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機械仕掛けの街【有料】

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この街は機械で動いている街。 住んでいる者も機械人間。食べているものや生活も普通の人間とは違う。 その中で唯一の人間である「俺」はそんな機械人間から「人間様」と呼ばれている。 こ…
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#連作短編

機械仕掛けの街5

機械仕掛けの街5

「あ、アルファ?」
 星野瞳はカゴいっぱいに花を敷き詰めて抱きかかえ、街を歩いている。道は殺風景で、植物一つもなく、金属で作られていて無機質だ。建物は機械仕掛けで歯車が回っている。街の中央には大きな時計塔が聳え立ち、その大きな建物も大小様々な歯車で動いている。
 その時計塔の傍では唯一知っている機械人間。確かアルファと呼ばれていた。その影に気づき、近づいてみる。
 相変わらず、紙が大好物のようで紙

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機械仕掛けの街4

機械仕掛けの街4

「いらっしゃいませー!」
 家に帰ると、早速嗅いだことのない芳醇な香りが鼻をくすぐる。と同時に、星野瞳の明るい声が出迎える。
「え?」
 見ると、見慣れているはずの自身の家が、小さな花屋になっていた。殺風景だった壁には華やかな花が鎮座している。大小様々でカラフルになっていた。芳醇な香りはこの花達から香ってきているのだろう。
 おそらく初めての表情をしているだろう。驚きと困惑がないまぜになっている。

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機械仕掛けの街3

機械仕掛けの街3

 目の前の女性は、机の上に置かれたココアを見つめて動かない。
 俺の隣ではアルファがこれでもかと紙を食べ続けている。時折、紙片が飛び散って、俺のココアの中に様々な色をした紙屑が入っていく。さりげなく女性の方のコップ上に手をかざしておく。

 機械仕掛けのカフェは音楽もなく、紙が破れる音と機械音しか響かない。
 カチッカチッカチ……。
 心地よい音が、今では煩わしく思う。
 女性は言葉を発するでもな

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