【北欧旅6日目】フィンランドの森と湖、トライアスロンのコースに紛れ込む迷子の私の冒険
初めてAirbnbで一人で泊まったお部屋。
フィンランドのヴァンター空港の近く、観光地でもなんでもない場所。
日本語が話せるホストがいたからと、空港まで送ってもらえるということで決めたおうち。
ぐっすり眠って、気持ちの良い朝…と思いきや、この日は朝から雨。
朝ごはんどうしよう、と思ったけど、買っておいたパンに助けられた。
gifflarの小さなシナモンロール。
これは日持ちもするし、手軽に食べられるのでとっても便利。
(滞在中2〜3回購入した)
ノープランなので今日の予定を考える。
どうやら午後からは晴れるっぽいけど、お昼過ぎまでは完全な雨。
友人に傘を借りておいてよかった。
(旅には折り畳み傘が必須!)
ホストの二人は出かけた模様。
一人でおうちにいても暇なので、スーパーで何か買ってくるか、ランチにでも出かけようと検索したけど…なぜか周辺にはピザとケバブのお店しか見当たらない。
逆に、ピザとケバブのお店はいくつかある。なんでや。
とりあえず雨の中、スーパーに向かう。
びっくりするくらいの大雨になってきた。
スーパーで買い物して家で何か作ろうと思ったけど、この雨の中帰る気力はない。。
冷静に周りにいる人を見ると、ヘルシンキの雰囲気と全く違う。
どちらかというと中東っぽい人が多かった。
フィンランドなのに違う国に来たみたいな感覚。
まだ真っ昼間なのに夜の雰囲気のある通り。
大雨だし、夜っぽく薄暗いし、中東の異国感が溢れていて心細くなる。
遠くに行く元気もなく、スーパーのすぐ横にあるピザ屋さんへ。
よくわからないけどシーフードピザを頼んだら巨大なピザが到着した。
ヒェ!
そして頼んだ覚えもなかったけど、コーラが付いてきた。
ピザとコーラ…絶対に普段オーダーしない組み合わせだけど、食べたらめちゃめちゃ美味しかった!
ピザとコーラ、合いますねえ。
10年ぶりくらいに飲んだわ。
後から気づいたけど、このエリアでは人気のお店っぽい。
マップで見ると近くにモスクもあるし、スーパーもアジア〜中東系の食材が揃っている。
ムスリムの方が多いエリアなのかもしれない。
街を歩くとGoogleに載ってない店も多い、と、後から気づいた。
やはり街を歩かないとわからないね。
検索が役に立たないという、新鮮さを感じる時間。
一旦家に戻ってから、小雨になってきたのを見計らってバスでお出かけすることに。
フィンランドへ来て初めてのバス乗車。
電車と同じHSLアプリで行けるので手続きは簡単。
昨日、ホストに湖に行きたいといったら近くに静かで良い湖があるよ、と教えてくれたのでこちらへ。
どんどん街から離れていく。
ヘルシンキではずっと中心地にいたので背の高い建物しか見たことがなかったのだけど、森に近づくにつれてかわいい一軒家がたくさん見えてきて興奮。
どのお家もお庭があって、黄色やピンクのパステルカラーの壁で、森の中にポツンポツンとあって、とても素敵だった。
一番最寄りのバス停で降りて、ここからは少し歩く。
そもそも乗ってる人もほとんどいなけりゃ降りる人もいないし、道にも誰もいない。
まあまあな郊外に来てしまったな、と思って、心細くなった。
まだちょっと雨降ってるし。
雨上がりの森。
どこもかしこも、白樺と、野花でいっぱい。
勝手に妄想していたフィンランドの森の雰囲気で少し心躍った。
でもそれにしても人がいなさすぎて、かなり心細くなってきた。
私の友達はスマホだけ。
Googlemapに全てを賭けて、誰もいない道を歩いていく。
なんか、遠くにきちゃったなあ、と思う。
誰もいない場所に一人きり。
日本だったら怖くないのかなぁ?
一時期、山に登っていたことがあった。
ちょっとした野山でも道から外れるとすぐに遭難する可能性がある、と、いつも山に行く時は自分を律していた。
このヴァンターエリアの森はちゃんと舗装された道路があるし、開けた場所ではあるから遭難はありえないけど、なんとなくふと、ずっと誰にも出会わなかったらどうなるんだろうな、と思ったりした。
GoogleMapって本当に正しい?とかね。
心細くて、半泣きだった。
しばらく歩くと、急に広い道に出て、初めての人間に出会えた。
自転車に乗ってる人が多い。
人気のサイクリングコースかもしれない。
と、呑気に歩いていると、おかしいな?と思うくらいに自転車が多すぎるし、むしろ自転車の人しかいない。
めちゃくちゃ早いスピードで向かってくるので危ない。
引き続き半泣きで歩いていると、途中でネオンカラーのベストを着たおじちゃんが慌ててこちらに向かってきた。
なんと私、トライアスロンのルートに知らずに紛れ込んでたらしい。
え、なんで。笑
警備のおじちゃんが優しく捕獲して誘導してくれた。
北欧では私は身長も低くて華奢なせいか、子どもに見られる傾向にある。
半泣きの私の頭をおじちゃんは「よしよし」と撫でてくれて、「どうした?どっからきたんだい?迷っちゃった?どこに行こうとしてるんだい?」という小さい子をあやすような優しい雰囲気で迎えてくれて、余計に泣けてきた。
GoogleMapを指さしながら、ここの湖に行きたいんだけどと伝えると、途中まで一緒に歩いて案内してくれた。
やっと湖に着いた!と思ったら、めっちゃくちゃパリピな音楽が大音量でドコドコ流れていて、スポーツウエアの人たちが集っていた。
まさかトライアスロンのゴール地点が湖とは。。。
静かで美しい湖をイメージしてたのに、日本のビーチかと思う賑わいで、かなり場違いな雰囲気ではあったけど、せっかくきたのでそれも含めて楽しむことに。
大会を横目に湖の周りを歩く。
少し離れると急に静かに、しっとりとした森の雰囲気に囲まれる。
ここはスモークサウナもあるからか、水着で湖に入ってる人たちもいる。
とてもいいね。
ひんやりとした空気が本当に気持ちいい。
奥の方に行くと、音楽も聞こえなくて自分だけの空間が広がっていた。
そうそう、こういう場所に行きたかったのだ。(行けた!)
多分7月になればこの森もベリーが採れるようになるんだろな、と想像しながら、森の散策をする。
十分楽しんだので、明るいうちに帰ろう。
帰り道も自転車たちに紛れ込まないように、警備の方に正しい道を聞くと「ランナーと一緒の道でいいよ」と言われ、ランナーと一緒にコースを歩く。(いいんだ…!)
フィンランドといえば森と湖。
国土は日本くらいあるらしいけれど、その7割が森林。
しかも湖は、19万個くらいあるらしい。(!)
美しい花々が雑草レベルで生えてるし、白樺は雰囲気が良いし、雨上がりで葉っぱがキラキラ。
行きの心細さとは真逆に、来てよかったな〜という充足感でいっぱいになる帰り道。
だけど。
ふと、充電がなくなりそうと思ってバッグをのぞいてみたら、モバイルバッテリーがないことに気づく。。。
見知らぬ土地でスマホの充電がなくなるほど恐ろしいことはないですよね。
バス停までの道を頭に入れて、そっとスマホをポケットにしまい、黙々と歩く。
とりあえずバス停に着いて安堵。
スマホが使えないと翻訳もチケット買うのもマップ見るのも検索も何もできなくなってしまうなぁ。
ビビりながら、少ない充電で行き先のメモをとる。
昔の旅行は地図持ってメモとって、本を片手に出かけたよね。
そんなこと思い出しながら。
っていうか、写真撮ってる場合じゃない!
いつだってTwitter脳なので、充電がなかろうがとにかく記録しておきたい衝動に駆られる。
そしてまたトラブル発生。
温存しておいた充電で満を持してバスのチケットをアプリで買おうとするが、Wi-Fiがうまく繋がらず買えない。
チケット売り場を探すも、森の中のバス停、あるわけがない。
電車の場合はチケットを見せなくても良いのだけど、バスの場合は出入り口で車掌さんにアプリの画面を見せるのが通例っぽい。
チケットがないと、罰金になる可能性がある。
でも買えないので、一か八か乗ってみることに。(謎の勇気!)
とりあえず車掌さんにカタコトの英語で「Wi-Fiが繋がらなくてチケットが買えない、クレジットカードではダメか?」と聞くと、怪訝な顔で「もういいから乗れ!」と言われた。
合意の上、無銭乗車となった。Kiitos!
どうにかおうちの最寄りバス停に着いた。
もう私は充電がなくても余裕です。
スーパーに寄って、夕食になりそうなものを購入。
無事、おうちに到着。
晴れていて気持ちいい。
アパートから見える景色が本当に良い。
ムーミンに出てくるような大きな木(マツ?トウヒ?)がシンボリック。
ホストはまだいないけど、電子レンジや食器の利用はオッケーとのことでレンチンして夕食を。
ミートボールとマッシュポテトの組み合わせはスウェーデンの伝統料理だけどフィンランドでも愛されてる。
美味しい!
あと関係ないけど、ズボンの中にでかくてふわふわの蜂みたいなの入ってた。。いや、なんでそんな中の方に。。
森から連れてきてしまったらしい。
叫びながら脱ぐ。
なんだか今日は冒険したなあと思う。
大雨の中の中東風のスーパー。
どでかいピザとコーラ。
初めてのバス。
トライアスロンのコースに侵入。
湖と森の美しさ。
充電がなくなるピンチ。
服に蜂が混入。
楽しかった気持ちと、ぐったりと疲れた気持ちと、なんだか強くなった気持ちと、全部ぐちゃぐちゃになりながら、荷物をまとめてシャワーを浴びて寝た。
明日は朝の4時半頃には出発しないといけない。
空港までホストに車で送ってもらって、スウェーデンに向かうのだ。
それにしてもホストが帰ってこない!
明日の時間、本当に大丈夫?
忘れてない??
続きはこちら。
自分が楽しいことをしてたらうっかり周りも楽しくならないかな?という気持ちで活動しています。応援してもらえるととても嬉しいです!