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赤井葵
2023年10月6日 15:02
「あ、アルファ?」 星野瞳はカゴいっぱいに花を敷き詰めて抱きかかえ、街を歩いている。道は殺風景で、植物一つもなく、金属で作られていて無機質だ。建物は機械仕掛けで歯車が回っている。街の中央には大きな時計塔が聳え立ち、その大きな建物も大小様々な歯車で動いている。 その時計塔の傍では唯一知っている機械人間。確かアルファと呼ばれていた。その影に気づき、近づいてみる。 相変わらず、紙が大好物のようで紙
2023年10月4日 21:10
「いらっしゃいませー!」 家に帰ると、早速嗅いだことのない芳醇な香りが鼻をくすぐる。と同時に、星野瞳の明るい声が出迎える。「え?」 見ると、見慣れているはずの自身の家が、小さな花屋になっていた。殺風景だった壁には華やかな花が鎮座している。大小様々でカラフルになっていた。芳醇な香りはこの花達から香ってきているのだろう。 おそらく初めての表情をしているだろう。驚きと困惑がないまぜになっている。
2023年9月30日 17:02
目の前の女性は、机の上に置かれたココアを見つめて動かない。 俺の隣ではアルファがこれでもかと紙を食べ続けている。時折、紙片が飛び散って、俺のココアの中に様々な色をした紙屑が入っていく。さりげなく女性の方のコップ上に手をかざしておく。 機械仕掛けのカフェは音楽もなく、紙が破れる音と機械音しか響かない。 カチッカチッカチ……。 心地よい音が、今では煩わしく思う。 女性は言葉を発するでもな