【一首評】押し入れの内側で見る光のようしぜんとあそぼのテーマソングは/海吉行平
たとえばこの歌。
ここで言う「SASUKE」とはテレビ番組のことで、ざっくり説明すれば芸能人や公募から選ばれた視聴者が巨大なアスレチックに挑戦するという内容のもの。歌は最初、SASUKEの挑戦者視点で進んでいく。「ずんずん暗くなる」という描写は、単に視覚情報だけでなく、ステージをクリアしようとする挑戦者の緊張まで伝えている。しかし、歌は一字空けののちに一転し、視点がテレビの外の人物のものに移ってしまう。
没入感と疎外感といった相反する心理状態が、歌の中に同居している。