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年始めは「選択」と「集中」

明けましておめでとうございます。かんき出版広報Sです。
大晦日の紅白の氷川きよしこときーちゃん、素敵でしたね〜。「きのう何食べた? 正月スペシャル」でジルベールが作ったキムチチゲにそそられるも、作る気力はないので日高屋でチゲ味噌ラーメンで自分を誤魔化しました。

さて、ついに2020年!オリンピックイヤーでございます。五輪の影響で弊社は7月、8月の夏季休暇の日程がすでに決まっており、偉い人たちが刊行点数と売上をにらめっこしております。いまから夏休みの計画を考えるのもいいですね。

さて、年始めに読んでおくと、有意義な1年が過ごせる1冊があるのでご紹介させてください。

◆世の中の99%は必要のないノイズ
爆発的に情報が増え続ける現代、やってもやっても終わらない仕事や日々のタスクをどう消化するかが多くの人々のテーマとなっています。
いかにマルチタスク能力を高めるか、効率化を進めるかといった「仕事術」「ライフハック」についての書は数えきれないほどありますが、それらとはまったく違う方向から提案をするのが、全米ベストセラーとなった『エッセンシャル思考』です。


2014年に発売された邦訳版も国内で14万部を突破し、発売から6年が経ったいまもなおコンスタントに売れ続けているのは、その内容が核心を突いたものであり、かつ普遍的なものだからだと実感しております。著者のグレッグ・マキューン氏は、こう断言します。

世の中の大半のものはノイズである。本質的なものはほとんどない

つまり99%の無駄を捨て1%に集中する方法が「エッセンシャル思考」です。
エッセンシャル思考とは、単なるタイムマネジメントやライフハックの技術ではなく、「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方なのです。

エッセンシャル01

本書は続けて私たちに問いかけます。

・自身の生活を振り返ってみると、よく考えずに仕事を引き受け、「何でこんなことやっているんだろう」と不満に思うことはないだろうか?
・相手の機嫌を損ねないためだけに依頼を引き受けていないだろうか?
・イエスと言うことに慣れすぎて、思考停止していないだろうか?
・忙しすぎてすり減っていると感じることはないだろうか?
・働きすぎなのに成果が出なかったり、どうでもいい作業に追われて仕事ができないと感じたことはないだろうか?
・つねに走りつづけているのに、どこにもたどり着けないような気がしないだろうか?

エッセンシャル03


◆最重要基準の90点未満は切り捨てる
本書では、1%の本当に重要なものごとを見極めるために必要な要素を5つ挙げています。

・じっくりと考える余裕
・情報を集める時間
・遊び心
・十分な睡眠
・何を選ぶかという厳密な基準

なかでも、5つ目の後の“厳密な基準”についてピックアップしてみましょう。
本当に必要なものを見分けるためには、消去法などの消極的な選択ではなく、「これを選び取る」という積極的な選択が欠かせません。「何をあきらめなくてはならないか?」ではなく、「何に全力を注ごうか?」と考えるのです。

選び取る手法の一つとして、「90点ルール」が紹介されています。最重要基準をひとつ用意し、その基準に従って選択肢を100点満点で評価するという考え方。ただし90点未満の点数は、すべて0点と同じ。不合格です。
こうすれば、60〜70点くらいの中途半端な選択肢に悩まされずにすみ、上位10%にだけイエスと言うことができます。
まずはこれだけで、9割のムダを省くことができます。この考え方をさらに突き詰めていくと、1%の本質にたどり着くことができるでしょう。

こうして不要なものを正しく「減らす」ためのしくみを作り、「見極める、捨てる、しくみ化する」というサイクルをまわしていく方法を、本書ではていねいに解説しています。

◆上手に「ノー」を言うための技術
絞り込んだ選択肢だけを引き受けるエッセンシャル思考とは、「いかに、その他すべてにノーと言うか」に集約されます。
“上手に「ノー」と言う技術を身につける”という項目では、断ることに対する心がまえ、断り方のレパートリーなども具体的に提示されています。
ときには毅然と、ときにはやんわりと断りを入れる数々の方法は、断るのが苦手な人にとって、非常に参考になるはずです。

もちろん、多くのことを手放すには覚悟も必要であるし、人の頼みを断るときの罪悪感も完全には拭えないかもしれません。考え方を大きく変えることに戸惑いを感じる人も少なくないでしょう。
ですが、著者は私たちに問いかけます。

“あるとき目を覚まして「ああ、自分に正直に生きるより、どうでもいい仕事を押しつけられる生活のほうがよかったなあ」と後悔する可能性があるだろうか?”と。

このエッセンシャル思考は、情報の渦に飲み込まれないための、新しいスタンダードではないでしょうか。
ノーと言えずにあれこれを引き受けがちな人、あらゆることが中途半端になってしまっていると感じる人は、新年に本書を読み、マインドセットの転換に取り組んでみてはいかがでしょうか。

SNSでエゴサーチすると、未だに感想をツイートしてくださる方も多く、スマホやタブレットで思い出したように再読される方が増えています。なぜかというと、本書は読んでもなかなか実行できないからです😊 ここ数年は前回の記事同様、Kindleの方が売れており、行動と直結するのかもしれません。
かくいう私も本書を読んで随分社内の仕事を断れるようになりました(うふふ)。最初は勇気がいりますが、慣れてしまえば「引き受けなくてよかった!」とエッセンシャル思考になっていきます。

ちなみに、活字が苦手な方には無料で読める試し読みのマンガ版もあります。ブラックな職場で働く優しい教員が主人公です。結構なページ数が読めるので、概要だけでもつかめると思います。ぜひお試しください。

寝正月でもこの漫画を読めば、いい新年を迎えられると思います。ゴロゴロしながらぜひ読んでみてください。



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