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おうちを買った話

私は約10年ほど前、ふと思い立ちマンションを購入した。

それは突然のことだった。
マンションよりも戸建派だったし、まさかそんな気持ちになるとは思いもよらなかった。
当時は1DKの賃貸マンションに住んでいた。そこに引っ越してからも10年近く
経っていた。当初は学生時代の友人が結婚してそのマンションの近所に住んでいたので、遊びに行きやすいからという理由で、そこに決めて住んでいた。
月日は経ち、その友人も他の地方に転勤していまい、知り合いもいなくなって
しまっていた。
合わせて会社まで通勤が1時間ちょっと。駅からも徒歩10分を超えていた。
20代後半では平気だった通勤時間が、30代後半になるとだんだんと
しんどくなってきた。仕事の責任が徐々に重くなってきたこともあるだろう。

次に引っ越すのであれば、会社にもっと近いところがいいかな・・・
でも賃貸だったら、同じくらいの広さでも、
都会になるともっと高い家賃になってしまうな・・・・
1DKでも10年も住むと、どんどんとものが増えて今や狭くなってきたな・・・
そう思った時に、ふと出会ってしまった魅力的な間取りの分譲マンション。

分譲マンションに住むなら角住戸がいいというのが私の漠然とした希望だった。
でも角住戸は、だいたいファミリー世帯向けの広い面積の間取りが多く、
その分、お値段もそれなりにする。

そんなところに、程々の広さで2LDK角住戸で、小さいけれども各方角に窓のある
風通しの良さそうな間取りの分譲マンションを見つけてしまった。

当時は、新幹線で約2時間ほどの距離に離れて暮らしている両親は共に元気だったのだけれど、今後、もし万が一どちらかに何かあったら、このマンションで一緒に暮らしてもいいしと思った。

なにせ、うちの両親は
人よりも声が大きい父親と人よりも音に敏感な母親が夫婦になっているもんだから
今後一緒にマンションに住むと仮定すると、生活音に配慮ができる間取りはベストだった。

それに合わせて、田舎の風通しの良い一戸建てで育った私は、今まで住んでいた
賃貸マンションの1方向にしか窓がなく、ある意味、機密性が高いのはいいの
だけど、風の通り抜けが悪いことが、いかんともしがたいなんとも言えない
感じがあった。
そんな時にあらゆる方角に窓がある間取りに私は魅かれてしまった。

そうすると人というのは不思議なもの。
誰かを好きになっていく過程と一緒で、このマンションは自分にあっている、
今買う方がいいという理由を次々に見つけていってしまうのだ。

そうして、今のマンションに出会って2ヶ月で購入してしまった。
人生最大の最高額の買い物だというのに、買ってしまう時はそういうものなのだ。

今買う方がいいという理由の一つに、不動産関係の仕事をしている友人から
これからマンションの価格は上がっていくからというアドバイスもあって、
実際、そのアドバイスは今現在も正しかったと言える。
その友人には感謝しかない。

マンションを買うという行為は実に楽しいものであった。
どんな家具を置こう・・・
どんな照明にしよう・・・
どんなカーテンにしよう・・・
出費はそれなりにあったけど、それを超えるくらいのワクワクすることが
あった。ちょっと前に流行ったプライスレスという感じ。

今思い出しても、当時はとても楽しかったな。
それなりに大変やったけど充実していたなとしみじみ感じてしまう。
当時のことは、また別の日に詳しく記そう。

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