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【読書】これが本当の「歩く」ということか

本日の一冊
「歩く」
ヘンリー・ソロー(著)、山口晃(編、訳)
ポプラ社

ソローはひとりでした。それにひかれて彼の本を読んでみます。

あとがきより

 歩くことが好きです。
 特に今の季節は歩くのにもってこいです。
 夏の分を取り返すように朝からいそいそと出かけていきます。
 歩く理由は時と場合によってさまざまで気晴らしだったり、考えごとをするためだったり、運動不足解消のためだったりします。

 「森の生活」でも知られる著者ヘンリー・ソローは自らの建てた湖畔の小屋で暮らしながら、草原や森といった自然に自らを浸してます。
 彼が言う「歩く」とは、家族を置き去りにしてでも進むような、冒険的な歩行です。
 彼が歩みを進める場所は草地や沼沢地、森であり、多くの人が行く街道ではありませんでした。
 ソローはこの自然界を歩くことで豊かな精神土壌が育まれるのだと語ります。

しかし、まだすべての場所に足を運んだわけではありません。今まで気づかなかったまったく新しい眺望にめぐりあえるのは本当に幸せです。

 何年ものあいだほぼ毎日歩き続けたソローでさえ、そう言います。
 「新しい眺望」に出会う幸せは散歩のアマチュアである私にも理解できる感覚です。
 どう頑張っても世界に広がるすべての道を歩くことはできません。そのことを考えるとそのスケールに気が遠くなります。ひょっとすると、自分が暮らす小さな町だってくまなく歩くのは難しいことでしょう。
 それでも、なるべくまだ見ぬ道を選んで「まったく新しい眺望」との出会いを果たそうとします。

 本を読みすすめながら、ソローの歩いてきた道を辿っていると最後には込み上げるものがありました。

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