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なぜか4年前より売れている文章術の本

はじめまして、かんき出版の広報です。
2019年もあと数日で終わり…月並みですが、あっという間の1年でした。年号も変わり、いよいよ2020年。弊社も重い腰(誰が更新するのか問題などなど…)を上げてnoteに参戦することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

初めての記事。何を書けばみなさん読んでくださるかしら?
いろいろ考えながら、自社データを見返したところ、面白い事例があったので共有してみようと思います。

◆発売1年後からKindleの売上が盛り返している?
営業部がボソッと「あれ?気がついたら10万部超えてた…」と言った本を思い出しました。それは2015年に発売された『人を操る禁断の文章術』(メンタリストDaiGo/著)。


「えっ?10万部??」と慌てて10万部用の帯を準備したのですが、なぜ4年前の本が…?? (自社本の可能性を信じろや!と担当編集のツッコミが聞こえてきそうですが…摩訶不思議)
ビジネス書は旬が早いので、ロングで売るよりも瞬間的に売り切るタイプの書籍がどうしても多く(業界全体の課題)、4年経って売上が上がるなんてことは稀なのです。これは「文章力をアップしたい」と願う人が年々増えているからなのでしょうか。

SNSやブログ、noteをはじめとする作品配信サイトなどが当たり前となったいま、プロの作家だけでなく、一般の人々でもたくさんの人に文章を読んでもらうことができ、“文章をお金にできる”チャンスも増えました。
もちろん、日常の中でも、学生であればレポートや論文、社会人であれば取引先へのメールやプレゼン資料、企画書、セールスレターなど、文章を書かなければいけない場面はたくさんありますよね。

人を操る禁断の文章術』には、そのノウハウがギュッと詰まっています。発売以来、長く売れ続けているだけでなく、なぜか年々ジワジワと売り上げを伸ばし、発売時よりも現在の方が売れているという不思議な一冊。初回の投稿ですし、そんなに読まれないと思うので、弊社の機密情報を引っ張って図にしたものがこちら。わかりやすいように、累計部数の推移もペタリ。グラフの細かい数字を上司に見せたところ、「削除」と言われたので縦軸を消しました…。

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『人を操る禁断の文章術』は、初版1万部スタート。
発売後は順調に売上を版を重ね、2015年内に3万部へ。翌年、2万部重版し累計5万部に。2017年以降は紙の売上は落ちますが、注目すべきはKindle(オレンジ)の売上数。2018年には2017年の売上を盛り返しています。2019年には再度重版がかかり、めでたく10万部に。単行本(ブルー)の売上とほぼ同等になりました。2019年は特段、広告出稿もしておりません。

著者は、メンタリストDaiGo氏。ご紹介するまでもないですが、累計330万部の著書を持つ作家であり、チャンネル登録者数176万人を誇る人気Youtuber、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、大学教授として活動する人物です(DaiGo氏のYouTubeはぬこ様がデフォルトでいたり、コスプレしたりいろいろ勉強になります。サムネイルに騙されてはいけません)。
ちなみに初版1万部は、弊社としては異例の初版部数ですが、そこはDaiGo氏の人気にあやかった数字です。


DaiGo氏の得意とする心理学や脳科学などの知識に基づいて書かれる文章は、「相手に伝わる」を通り越して、「読み手の心を動かして、行動を誘導する」もの。普遍的な内容だから、年を重ねてもお古くならないのでしょうか?
振り返ると『人を操る禁断の文章術』発売以後、2016年に『自分を操る超集中力』を発売し40万部を突破(2019年現在)。2017年に『自分を操る超集中力』図解版、2018年に『自分を操る超集中力』マンガ版と、DaiGo氏の関連書籍は毎年出版しておりました。書店店頭で併売していただけるのもあり、細かく重版もかけていました。

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◆気づけばブロガーさんたち御用達の1冊になっていた!
Twitterで検索してみると、手前味噌ですがSNSでの評判がすこぶる良いことに気づきました。 ブロガー界隈では、この「メンタリズム文章術」をモノにし、実際に活用している方も少なくないようです。本書が売れていたのは、読まれた方が実践され、その反響や結果をツイートされる…そんなSNSでの口コミのおかげでした。
中には、「この本を読んでnoteを書いたら250万円、1,000部以上本が売れました」という実績を上げている方や、AmazonのAudibleで本を「聴く」というスタイルの方もいらっしゃいました。「書く力」が営業力に直結する職業の方が多くご購入してくださっている印象です。

ネット経由で本書の存在を口コミで知り、そのままKindleでポチ…そんなサイクルになっているのかもしれません。口コミで広げてくださった皆様、ありがとうござます!

◆“自分が言いたいこと”を書いてはいけない
では実際に本書がどんな内容かといいますと、メンタリストDaiGo氏いわく、文章を書くうえで一番大切なスタート地点は、「相手にどんな行動をして欲しいか」を考えることだそうです。

ラブレターなら、「好きだと伝え、できれば相手にイエスと言わせて、交際を始めたい」がスタートとなります。
同様にセールスレターであれば、「買ってください」という意味のワンメッセージによって、「欲しいなぁ、買おうかな」と思わせる。
プレスリリースであれば、「紹介してもらいたい」という思いを込めたリリース文によって、「これはおもしろそうだ。あの人にも教えてあげよう」と関心を抱かせる。これらが、1つのゴールです。

このように設定するゴールを1つに絞り込み、文章を書くことを広告の世界では「ワンメッセージ・ワンアウトカム」と言います。
1つのメッセージが相手に伝わり、心を動かすことで、1つの結果を得る。これが、ワンメッセージ・ワンアウトカムの考え方。短いセンテンスで、説明しすぎない文章を書くコツでもあります。

そして、このワンメッセージ・ワンアウトカムがきちんと効果を発揮するためには、「誰」が読むのか、つまりターゲットの確認と分析が欠かせません。相手のことがしっかりとイメージできていれば、文章に使う言葉選びも変わってきます。

例えば、小学生に「国債」について説明しようとします。
前提となる知識のない相手に対して、くどくどと制度の歴史や仕組みを解説しても意味がありません。そこで、伝え上手な人は「国債とは、国の借金のことです」と、書きすぎない文章で本質を示す。
厳密に言うと、これは正確な説明ではありませんが、相手に一番伝えたい要素を取り出すことでイメージは伝わるし、より深い興味を持った小学生には、詳しい説明をすることもできます。
このように相手が誰だかわかっていれば、理解してもらいやすいよう情報を加工することができます。

ターゲットである彼らが何を考え、どうしたいと願っているのか。その心理を読み、感情を揺さぶって人を行動に駆り立てるためには、メンタリズムを文章に応用した「7つのトリガー」を手掛かりにすれば難しくありません。
また、読み手の心を自在に操るための具体的な5つのテクニックなどの文章術は、どれも「今日からすぐに使える」と思えるものばかりです。
「文章力をアップしたい」という気持ちがありましたら、この冬休みを利用して本書を読み込み、“相手の心を揺さぶる文章力”を身につけてみてはいかがでしょうか。
本書の紙、Kindle、Audibleと3つの読書の形をご提供しております。ご自分に合うスタイルで読書をお楽しみください。

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長文、お読みいただきありがとうございました。気張らずコツコツ更新したいと思います。それではみなさま、良いお年を!



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