見出し画像

英語が上手になる秘訣は「よい先生、よい教科書、よい環境」というフィンランドの英語教育について学ぶ

「よい先生、よい教科書、よい環境」


こちらは、「英語が上手になる秘訣は?」という英語での質問に対し、フィンランドの小学5年生の児童が英語で言った言葉だそうです。

こんなふうに答えられる児童を育てているフィンランドの先生がすごいなと思いました。


そのフィンランドの現在の英語教育とはどのようなものなのでしょうか。

特徴は3つです。

1.少人数のクラス
2.英語教員の英語力の高さ
3.教科書の充実

昨日の記事「1.少人数のクラス」では、フィンランドでは普通の公立学校にて、10人前後で英語の授業を受けるということでした。


今日は「2.英語教員の英語力の高さ」を見ていきます。


2.英語教員の英語力の高さ

フィンランドの英語教育が成功している大きな理由なのだそうです。

・質の高い教員の確保ができている
・教員養成課程入学への高い競争率をくぐり抜けた優秀な人材が教員になっている
・修士の学位取得が必要である
・社会的に教員の地位が高い
・学校や教員の裁量が大きく認められている
・学校の教育環境が国によって整備されている

フィンランドの教員の給与はそれほど高くないにもかかわらず、教員は人気職業のひとつだそうです。

それは、社会的な地位が認められ、社会からの信頼を得ており、とても恵まれた環境にいるからだそうです。

フィンランドの学校の先生はとても働きやすそうな印象です。


フィンランドの小学校では、英語を教える資格を持った専任教員が対応している。通常の小学校ではフィンランド人が教えており、日本のように外国人指導助手(ALT)が配置されることはない。
フィンランドでは、教科担当の資格を取得すれば、小学校から高校まで教えることができる。教科担当の資格を得るためには、教育学部ではなく、英語学、英米文学に関する専門科目で、将来英語学や英米文学を専門に研究したいと思っている学生と同じ授業を履修することになる。
フィンランドでは修士号が基本学位と見なされており、教員希望者もその他の職業に就く学生と同様、修士号を取得しなければならない。修士号を取得するためには5年間の就学が必要。授業料がなく、5年で修了しなければならないというプレッシャーはない。
フィンランドでは、教育実習に重きが置かれており、通常2回、複数の学校にて、合計半年以上の期間が原則。フィンランドの教員養成は、理論的研究だけでなく、それに基づいた実践力を身につける経験の場となる。

これを読んで、一流の先生が小学校で英語を教えているから、フィンランドの子どもたちは相当な英語力が身につくんだろうなと、そりゃそうだろうな、と思いました。

日本の小中学校に来る、ALTの先生は英語が母国語で、流暢にしゃべれるかもしれないけど、資格はいらないというところにALTの存在に疑問があります。

ALTが小中学校の日本人の先生の「助手」という位置づけもはてなです。ALTの力量にもよるのでしょうが、聞くところによると、発音をしてくれる「辞書」としての役割でしかないのだとか。

留学経験のない、英語が流暢に喋れないような、日本人の先生が中心になって英語を教えても子どもたちの英語が伸びないのは、誰の目にも明らかだと思います。


それにしても、わたしは自分が急に恥ずかしくなってきました。

1年間の留学経験があるとはいえ、英語学の修士号を持たずに、生徒に英語を教えていることに。

修士号は今更無理かもしれないが、今以上に勉強が必要だと感じました。


その他、フィンランドの英語教師の優秀さを物語る授業の数々です。

フィンランドの英語の授業は、小学校であってもほぼオールイングリッシュの授業もあれば、ほとんどフィンランド語を介して行っている授業もある。特に文法説明やアクティビティの指示には母語が使われることが多い。
ただ、フィンランド語を多く使用するといっても、どの先生も流暢な英語を話す。だから、先生が英語を使う場合、その話しことばが生徒にとっての英語インプットになっている。
フィンランドの先生たちは、英語の授業において「やりとり」の機会をできるだけ多く持つようにしている。教師と学習者のやりとりだけでなく、学習者同士のやりとりも大事にしている。
フィンランドの先生は、生徒たちのレベルに応じた質問を投げかけ、ときには新しい英語による表現を取り入れながら、生徒たちの意見をうまく引き出し、やりとりが自然な形になるように工夫をしている。ある程度教師に英語力とその応用力が備わっていることが前提。
小学校、中学校、高校の校種にかかわらずフィンランドの先生たちは、ペアワーク、グループワークを頻繁に取り入れている。ペアワークやグループワークは、英語の会話力を高める土台となる。

「オールイングリッシュ」にこだわる必要はなく、文法説明やゲームのルール説明などは、母語できちんと伝える必要がありますね。

日本のように「オールイングリッシュ」にしたからと言って、「英語が話せる」ようにはならず、逆に伝わらなくて、生徒を混乱させてしまう恐れがあると思います。

わたしも英語を教え始めた当初は「オールイングリッシュ」にこだわっていましたが、伝わらないし、成果も出ないのでやめました。

しかも今考えると、当時は「自分が話す英語が生徒にとってのインプットになる」という責任感を考えないまま、進めておりました。

全くお恥ずかしい話です。


そして、フィンランドでは、先生とで、生徒同士で、グループで、たくさん英語を練習するから、定着していくのでしょうね。

それはやっぱり、少人数だからできるんですよね。

ですが、フィンランドの英語の授業時間数は、週2コマとそれほど多くないのだそうです。

意外でした。

それでどうやって英語が身につくのでしょう。

フィンランドでは日本のように塾がなく、伝統的に家庭学習が重視されており、宿題がかなり出される。無理なく取り組めるもの、ひとりでも楽しくできるものばかり。

少なくとも、単語テストのために「単語を覚える」のような楽しくない宿題ではなさそうですね。


さて、次は、「3.教科書の充実」についてです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?