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#7 令和。坂本九さんに助けられた話し

【バイオハザードの世界】かと思わんばかりの、恐ろしくも衝撃的なあの夜のことを書こうと思う。

骨折し、手術した左足首はベッドに横たわり中も常に足を上げていないと、象のようにむくむ。
ジンジンと痛く、包帯の隙間から見える足の指は泥のような茶色。人間の色とは思えないゾンビ色になっていた。

パタパタと、見廻り看護師さんの足音が響く廊下。
消灯すぎ、23時になると、呻くようなような声が響き出した。

「う〜ぅ…………」

「……ぅ…がっ………」

※絶対、この奥なんかいる…

同室のカーテン奥の懲りない面々は、前回のジャムセッションもそうだが(※参照)トークは軽快。

(この声は…この病室からではない…)

どうも2つ先の病室のお婆さんのようだ。

バイオハザードなら、もうこの後、カーテンを開けたら完全ラスボスいるパターンやん。
ボス戦、今!?この、ゾンビ足の私が!?プレイヤー側でなく、ゾンビサイドに近い立場の私が戦えるはずがない。無理だ、逃げられない!!


👵「こーわぁああああぃい!!!」


(なっ!? こっちの方が怖いわッ!!!)


あまりの恐怖にナースコールを押そうとしたとき
彼が現れた!


🏥「何がそんなに怖いのぉーッ!?」


宿直の男性看護師さんの登場だ!

👵「こわぁああいー!ヒィイィイーッッ!」 

寝る体制をどうも、変えてあげようとしている様子だが

👵「うぉおおおおーー!ひゃぁ〜あああッ

ごぉおおおーわぁあああいィイィイ!!」


大絶叫が響き渡る。
確かに骨折や手術後、脚や身体に力を入れるのは若者だって怖い。その気持ちは十分わかるが、たまったもんではないレベルの大絶叫がスタートした。

👵「ぐぉがぁ! ごわいィイ! ごわいィイ!」

「ヒヒィイィイエェーーー!怖いコワイィー」

「こっわぁあああああいいツッいい〜」

「コワイコワイコワイぁあああ…!」

🏥「そんな怖い怖い言ってたら一生立てないよ!
坂本の九ちゃんも『上を向いて歩こう』歌ってたでしょ!?上を向いて歩けないと、お家には帰れないんだよッ!?」


(令和の今、坂本の九ちゃんを引き合いに出すとは…
さぁ、吉と出るか凶と出るか?)

👵「………」

「………」

「………」

「………」


👵患者「…わかったよぉ……」


😭(ヒットぉおお〜!!

お婆ちゃんの心に、坂本の九ちゃん→命中ぅ!!)


🏥「頑張った、頑張った。ハィ、これで寝て下さーい」

👵「ヒヒッそんなに褒めたら調子に乗るよぉ〜」

🏥「調子に乗ってもっと歩く練習してくれればいいんだけどねー、おやすみ〜」

あんなに絶叫していたお婆さんが、叫ぶのをやめ会話をし、寝る所まで導く。
その男性看護師の話術に感動した。

諦めない、放り出さない。
毎日、そういうドラマが医療現場や介護の現場では当たり前に行われているのだろうな…。

ちなみに、私は堪え性がまったくなく、放り出し、諦めやすい性格である。

まだまだ続く入院生活、諦めず、
上を向いて歩けるようになるのだろうか…

坂本の九ちゃん。ありがとうございます。
令和の今、まさかここで坂本九さんにお礼を述べることになるとは。
人生は摩訶不思議なり。


To Be Continued➡️

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