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シチュボ:「クラゲノコント①」

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

今回は僕が活動しているユニット「くらげふぁくとりー」で使ったコントシナリオをお届けいたします。

楽しんで頂けると幸いです。


【クラゲノコント①】

作:カナモノユウキ


コント『印鑑』

〔登場人物〕
・配達員(女)
・男

配達員「お荷物お届けに上がりました。」
「え?荷物とか別に頼んでないですけど…。」
配達員「ここに、印鑑お願いします。」
「え??…いや、そのこれにはちょっと…。」
配達員「お荷物、お渡し出来ませんけど?」
「いや、だってその…。」
配達員「どうしたの?欲しくないの?」
「欲しいとか欲しくないとかじゃなくて…。」
配達員「ほーら、男らしく押しなさい。」
「だから…コレ…。」
配達員「何よ、ハッキリしなさいよ。」
「いや……コレ、婚姻届じゃないですか。」
配達員「そうよ?」
「そうよって!意味わかんないですよ?!」
配達員「なんでよ、押せばアタシってお荷物を受け取れるのよ?」
「お荷物ってアンタかよ!」
配達員「受け取るの?受け取らないの?」
「受け取らないです!まだ誰とも結婚するつもりないんで。」
配達員「でも…この荷物キャンセルできないのよ?」
「勝手に来て何を言っているんですか!」
配達員「勝手じゃないわよ、送り先ちゃんと見て?」
「送り先ってどこ…あ、母さんの名前…それにこの字本物ですよね。」
配達員「お母さんがここに送ったのよ?」
「何してんすかうちの母さん!」
配達員「お母さんからも許可出ているんだし。ほら、さっさと印鑑押して?ね?」
「いや、もう母さんとかもどうでもいいから!帰ってください!」
配達員「それが出来ないのよ。」
「何でですか。」
配達員「もう式の準備出来ているし。」
「どういうことですか?!え?結婚してないのに?!」
配達員「準備大事でしょ?」
「初対面でしょ?!」
配達員「そんなの、結婚の前ではどうでもいいことよ。」
「結婚とかそれ以前にコミュニケーション取れてないの分かってます?」
配達員「うだうだ言ってないで、親戚にもご友人にもお知らせしたんだから。」
「……外堀もう埋めたんですか?」
配達員「んふふ。ほ~ら、腹くくって…押しなさい。」
「…いや、でも…。」
配達員「そういえば、貴方の元彼女さん。結婚するらしいわよ。」
「え?京子が?」
配達員「おめでとうって、伝えてくださいって言われたわ。」
「……うわぁ。」
配達員「ほら、押しなさい。」
「えー…もう、押すしかないんですか?」
配達員「もう、押すしかないんです。」
「…そうですか。」
配達員「よろしくね。」
「こえーよー!」

コント『ボタン』

〔登場人物〕
・先輩
・バイト

バイト「これ、何のボタンですか?」
先輩「いやー、何だったっけかなぁ…。」
バイト「先輩ここ長いんでしょ?知らないんすか?」
先輩「お前、俺が警備員歴二十年だからって何でも分かると思うな。」
バイト「分かっていて下さいよ。」
先輩「んー、このボタン何なんだろうな。」
バイト「どうせ警備室にあるボタン何ですから、どっかの電源ボタンじゃないですか?」
先輩「ちょっと、警備マニュアル見てみろ。」
バイト「えーー。」
先輩「お前が気になり始めたんだろ?ホラ。」
バイト「分かりましたよ…。えーっと…書いてないですね。」
先輩「え?そうなの?」
バイト「ほかの説明はあるんですけどね。」
先輩「んじゃぁ…押してみるか?」
バイト「え、危なくないです?」
先輩「危ないなら、危険とかデンジャーとか書いているだろ。」
バイト「まぁ確かに。」
先輩「どうせ使われてない壊れたボタンだよ、気軽に押そうぜ。」
バイト「そうですね……。」
先輩「ん?どうしたんだよ、早く押せよ。」
バイト「も、もしもですよ?会社の自爆ボタンとかだったら…怖くないです?」
先輩「んな訳ないだろ!それこそデンジャーって書いてないとおかしいだろ。」
バイト「いや、でも想像したら怖くなってきたし…先輩押してくださいよ。」
先輩「何だよビビりだな、仕方ない…俺が……。」
バイト「どうしたんです?早く押してくださいよ。」
先輩「いや…もしもだぞ?これ押して人類の衣類が全部消えたら…怖くねーか?」
バイト「ベクトルの違う怖い持ってこないでくださいよ。」
先輩「いやいや!怖いだろ!実家帰ったら自分のおふくろが素っ裸でいるんだぞ!?」
バイト「なんでそんな現象が起こるボタンがここにあるんですか。」
先輩「知らねーよ!俺も怖くなったから…やっぱお前押して。」
バイト「えーーー。」
先輩「気になり始めたのお前!ホラ。」
バイト「……あの、もしもですよ。これ押して宇宙人が攻撃してきたら…怖いですよね?」
先輩「お前の妄想はなんでそんな破壊願望丸出しなんだよ。」
バイト「ボタンってそういうもんでしょ?」
先輩「ボタンはそういうもんじゃねーよ!」
バイト「いや、やっぱここは先輩が押してくださいよ!」
先輩「仕方ねーな…。」
バイト「どうしたんです?」
先輩「いや、もしもだぞ?このボタン押して…自分の初恋の人の名前と顔が世界中の人にバレたら怖くないか?」
バイト「それは、先輩がというよりその初恋の相手が一番怖いでしょうね。」
先輩「俺だって怖いよ!同級生にバレんだから!ダブルで怖いよ!」
バイト「もう…話が一切進みませんね。」
先輩「じゃあ、ジャンケンで決めようぜ。」
バイト「そうですね…いきますよー。」
二人「ジャン・ケン・ポン!」
先輩「よっし!」
バイト「…負けたー。」
先輩「ほら、さっさと押せ押せ。」
バイト「ふぅ…分かりました。」(ボタンを押す)
先輩「……何も起きないな。」
バイト「やっぱり、ただの壊れたボタンなんですかね…。」
先輩「ん?なんか外が明るくないか?」
バイト「そう…ですね。え?今って夜ですよね?」
先輩「ちょっと外見てみろ。」
バイト「はい……うわぁ…先輩、ヤバいっす。」
先輩「え?……お前…アレって宇宙船か?」
バイト「…宇宙人、来ちゃいましたね。」
先輩「…ちゃんと、危険って書いといてくれよな―…。」



【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

昔から笑う犬の生活やめちゃイケのコントが大好きで、自分でも書いてみたいなという一種の夢を形にした次第なのですが。

やっぱり色々難しいですな。
まぁ、これから勉強していきます。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


【おまけ】

横書きが正直苦手な方、僕もです。
宜しければ縦書きのデータご用意したので、そちらもどうぞ。


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