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#5 共通点と差異を考える(授業例)
私は小学校で教師をしています。
前回#4で、授業中に「共通点」と「差異」を考えることを紹介しました。
今回は、実際の授業をもとにしながら、このことについて紹介していきたいと思います。
一年前にやった道徳「百羽のつる」(光文書院 4年)の授業を例にして考えてみます。話のあらすじは以下の通りです。
百羽の鶴の群れが湖に向かう途中、体の弱い子鶴が力尽きて群れから落ちてしまう。それに気づいた九十九羽の仲間の鶴たちは、落ちていく子鶴をみんなで支え、何事もなかったようにまた群れをつくり湖に向かっていった。
この教材の内容項目は「感動、畏敬の念」です。
教科書には「『美しいもの』という言葉からどんなものを思いうかべますか」という問いが書かれています。
この時、頭の中で「さまざまな美しさ」を「共通点」と「差異」で整理しながら授業を進めていきました。
(※以下の図は板書ではなく私の頭の中のイメージです。)
①まず「美しいもの」を子どもたちにあげてもらいました。
ダイヤモンド、金貨、富士山、夕日、命、伝統文化…など
世の中にあるいろいろな「美しさ」が出てきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1717791887255-l2tHQ8oLuC.png?width=800)
②このバラバラの「美しいもの」を一度 頭の中で整理しました。
それぞれの「共通点」を見つけて大まかに分類してみるとこんな感じになりそうです。↓
![](https://assets.st-note.com/img/1717792006483-RVfOznssql.png?width=800)
③ここで、教材の「九十九羽の鶴の助け合い」は、この図の「どこに分類されるか」を考えてみました。
この「助け合いの動作」も「目に見える美しいもの」に分類できそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1717792081356-D8CCvOVg04.png?width=800)
しかし、今まで出てきた「美しいもの」と何が違うか「差異」を考えていくと、新しい発見がありました。
この鶴の助け合いは「目に見える美しさ」だけど「一瞬しか生まれない美しさ」という新しい分類であることに気づくことができます。
このような「一瞬しか生まれない美しさ」は他にもないか考え「運動会の表現」や「音楽会の演奏」など児童の身近な経験にもありそうだと話
をつなげていくようにしました。
このように
①知っていることを列挙する
②一度「共通点」でまとめてみる
③まとめたもののそれぞれの「差異」は何かを考える
このような流れで子どもと授業をしていくと、思わぬ発見があり面白いなと思います。
道徳の授業を例として紹介しましたが、他教科でもこの「共通点」「差異」の考え方は同じように使えます。
例えば3年生社会科の「くらしを守る警察の仕事」の授業では次のような整理・分類ができそうです。
警察の仕事を「パトロールをする」「学校で交通安全教室をする」「道案内をする」「犯人を捕まえる」「交通違反を取り締まる」等…仕事内容はバラバラですが頭の中で整理していくと右の図のようになりそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1717792354838-fYGf3AgnXH.png?width=800)
このように「共通点」と「差異」を子どもと一緒に確認していくことで、物事の考え方が深くすっきりしてきます。
日常生活でも、本を読んでいる時や会議中など、頭の中で分類・整理する癖をつけておくと、こうした図がイメージしやすくなっていきます。
また、板書する時も「共通点」「差異」を考えながら書く位置を考えるように意識しています。
板書の時に考えていることなどもいつか紹介していければと思っています。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回みんなのフォトギャラリーからnapa07さんの江ノ電の写真を使わせていただきました。
江ノ電特有のまちや生活と一体化している感じが好きです。