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世界一高級なニットは街を作った。

出版されてすぐに購入したのだが、やっと先週読み切った。

ブルネロ・クチネリの「人間主義的資本主義」

ブルネロクチネリと言えば、世界的にも有名な高級ニットブランドた。
今やフルラインで服を作り株式上場し、日本にも今年国内最大の路面店を作った世界的ブランド。

私がブルネロクチネリを知ったのは、今から約20年前。
当時働いていたセレクトショップで取り扱いがあり、カシミヤのニット2型だけ置いていた。

これがそのニット。
薄くて袖と裾が長目で首はピッタリなのに、見頃は適度なゆとりがある。当時定価10万程だった。
まだどこも傷んでいない。

このニットをすすめると、あっさり3色買いされる顧客もいた。プレセールに呼ぶと一度もまだ着ていないという。そういう方が買うブランド。

はじめからアッパークラスの方をターゲットにしており、その姿勢は今もブレない。

私はカシミヤの高級ニットブランドとしか知らなかったので、この本を知った時は発売後すぐに取り寄せた。

ブルネロ・クチネリ氏は貧しい家庭で育ちながらも家族を大切に、古代からの文化や人間の尊厳を重んじていた。

彼は正しい資本主義で社会を作ろうと、カラフルな高級カシミヤニットの会社を作る。はじめは数十枚から。彼の思想を聞いた工場は、支払いは全部売れてからで良いと言う。そこからまた彼の思想に賛同した顧客がまとめ買いする。

そうやって順調にビジネスを拡大する時に、妻の地元、イタリアの中世の街並みが残る田舎街ソロメオに工場を作ろうと決意する。
ソロメオの街は衰退の一途であちこち荒れており、彼は古い城を買い取って工場を作り本社を移転。
そう、この街を美しい中世の街に戻すために。

その後、ソロメオに劇場や無料で入れる職人学校を設立する。

彼は採算を重視しているが、それが人間の尊厳を犠牲にしてはならないと考えており、自然から奪うのではなく、自然を満たすことの必要性を重んじている。

彼は高級なニットを売ることで、街を作った。新しい街ではなく、元々あった文化や町並みを再構築し蘇らせたのだ。

私は久しぶりに震えた。


職人に他より高い給料を払い、社員食堂も地元で取れた食材を使う。

株式公開時には投資家に対し、目先の利益にしか興味がない場合は当社への投資はご遠慮くださいと言う。

世界の名だたる経営者がソロメオに集い、彼の話を聞く。

ラグジュアリー界において最も重要な哲学である“倫理的資本主義”に対する信念がそこにある。

ブルネロ・クチネリ氏はそのブランドを一代で築き上げたのだ。

もちろん、ブランドの作る商品が良くなければここまで大きくはならないと思う。それにその思想がプラスされこのような素晴らしい経済の循環がおこるのだ。
この思想は大なり小なり、誰でも取り入れることが出来るような気がする。
とても庶民に買えるブランドではないが陰ながら応援している。

ちなみに、この本の内容は思っているのと違う。哲学書のようで翻訳だし、難しかった。決して情熱大陸のような本ではなく、そういうのは後書きにまとめられている。

・・・

さて、日付が変わり、本日6/30の24時にピリカグランプリは締め切りです。

まだ書かれていない皆さん!
お待ちしております☆


お題は睡眠で、800~1200字。
一人2作まで。
ハッシュタグを付けて投稿。
ピリカグランプリかピリカルーキーかどちらかひとつ。



最後に今日の私。
20年前ぐらいのマルニのバッグが合いそうと引っ張り出してきた。同じ柄のスカートも持っています☆

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