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フランスの温泉地ヴィシーが世界遺産に!

世界遺産登録申請してから9年の歳月を経て、21年7月24日(土)やっとフランスのヴィシー(Vichy)をはじめとする「ヨーロッパの大温泉保養都市群」がユネスコ世界遺産に登録されました!

今回の世界遺産登録の詳細は、フランスだけではなく”ヨーロッパ7か国で共有”、分類は文化、そして、フランスは構成11都市のうち1件(ヴィシー)を保有で登録されました。

世界遺産登録された7か国11か所の温泉の街

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photo : 世界遺産に登録された11か所の温泉療養地

フランス
• ヴィシー
ドイツ
• バート・エムス
• バーデン・バーデン
• バート・キッシンゲン
オーストリア
• バーデン・ベイ・ウィーン
ベルギー
• スパ
イタリア
• モンテカティーニ・テルメ
イギリス
• バース
チェコ
• フランツェンスバッド
• カルロヴィ・ヴァリ
• マリエンバッド

遺産委員会によると、7か国の異なる街ですが、鉱泉を中心に発展しており、この鉱泉が治療、療法、娯楽など社会的に影響を与え歴史を刻んできたことが認められ、今回の登録に至ります。

ヴィシーの温泉源の動画


温泉療法とは、温泉に入浴、あるいは飲用、吸入することなどによって体調を調え、傷、疾病などを治療する医学的見解に基づいた医療法です。

古くから日本に伝わる湯治と同じく、温泉宿に長期滞在をして温泉の効能によって体調を整え、病気治療や療養する場所です。

フランスでは、国に認証されている治療なので、21日間の滞在費、治療費に対して健康保険がききます!


世界遺産登録申請の動画 ヴィシー(Vichy)

20年ぶりに、ヴィシー(Vichy)へ

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photo :  20世紀初頭に登場したアールヌーボーとベルエポック
1903年に建設された建築家シャルル・ルクールの設計による1482席の「パレ・デ・コングレ・オペラ」は、歴史的建造物に指定されています。オペラ劇場の装飾は、金、象牙、黄色で統一された素晴らしい劇場です。

今回私は、20年ぶりにヴィシーへ行きました。

1940年から44年までの4年間フランスの首都だったヴィシー、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、そしてネオ・ビザンチン、ネオ・ゴシックの建築物が建ち並ぶ素敵な街並みは、全然変わっていませんでした。

しかし、天気が良いのに街には活気がなく、観光客も少なく、寂しい街になっていると感じました。

20年前は、温泉治療の客と観光客であふれていたのを覚えています。

世界遺産に登録されたことをきっかけに、以前の活気を取り戻してもらいたいものです。

ザ・ヴィラ・シュトラウス

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レストラン「ラ・ヴェランダ」

1858年に建築家ユーグ・バティヤによって建てられた、現在のアレッティ宮殿のレストラン「ラ・ヴェランダ」

ここは、アルザスのユダヤ人家庭に生まれた作曲家で指揮者のアイザック・シュトラウス(リヒャルト・シュトラウスとは関係ありません。)の家でした。

ナポレオン3世は腎臓結石や肝臓の治療のためにヴィシーを選び、1861年と1862年に自分の邸宅を建てるまで2回滞在しています。

ヴィシーとナポレオン3世

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ナポレオン三世が住んでいた邸宅

1861年からナポレオン3世の影響を受けてヴィシーは、温泉の街として本格的に有名になっていきます。

ナポレオン3世が温泉療養するようになり、滞在するたびに街の開発を進めていったことから、その後、スパリゾートの街として栄えていきました。

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ヴィシーのガイドは、 ナポレオン3世の時代のコスチュームで街を散歩しながら観光客へガイドを行っています。

フランス菓子 ヴィシーのパスティーユ

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1825年にフランス菓子、ヴィシーのパスティーユ(pastilles Vichy)が登場します。

ヴィシーのミネラルウォーターの主成分である炭酸水素ナトリウムの消化促進効果を初めて発見したことから生まれました。

"ヴィシーの水を使って作られ消化に良い"ことで知られているフランス菓子です。

白くて八角形のパスティーユには、表面に「VICHY」、裏面に「Etablissement thermal」と刻印されています。

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ヴィシーのパスティーユは、お土産にお勧めなフランス菓子です。


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