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うまく出来なくたって

学生だった頃、部活やサークルで楽器をやっていたのですが、社会人になってからめっきり触れる機会が少なくなってしまいました。

振り返ってみれば、中学は吹奏楽でトロンボーン、高校は合唱(楽器?)、大学ではオーケストラサークルでトランペット、習い事ではドラムと、色んな楽器に手を出していました。

でもその分、技術を極める前に終了してしまっているので、中途半端というか器用貧乏状態です(笑)


楽器の世界って、時々、飛び抜けてセンスがある人が現れませんか?

あまり練習してないのになぜか上手いぞこやつ……!

という類ではなく、なんと言うか、そもそもその人がその楽器にとてもしっくりきているというか。
前提として、楽器と相思相愛な感じがする。

そして、決まって日々の練習も怠らないので、もうめちゃくちゃ上手い。

中学、高校、大学と舞台が変わっても、必ずそういう人がいました。

私は、学生時代とにかくそちら側に行きたかくてしょうがなかった。

だって、とってもかっこよかったから

その人にとっては、楽器を練習することはもう鍛錬の域を越えているのかもしれないけれど、日々楽器と向き合う姿勢にも憧れたし、楽器の音色や演奏のモーションそのものも完璧で。

聞いている人の心を打ってくる。

部活やサークルといえども、同じ楽器の世界にいるのなら、私もあのようになりたい……!!

と、わりと練習を頑張ってました。

楽器持って帰って家でも練習したり、父が金管楽器やってたので教えてもらったり。

でも学生時代の楽器生活を振り返ると、私はいつもどこか苦しかったような気がします。

もちろん、部活やサークルの活動自体はめちゃくちゃ楽しくて、良い仲間にも恵まれて、今のところ人生の中で一番楽しい時間でした(笑)

でも、

「こんなんじゃ全然だめだ」

「もっと上手くなりたい。もっと練習しなきゃ」

という思いに囚われすぎて、どんどん完璧主義な方向へ向かっていく自分がいました。

そうなると、シンプルに、楽器を演奏するのが楽しくなくなってしまって。

特に、大学時代には、楽器を初めて触る人ともたくさん出会い、そういう人がどんどん上手くなっていく姿に焦りを感じていました。

そんな小さな自分が嫌になってしまい、
「そもそも私、本当に楽器が好きなんだろうか」とすら思うようになってしまった。

今まで頑張って積み上げてきたアイデンティティを他でもない自分自身で崩してしまうという、なかなか辛い状況でした。

今思えば、大学時代は別に「全国大会目指すぞ!」というサークルな訳でもなかったので、もっと伸び伸び気楽に楽しめば良かったなぁと思います。

そんなこんなで、学生時代の部活の思い出は、総じて”めちゃくちゃ楽しかったけど、同時にちょっぴりほろ苦い記憶”として残っています。

でも。

ここ最近、また何かに没頭する時間が欲しくなってきて、最初に出てきた気持ちは「久しぶりに楽器をやりたい」というものでした。

懲りないですが、学生時代、ステージを変えても楽器を続けていたのは、やっぱり音楽が好きで、楽器が好きだったからだと思います。

だから、また新たな気持ちでやってみたい。

今度は、学生時代に陥ってしまった思考にハマらないように、

「うまく出来なくたってOK」

「楽器を演奏している時間を楽しむことが一番」

と、自分に言い聞かせながらやってみようと思います。

楽器に限らず、何でもストイックにやろうとし過ぎて楽しくなくしてしまうのは私の悪い癖。

でも、人生もっとゆるっと楽しい部分が多くたって良いのでは?と最近感じ始めました。

これからは、もっと”気楽に楽しむ”ことを自分の中に取り入れていきたいなと思います❁

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