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靴の履き方、間違えていませんか?

外国人からみて日本人の生活習慣で違和感を覚える一つに靴の履き方があります。“つま先トントン”と急いで靴を履く日本人、海外では座って靴を履き“かかとをトントン”靴の踵に合わせます。

多くの日本人が靴を履くようになって70年

多くの日本人が靴を履くようになったのは1950年頃からです。

それ以前、靴は公職に就く方、医師、教員、軍関係者を除いた大多数は草履や下駄を履いていました。

草履、下駄の特徴は鼻緒であり踵の抑えはありませんし、履き方はつま先トントンと合わせて履きます。

つまり、日本独自の履物文化が現代日本の生活習慣(靴の履き方)に影響していることに間違いありません。

それと日本の生活様式では靴を履き替えることが多いのも要因になっています。・・・サッと履ける靴が日本では重要視されています。

バブル時代、イタリアの靴職人は日本人客が来ると大きめに靴を誂るように注意していたそうです。

何故ならイタリア人はピッタリでないと納得しないが、日本人はピッタリだと怒ったからだそうです。

サッと履ける靴というのは緩くないと難しく、やや緩い靴に慣れてきた日本人にとっては足の感覚はピッタリでは窮屈に感じるから怒っていたのかも知れません。

靴と草履、下駄の歩き方は違う

現代人は踵から地面について歩きますが、草履、下駄を履いていた時代までの人は踵接地(かかとせっち)でなく前足接地のなんば歩きでした。

今の歩き方は骨盤を大きく内外旋していますが、武士は刀を下げ、着物では歩幅を大きくすることは出来なかったので、骨盤を上下に動かし膝のクッションを効かせて歩くなんば歩きだったようです。

菱川師宣 吉原の躰(てい)

詳しくは下記サイト
江戸時代の走り方をもとめてより

江戸時代の走り方をもとめてより

江戸時代までの日本人が摺り足(すりあし)で歩く理由として、日本においては着物による制約のため小さい歩幅で歩くことから踵接地する必要性がないこと、踵を少し浮かして歩くことにより、脚全体がバネの役割を果たし、悪路や傾斜地を歩くには適していることが考えられます。
https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=1709

東京都中央区観光協会特派員ブログより


正しい靴の履き方はかかとトントン

現代人の歩き方は踵をついて足底に載って親指で抜けるのですが、正しく歩くために先ずは踵の衝撃吸収と動きを適正に保つ必要があります。

靴は踵に硬い芯が入っていますが、その機能は踵を抑えて踵骨と距骨の間にある距骨下関節の動きを適正にすることにあります。

この関節が過剰な動きをすると正常歩行は困難になります。

もし、つま先合わせで靴を履いたら、かかとの制御は効かなくなり、指の自由を失いバランスを崩しやすくなります。

したがって正しい靴の履き方はかかとをトントンすること、そして靴の踵の芯に確り合わせることがとても重要です。

現代日本で草履、下駄は少なくなり誰しも靴を履いて生活していますが、無意識に草履、下駄の履き方になっている方も多数いると思います。

工業化が進み日本に靴が普及して70年ですが、おじいちゃんもおばあちゃんも、お父さんもお母さんも、姉さんも僕も弟も、つま先トントン・・・未だ日本においてはこれが現状かも知れません。

つま先トントンを続けて40年、ユルユル靴を履いて何処かで代償しながら歩くことになれば筋肉、関節、骨に悪い影響を及ぼす可能性が大きくなります。

これは立派な生活習慣病と考えても良いぐらいですが、残念ながら糖、塩分、タバコなどと違い靴と体の関係については数値化できていません。

しかしながら、未来の日本を支える子ども達にはかかとトントンを確り伝えていただければ幸いです。

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