散歩して反省会
こんにちは。きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂、店主の音海奏乃です。
今回は、久しぶりに(ほぼ)一人で心ゆくまで公園のお散歩を楽しんだのち、反省会……というお話。
介護や家事をしていると、なかなか一人になる時間というのがありません。なので自分のペースで散歩して、自然を感じたいなと思っていたところ、そこに訪問リハビリが。
そんな、訪問リハビリのついでに、お散歩をし、反省会を開くことになったた、というお話です。
リハビリの名のもとに
要介護者は、訪問リハビリのサービスを受けているので、指定した曜日・時間になると、担当者が来てくれます。
以前は私が緊張していたことや要介護者に体力がなく、なかなか外でリハビリをしようとは提案できませんでした。
しかし最近、要介護者が自分から「担当者と公園でも行くか」と言い出したので、事前に担当者にその意思を伝えました。担当者と相談して、公園へと行けることになったのです。
なかなか外に出にくい時期ですが、近所に公園があり、屋外だということで、私も同伴して、公園へ向かいました。要介護者が心配だから、ということでついていくと言ったのですが、本当のことを言うと、私もお出かけしたかったのです。
住んでいる地域は、季節の変わり目で鳥や植物が少しずつ、でも確実に変わっていきます。なので、それを自分の目で、耳で、五感を使って感じたかった。
ちょっぴりわがままかも知れませんが、たまには許されるかな? なんて思いながら、2人の後ろをついていきました。
いざ、自然観察!
そんなわけで、自分の目的達成と要介護者の希望達成というWin-Winの条件で(?)近所の公園まで来ました。
私は初めから、自然観察がしたくて、そわそわ……。その公園には以前も1度3人で来たことがあり、どんな場所かは知っています。
なので、公園につくなり、
「じゃあ、私は公園で遊びたいので、リハビリお願いします!」
と言ってしまいました。
あまりにも素直すぎる本音に、担当者も呆気にとられたような表情に。ちょっと驚きつつ、あきれつつ、許してくれました。
ということで! 二人を見送った後は、お楽しみの自然観察タイムです。本当なら、金木犀の咲いているころに行きたかったのですが、今年は不思議な咲き方をしたため、なかなか予定が合わず……。
金木犀は諦めて、大好きなエノコログサを探したり、まだ咲いているお花を探したり、時々立ち止まって葉擦れの音に耳を傾けたりしました。
そうすると、なんだか懐かしい感じがして、とてもリラックスできました。危うく、リハビリで来ていることを忘れ、2人を置いて自然観察に没頭しそうになるほど、久しぶりに自然を堪能したのです。
はっと我に返り、待ち合わせ場所にしていた地点へと少し早足で戻りましたが、まだリハビリ途中。なので、その地点から離れず、鳥のさえずりに耳を傾け、聞いていました。
リハビリ終了、いざ帰宅
おうちに帰るまでが遠足、おうちに帰るまでも、リハビリ。
無事に私が自然を堪能している間にリハビリが終わったようなので、そこからはゆっくり帰路に就くことになりました。
帰り際、「今日は晴れてよかった」と呟くと、担当者の方は「リハビリにもぴったりな天気でした」と言いました。その答えにつられて、「自然観察をしたかったので、それができてよかったです」と言ってしまいました。
あっ。
まずい。
そう思ったのですが、出た言葉は戻りません。彼は私の自由さに笑いながら、「最初からそう言ってくれれば。娘さんが行きたいなら、今度からいつでも行きますよ」と言われてしまいました。
返す言葉がなく、自由に振る舞いすぎたことを痛感しました。
本来、リハビリをはじめとした福祉サービスの提供者は、利用者の意見を最優先にします。つまり、利用者の家族という立場でしかない私が、担当者にこの言葉を言わせてしまったということは、調子に乗ってはしゃぎすぎた証拠です。
反省。
彼は「近所でも、出かけるのは気分転換になっていいですよね」とそのまま言葉を続けてくれたのですが、とりあえず恥ずかしくてウサギの巣穴を貸してほしかった……。
(≡・x・)<あんたに貸す巣穴なんてないわよ
彼がそう言ってくれたのは、きっと、優しさからです。3年の間に、私の変化を見てきたからでしょう。週に1度とはいえ、介護が始まって辛かった時も、少し自分らしさを取り戻しつつある姿も、見てきています。
そういう意味では、親戚のお兄さんのような感覚で見守ってくれているとも言えます。けれど、仕事としては、彼にいらぬ迷惑をかけてしまいました。
最近、やっと自分らしくいろいろなことを前向きに捉えられるまで戻ってきた、と思ったら、いきなりやらかしましたね……。
反省は成長の元
そうしてリハビリは終了したのですが、何とも言えない気まずさが、自分の中に残っていました。
次は、余計なことを言わないようにしよう。
相手の言葉に甘えすぎないようにしよう。
頼ること、甘えることは、必要なことです。
けれどその状況に甘んじて、羽目を外したり、自分本位に振る舞ったりするのはいけません。
もともと子供っぽい性格といわれるくらいで、好奇心が取り柄な私。慣れるまでには時間がかかりますが、一度心を開くと相手についつい甘えそうになってしまいます。今回は、相手の優しさに、完全に油断してしまいました。
あくまでも相手は、仕事で来ている。頼っていいのは、介護のことだけ。
そう、再確認することになった、リハビリと散歩でした。
きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂
音海奏乃
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