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セーラー服と魔獣狩り
まるで漫画みたいだな、思わず俺はそう思った。
俺は再びあたりを見渡す。そんなに大きくない店内には、丸テーブルが4つ、それを囲むようにカラフルな椅子が置いてある。子供のころに連れられて行ったクレープ屋みたいだな、俺はそう思いながら、もう一度、目の前にいる怪物のほうを見た。そいつは四足歩行で何やら喚きながら、あたりを黒い泥のようなもので汚していた。
流石にわけが分からなくなった俺は、隣にいる
T.Q.B.ファイターズ!
白く光る飛行機雲が、少年の視界を横切った。
それを眼下に眺めながら、少年は操縦桿に少し力を込めた。少しだけ下を向いたコックピットが、向かい風に揺れた。シャツに包まれた、少年の乳首にひんやりした感覚が走る。少し顔を赤らめつつ、少年は操縦桿を左に傾ける、まるで最初からそこに上昇気流が吹いていることをわかっていたように、彼の乗る戦闘機はふわりと浮かんだ。
男性の乳首が、単なる痕跡器官ではないこと
そして青年は人を撃つ
静まり返った荒野に、一発の銃声が響く。ノエル・チャーチヤードは、いつものように敵の歩哨を撃ち殺してから、いつものように目をつぶり、ドイツ語で主の祈りを唱えた。
「祈りながら撃つサイコ野郎ってのはお前の事だったのかよ」
「そう思ってくれるんなら、僕にとっても仕事がやりやすいさ」
ノエルは、先ほど初めて会った同僚と、短い会話を交わす。ノエルの改造された瞳は、なおも荒野の戦場に目を光らせて
コズロフ博士の、忠実なる番人
視界を埋め尽くす吹雪は、未だ止む気配がなかった。辺りにはノヴォ・ロシア正規兵の死体が7つ。まだ生きているものは3人。作戦は、完全に失敗していた。
アレクセイは、目の前にそびえる機甲鎧を見上げていた。それは彼の知るどんな機甲鎧ともかけ離れており、摩耗した機械部品の塊のように見えた。白い雪原に立ちはだかる、暗灰色の巨人。それは、背後の研究所跡を守る番人のようであった。
かつては生体工学の最先
ワイナミョイネンの仮想工房
思ったよりも重たい反動を感じながら、僕は拳銃を握りしめた。手元から放たれた弾は、魔法のように目の前の化け物の眉間を貫く。
「どうじゃ。わしの鍛えた武器は」口調に似合わぬ可愛らしい声が、僕の後ろから聞こえてきた。声の主は、黒いドレスを着た小さな女の子。「悪性思考を仕留めるのは、同じく思考から産み出された力のみ」
少女が「悪性思考」だという、その四足歩行の人面の怪物は、どこか見覚えのある顔立
悪魔来たりて、船は翔ぶ
南南東の風が強く吹いている。
海面に浮かぶ残骸と、それにしがみつく水死体。それを横目に、進む先には一隻の装甲帆船。イーゴリは、その船影に見覚えがあった。
「イスパニアの差し金か。正規軍ではないようだが」
「ニーニャ型キャラヴェル。おそらく12年製」
女性らしい、落ち着いたその声は人間のものではない。イーゴリの乗る人工知能制御型スループ帆船、その制御インタフェースは『ヴェパール』と名付
不和の娘、ディスノミアーの愉しみ
暗い路地裏に、人が人を殴り殺す音が響いた。
聞き飽きるほど聞き続けてきたその音は、ベッドに横たわる私の耳に未だこびり付いていた。私は吐き気をこらえながら、携帯端末を覗き込む。任務完了の確認を知らせる、短いメール。それを一瞥し、私はようやく長い黒髪をほどき、端末を放り投げた。
右の奥歯に埋め込まれたスピーカーからは、不愉快な高音が響き続ける。
その音は、私が「ディスコルディアの娘」であ
機甲狩りのゲルダ・シュルツ
モーターから放たれる重低音が、その深さを増した。
それを聞くより先に、ゲルダは前方へ一歩踏み込む。直後、鋼鉄の拳が、先ほどまで立っていた瓦礫の山に突き刺さった。
ゲルダは、さらに一歩踏み込み、身長の倍ほどもある機甲鎧の足元に着地する。左。右。電磁サーベルが鎧の膝関節を的確に捉えた。切断された配線から火花が飛び散ると同時に、鎧の胴部から男の叫び声。
痛覚遮断機能も搭載していない安物ね。
note始めました。
こんにちは、バーチャル図書委員の鐘崎しらべです。
ここでは、普段の動画でしゃべり切れなかったことなどを、つらつらと書いていきたいなって思います。
そもそも話下手の私にとって、話したいのに話せないこと、話しきれなくってもやもやすることは日常茶飯事なんで、そんなことなんかも順次書いていけたらなって思います。
よろしくお願いします!