーナに
タクマは 周りの人は そして読者
彼女の”感情”を見出します。
”ない”はずです。実際に芽生えてなどいないはずです。
なのに。

この御話はですね
愛情を注がれた家電ロボットが感情に目覚めるとか、そうした話ではなくて。

どこかの書評レビューで、無表情なはずのミーナの表紙に「読み終えた後にもう一度表紙を確認すると個人的には興味津々でキラキラした目を向けているように見えました」といった事を書かれていた方がおいでで、本当にそこなんですよ..!と感嘆したのを覚えています。

漫画『僕の妻は感情がない』はそういう、物凄く難しい事を描いている作品だと私は思います。
公式で試し読みもありますので、ご興味ある方は是非御一読のほど。。▽

個人的にこの作品を映像化するなら実写ドラマで観たいんですのよ。。
改めて何かこう、”TVアニメ”って媒体でこういう題材を扱うとどうしてもあんな感じになっちゃうのかなという感覚を覚えてしまったのでした(勿論スタッフにもよるのだとは思うのですけれど


▓漫画原作実写化作品の記事でもありましたので、最後に今年あのような理由でも話題になってしまったドラマ『セクシー田中さん』に関しての私の記事を御案内して終わろうと思います▽

制作段階と、放送後のそれに伴うSNSでの荒れ狂いがあんな取り返しのつかない顛末に至ってしまった問題と別途
放送されたドラマ自体は原作準拠且つ一個のドラマとして素晴らしいものであった事を強く記す次第です。
その為に、そうしたドラマにしてもらう為に
芦原先生ご自身があれ程身を削り食い下がっておられたのですから..。
(今でも、「原作を踏み躙った酷いドラマだったらしい」という知らない人の誤解が根深く残っている様子で、問題の影響もありこの作品が今後観る事の出来ない幻の作品になどなってしまわぬよう、綴った記事でもあります


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