目玉注意 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』感想

 当然ですが、ネタバレがあります。感想というか、苦手な人注意くらいです。
 
 Does the Dog Die? という映画に関する質問サイトがあります。タイトルの通り、映画の中で犬が死ぬかどうかなどのユーザーが質問を投稿し、同じく利用者が回答するというものです。質問は犬に限らず、たとえば、"Are there bugs?"(「虫はでてきますか?」)や"Is someone tortured?"(「だれか拷問されますか?」)など、それぞれが持っている映画でみたくない描写や状況の有無をチェックすることができます。みることができない描写があるから、安心して映画がみたいというニーズに応えているようです。

 私には苦手な描写があります。グロテスクなシーンはおおむね無理で、暴力描写のある映画は、結構なストレスを抱えながらみています(それでもみたい)。そのなかでも特に眼球に関わるものが嫌いです。眼を抉られる。眼窩を貫く。眼が飛び出る。ぜんぶ無理です。普段から、先の尖ったものが目に刺さったらどうしようとか、目がごろごろするだけで、このまま取れてしまうのではないかとか不安になります。
 その点で、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023年、東映アニメーション)はおなじように目玉に苦手意識がある人は、覚悟してみた方がよい映画かと思います。この映画に登場する一族のほとんどが惨い死に方をするのですが、みんな貫かれたり、烏に啄まれたりと眼球を抉られることになります。特に長女・乙米の最期とかは、いちばんみたくなかった。目玉に関する不安のオブセッションをぜんぶアニメにされた気分でした。
 そもそも、鬼太郎は墓石で目を潰したわけだし、目玉おやじは元の身体から腐り落ちてきたわけだから、眼球恐怖症としてはあまり安心してみられるはずがなかったのです。2007年版のアニメシリーズで油断していたよ……。

『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(2023年、監督:古賀豪)

https://www.kitaro-tanjo.com/

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