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IPOに向けて管理部メンバーの定着に必要なこと


ご覧いただきありがとうございます。
私は100人程度のスタートアップ企業で人事・労務管理を担当しています。
事業の社会への浸透を目指す方のバックオフィスをアシストするのが自身の目標です。
そのためにこのnoteでは少しでも役立つ情報の発信を目指します!



IPOを目指すときの多い悩み


IPOを意識したとき、経理については会計監査、給料計算については労務DDなど、経理や総務を取りまとめて行っている管理部人員が不足する会社が多いかと思います。
私もIPOを目指して取り組んだ会社に2社ほど在籍しましたが、2社とも同様の状態がありました。
どのようにしてこの問題を解決するかを体験談を交えてご紹介できればと思います。

どうやって管理部メンバーを集めるか


メンバー採用の入口については、それほど難易度が高くない印象です。
標準的な勤務時間や給与総額を求人票に記載すれば、一定数の応募はあることが多いです。
理由としては、管理部の業務は経理や労務管理など、どの会社でも業務内容が似たよっているため、そこでの障壁はあまりありません。
また、昨今のエンジニアのように給与水準がとてつもなく高くなっているということもなく、時給換算したら最低賃金+αだとしても、横並びの企業が多く、比較的応募を集めることができる印象があります。

ただし、応募があったとしても、入った人が定着するかどうかは別になります。定着が難しい理由について、下記で紹介します。

管理部のメンバーが定着しない理由


①社長と話ができるレベルの人がなかなか来ない
IPOを目指す会社では、やはり社長のレベルが高い企業が多いと思います。
大手企業で成果を出して起業をされた方や、大学院まで進み自身の研究を行ったうえで事業として社会に貢献したい、といった方など、能力も想いもとても高い人が多い印象があります。
それに比べると、中途で管理部のメンバーを募集すると、一般的な大学や高校を出て、中小企業で総務や経理を数年行ってきた方が応募します。
大手の管理部門にいた人が中小の管理部にくるのはまれです。
大手の企業ではたとえ会社がブラックと言われていても、管理部門は定型業務が多く対顧客の業務も少ないため、ホワイトな会社が多いです。

社長が優れていると、日々の業務でその能力や想いの差はすぐに感じることが多いと思います。その違和感を感じたうえで、一緒に行うのは、日本の社会や世界に焦点をあてたVISIONを持つ社長にとっては、なかなか難しいと感じます。

②目標がわからない業務が多い
IPOを目指す中で特にやりとりが多くなるのが監査法人や監査役です。
IPOを目指す前に通常行っていた業務に対して、指摘を受けることが多くなります。
契約書や請求書の管理も細かく行わないといけなくなります。
勤務時間の管理では1分単位で残業代の未払いが発生していないかチェックされます。
そのための資料をそろえたり仕組みを作ろうとすると、「そこまでやる必要あるの?」「それをすると管理部側は大変になるんだけど?」みたいな意見があがってきます。

そうすると、どこの会社でも基本的な業務は同じ、給与も同水準の会社が採用情報を探せばいろいろあるため、転職したくなってしまいます。
なかなか定着がしない、という状況が発生してしまいます。

定着するために大切なこと

そこで、こういった管理部メンバーが定着するために、自身で効果があったことをまとめたいと思います。

①成長できる機会があると誰でも楽しい
私が経験した事例です。
高卒で見た目が華やかで、とても管理部に向いてなさそうな女性が入社しました。(個人的には受付嬢を担当してほしいイメージの方でした笑)

そのため、入社当初はPCの基本的な操作もままならなかったのですが、ある時から活き活きして仕事をするようになっていました。

そのタイミングは、仕事を任されたときでした。
私の手が回らなくなってきたため、ある業務を社長の指示で彼女に依頼しました。依頼した当初はマニュアル作りや、つきっきりで教えることで、むしろ私の業務時間はかなり膨らみました。。
でも、2か月ほど過ぎたころに、「こんなやり方どうですか?」と彼女のほうから提案してもらえるようになりました。
そのころから彼女の前向きに仕事がしたいという想いを感じることができ、私も安心して任せられるようになり、定着してくれそうだな、ととても感じました。

②細かい質問に答え続けると信頼感が生まれる

特に女性に多い印象がありますが、入社ばかりのころに関わらず、経理などを行う管理部に入社する人は細かい数字や文章の表現に敏感な方が多いです。
「てにおは」一つをとっても、文章があいまいになることが多いためどちらがよいか考えこむ人もいます。
それらのメンバーの作業が止まっているときに声をかけると本当に細かい質問がきます。一つ答えてもどんどんきます。
でも、一定数答えると、細かい質問というよりは、あると助かる改善案を伝えてくれるようになります。
例えば、資料が読みづらい時に、当初は「ここってなんでこの表現なんですか?」と当てつけかな、という質問が来ます。
でも、ある程度信頼関係があると、「ここの表現はこうしたほうがいいと思いますがどうでしょうか?」と言ってくれるようになります。

細かいことに気づける方は相手の気にする範囲を気づくのも得意です。
そのため会話を続けていくと、相手の心地よいラインを理解して意見をいってくれるようになります。
それも定着につながると考えています。

安心と成長をいかにつくるか

心理的安全性が注目を浴びていますが、やはり信頼関係があり、ここで自分が成長できると考えられると、いきいきと仕事ができるようになると考えています。
そのような機会をいかに既存のメンバーがつくっていくかが大切かと思っております。
そして、それを提供できる既存のメンバーが多くなることが、頭のいい社長にもチームとして話ができる管理部門に育っていくと思っています!


ご覧いただきありがとうございます!
このnoteでは、起業をされたり、これから事業の推進に取り組みたい方に、管理業務やマネージメント、モチベーションの向上などの組織運営について、情報を発信できる場にできればと思います。
ぜひコメント等お願いいたします!




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