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第11回 未来のまちづくりミーティング

1月27 日(土)に開催した『第11回 未来のまちづくりミーティング』の様子を、議事録にてご紹介します。なお今回は、主な話題のみを取り上げる摘録の形で紹介させていただきます。

今回は、これまでの「未来のまちづくりミーティング」でも話題になった『地域防災』をテーマに開催しました。高齢世帯も多い養正学区で、災害などが起こった際のいざというときの防災対策をどのように行っていくかという、養正市営住宅団地再生計画に伴う跡地活用への提言にもかかわる問題について話し合いました。

2月24日(土)に、『多文化共生』をテーマに第12回の開催を実施しましたので、そちらもまもなくアップいたします。



今回のテーマ

地域の防災対策について


令和6年1月27日(土) 14:00~

@ 左京西部いきいき市民活動センター サロン

主催:かもがわデルタフェスティバル実行委員会・養正学区各種団体連絡協議会


司会進行:かもがわデルタフェスティバル実行委員会事務局長 杉山準

 この「未来のまちづくりミーティング」は、養正市営住宅団地の団地再生計画に伴う跡地活用について話し合うということをきっかけに、昨年度から始まったミーティングで、これまでに10回行って、昨年、「意見書」をまとめて京都市に提出させていただきました。

今回はその11回目で、「地域防災」をテーマに会を進めていきます。

また、今回の議事録は今までのような詳細な形ではなく、どういう趣旨の発言があったかという、摘録の形でまとめさせていただきます。


開会の挨拶:

養正学区各種団体連絡協議会会長・かもがわデルタフェスティバル実行委員会委員長

浅井吉弘

意見書を出しまして、京都市からは、地域の声を聞きながら跡地活用を進めていくという回答をいただいています。また、市長選があって、新しい市長の方針がまだ分からないので、活用予定エリアに関しての意見交換がなかなか進められない状況です。

さらに、当初、団地の一番南側の出町柳駅に近いエリアの活用計画を早めに進めることになっていましたが、そのエリアを当面、既に始まっている更新棟①と②の建設工事の関係車両の駐車場にすることになって計画が先送りになり、南側の活用予定エリアの活用について急いで決める必要がなくなりました。

そこで、久しぶりに開催する今回の「未来のまちづくりミーティング」は、3月に地域の自主防災訓練が開催されることと、これまでのミーティングの中でも、現状の養正小学校に加えて、大きな災害が起きた際の第二避難所や新たな防災に関する施設が必要という意見もありましたので、活用予定エリアをどのように地域防災に活用するかということも含め、地域防災をテーマにしました。


養正学区における地域防災の現状と課題について

養正学区自主防災会会長 鞍谷秀郎さん

京都は地形的にも恵まれていて、今まで割と災害が少ないことは事実です。ただ、その中でも大きな火災や地震などが過去に何度も起こっています。有名なところでは、400年ほど前に伏見城ができて数年のうちに全壊したということがありました。京都には西山のほうや東側の花折断層などの大きな断層があって、過去には動いた記録もあるそうです。そういうことが実際に今の京都で起これば、今年の元旦に地震の被害を受けた現在の能登と同じような状況になると思います。

ただ、今回の能登の地震の報道を見ていても映画を見ているような感じで、自分のこととして実感が湧かないというのが正直なところです。ですが、避難された方の生活状況を見ていますと、本当に大変な状況だと感じます。先日、消防署の方が能登のほうへ行かれたということでお話を聞きましたが、「京都にいたら想像がつかないことばっかりや」と仰っていました。能登のような状況になりますと、我々だけが考えていてもどうしようもないですが、ただ、災害が起きたときに我々は地元で何ができるか、何をせなあかんかという対策を考えているところです。それを今日は少し報告させていただきます。

まずは、避難所の開設についてです。現在、避難所として指定されているのが養正小学校の体育館だけなんです。そこに実際には200人も収容できないと思いますので、養正学区のみなさんが来られたらとても入りきれないです。実際に災害が起きたら、他の施設も含めて一時避難できる場所を確保する必要があります。

次に、根本的に大事な問題として、大きな地震が起こって初めの3日間程度は避難所の応援に入れないということがあります。能登の場合でも道路が寸断されて緊急物資も運べない中で、余震は引き続き起こっているという状況で、生活に必要な電気やガス、水道などの確保もできませんし、その状態で3日経てば衛生状態もだんだんと悪くなってきますので、そういうことが能登でも非常にお困りだったと聞いております。我々としましてもそういう点を考えて、避難所をどうやって拡張していくかということや、現在養正小学校にある設備や物資などの充実もしないといけないですし、実際に災害が起きたときはみなさん自身でそれぞれ避難できる場所を確保されると思いますので、その支援もしないといけません。

また、特に街中で最近よく問題になっているのが、ペットを連れて避難できる場所があるのかということです。能登でも避難所ではペットを連れて避難できないので、自動車の中とか、家の一部のなんとか雨露を凌げるところを利用して避難されているというようなこともお聞きしており、できるだけ避難所でもペットを連れて避難できるようにしてほしいという要望も出てきております。

あと、家が倒壊したり、一部崩れて下敷きになったりしたときに、周りの方が支援できる状況じゃなかったら、自分たちで手元にある道具でできる範囲で救助に当たらないといけないので、そういうときの救助体制を消防団さんとも協力してつくれるようにしていきたいという話を少しずつしているところです。ただ、ある程度こういうことをしないといけないということがはっきりしていれば対応を考えていけるんですが、どこまでしないといけないかが実際に災害が起こってみないと分からないので、具体的にどうするかという設定がなかなか難しいですが、どこまでやったらできるかということを少しずつ検討していこうとしているところです。

それから、大きな災害が起こったときに病気が発生した場合に、地元におられる方で医療体制を組んでいただける方を見つけておかないといけないです。近くの病院でも遠くから通勤されている先生方もおられますし、地元で開業していただいている先生もおられますので、対応できる方を見つけて、そのときの状況で医療体制を組まないといけないということになります。

あと、もともとお身体が悪く家で療養されている方が避難できるかどうかという問題もあります。大きい災害が起こったときに移動していただくのが難しいケースも出てきます。そういったときのフォローは地域で全員体制でやっていかないとできないと思います。ケアセンターの方ともそういったことについて、お医者さんとも連携してやっていかないといけないなという話し合いを去年ぐらいから始めております。

それともう一つは、食料関係についてです。2年ほど前までは避難所の養正小学校には食料がなかったんです。だから災害が発生したときは区役所から持ってきてもらうしかなかったんですけれども、区役所自体が3日間ぐらいは対応できないということになります。それでは困りますので、養正小学校さんが場所を提供してくださって、食料も少し置かせていただけるようになりました。今は保存食がだいたい3,000食ぐらいあると思います。ただ、3日間でそれだけの食料では、たくさんの人が避難してこられたら足りないので、それに加えて、地域に食料品を扱っておられる業者さんがたくさんありますので、そういうところと提携協定みたいな形ができるようにこれから取り組んでいきたいと考えているところです。大きな災害が起こって、お店のほうもまともな営業ができないという状況になられたときに、逆に食料支援をしていただけるような協定をつくって、災害が起こって最初の3日間ぐらいをクリアできるようにしていきたいと考えております。

もう一つ、避難所を開設したときの衛生問題もあります。今回の能登の地震でも問題になっていましたが、例えば夏などの暖かい時期に災害が起こったらもっと衛生状態が悪くなりますので、衛生状態をどうやって保っていくかということも大きな課題です。これについては、実際に避難してこられる皆様方に協力してもらわないと絶対にできません。実際に避難所で生活されると、身の回りのものを洗濯したり掃除する機会も少なくなりますので、そういう中で衛生状態をどうやって保てるかをみんなで協力して意識してやれる環境を少しずつつくっていかないと、自分は知らんという人が出てくるとそこからいろんな病気が発生して衛生状態が悪くなっていきますので、こういったことも大きな問題だと捉えております。

それと、電気、ガス、水道などが止まると復旧までに相当時間がかかると思います。何年か前に変電所の事故か何かで左京区の広い範囲で停電が起こったことがあるんですが、そのときも修学院のほうでは3日間ぐらい電気が使えなかったということが実際にあったと聞いております。そのエリアの人は当時大変困ったと仰っていましたし、電気だけでもそんな状態ですので、それに水道もガスも使えないということが起こったら我々の生活は大変なことになると思いますので、そういうときにどうやって乗り切るかというのは考えていかないといけないです。現在、養正学区の自主防災会としては、災害用のプロパン仕様の発電機が1台しかないんです。それは実際に災害が起こったときには携帯の充電とか、テレビとか、ラジオとかをつけるための通信関係を優先して使わないといけないので、わずかに照明に使える程度で、暖房に使ったりするのはまず無理やと思います。そういうこともどうやってクリアしていくかも課題です。

今回の能登の災害は本当に気の毒ですけれども、我々としては避難所をどうせなあかんかという部分においては相当勉強になることがたくさんあります。だから、能登の人の支援をすることも大事ですし、我々もその事例を活かして、そういうことが発生したときにどうするかということはみんなで考えていかなあかんと思います。やはり災害が起こったときに一番大事な要素は、東北の大震災でもそうでしたが、地域のコミュニティがなるべく崩れないように復旧できるようにすることです。地域の人がバラバラになってしまうとなかなか元の地域が復旧するのが難しくなってくるというのはどこの方も仰っています。阪神淡路の震災のときもそうでした。避難所からどんどんほかの地域に行かれて戻って来られないと、その地域の人口が減って空洞状態になってしまうということを仰っていました。我々もできるだけ地域に密着して復旧できるようにいろんな準備をしていかなあかんなと考えております。

 他にもやらなあかんことはたくさんあるんですが、現状はこういう段階でまだまだ準備が十分にできておりません。もしもこういう状態の中で災害が起こったら、みなさんとのコミュニケーションがものすごく大事になってくると思います。そこで自分勝手なことを言い出したら避難所の運営は難しいと思いますので、みなさんにご協力いただいてはじめて避難所が運営できると考えております。よろしくお願いいたします。


浅井

行政からは、災害が起こってすぐには消防車とかが助けには行けないよと言われています。京都市が中心になって災害対策本部を立ち上げて、公助として各学区にサポートできるのは3日目以降になるから、それまでは自分たちで生き延びてくれということになります。コロナ禍の前までは避難所の運営も地域の人だけでやらないといけなかったんです。ただ、コロナ禍があって感染者は隔離しないといけないということも起こったので、それからは京都市からも各避難所に1名は配置されるようになりました。

ダンボールベッドも養正小学校には5台しかないんです。介助が必要な人に優先的に使うことになっています。感染症対策で隔離もしないといけないので、その場合は小学校の会議室とふれあいサロンルームの2部屋を用意してくれています。ダンボールベッドは5台しかなくて体育館では使えないと思いますので、その隔離した部屋で過ごしている方に使ってもらうということになると思います。本当はもっと必要だと認識はしていますけども、予算やスペースの都合もあって各避難所にそんなに多く置くことはできないということもあります。

あと、トイレの問題もあります。2年ぐらい前にマンホールトイレが各避難所に設置されました。養正小学校にはそれが4ヶ所分あります。マンホールトイレというのは、自動ではなくて、地下の水槽に水を貯めて、その水を汲んできて流すというものです。マンホールトイレの排水管を京都市の排水管まで伸ばして、ある程度溜まったら流すという仕組みなので、市側の排水管が壊れていたら流せなくなります。

市営住宅が停電、断水したらトイレが使えなくなります。エレベーターが動かない状況で、生活に必要な水は給水車が来て水をもらっても、高齢者の独居の方がそれをたとえば10階まで自分でどうやって持って運ぶのかという問題もあります。そういうところで、お互いに助け合う共助が機能していれば助けてあげられる可能性もあるけれども、普段からコミュニティとして機能していなかったら、普段付き合いのない人にそんなときだけ頼みにくいと思われます。だから普段の付き合いが共助の一番のポイントになってくると思います。


いざという時に役立つ準備や体制づくりについて

防災士 松本紀之さん

 私は宇治に住んでいて、日本防災士機構認定の防災士をしています。介護福祉士として高齢者施設で勤務しながら、市民救命やAEDの普及をライフワークにしています。現在も休みのたびに能登の災害支援に行っています。

先ほど鞍谷会長も仰っていましたが、太閤秀吉の時代に桃山断層で伏見城が倒壊する大地震が起きました。そのときの瓦版で、五条大橋の板が剝がれて欄干から人が落ちるという記録も残っています。今の橋は十分補強はされていますが、基本的に地震が起こったら橋は使えないと思ってください。道路でも、電車でも、高架になっているところは一旦通行止めになります。こういった移動については、避難する場合もそうですし、旅行先で土地勘のない場合や外国人の方が旅行されていて情報が全く入ってこないなどの課題があります。

京都では津波のイメージの実感は湧かないと思いますが、川が氾濫して河川の堤防が決壊すると、かなりの量の水が一気に溢れて陸地に流れていきます。特に病院などの医療機関が失われると自分たちの命を守ってくれるところがなくなるので、そうなると地域力の向上が大切になってきます。

東日本大震災のときは午後2時46分に地震が起きましたが、24時間以上経った翌日の夕方にはじめて避難所で食事が配られました。地域の避難訓練では避難所の受付でお水と乾パンをもらうことがありますが、実際の災害ではまずありえないです。避難所に行ったら絶対に食事はないと思ってください。その認識を持って、非常持ち出し袋にせめて一回分ぐらいは食料や飲み物を持って避難してください。地域で防災訓練をするとみなさん手ぶらで来られるんですが、せめて非常持ち出し袋は用意して、持って参加してほしいと思っています。

今、特に奥能登の避難所は地域住民が自分たちで避難所を運営するという認識が全く浸透していなくて、行政の方が行って、2~3人で運営されているというのが現状です。そこに国や各自治体が応援に行っているんですが、それではなかなか進まないので、自主的に被災者の方が避難所運営をしているというのがニュースになっていました。本来、避難所運営は地域住民が主体で動くもので、そこに支援物資などのニーズを伝える連絡係として行政の方が関わりますが、基本的には地域の方に運営してもらうのが原則ですので、奥能登は少しそういう点では遅れている状況です。七尾市のほうは比較的住民のみなさんが動かれています。家が住める状態で在宅介護、在宅医療されている方は避難できないので、民生委員の方々が積極的に回って支援物資を配られたりしていると聞いています。

熊本地震では震度7の地震が起こった27時間後にまた震度7が発生しました。現在の能登でも震度3とか4の地震が群発で起こっていますが、それが本震か分からないので余震とは言わなくなっています。能登では2014年に震度5強の地震があってから、群発地震がずっと続いています。10年ぐらいの期間、地震がしょっちゅう起きてるので、建物の柱や基礎がだいぶ弱くなって、今回の震度7の地震で倒壊してしまった家屋が多くありました。

避難所生活になったら、教育機関である小学校などで避難する場合は基本的に6か月までと決まってます。それまでにみなさんが生活できる住宅を確保できるように行政の方は動かれるんですけど、被災した地域では、広場のような場所が災害ごみの廃棄場所になっていたりして仮設住宅を作る場所が確保できない場合があったりして、なかなか進みません。そういう調整もしないといけないので、避難所の運営よりもそちらの業務に専念したいのが行政の方の本音です。

避難生活では、避難所であっても、自宅避難であっても、水、ガス、電気が途絶えると今までの当たり前の生活ができなくなるので、さまざまな問題を乗り越えるためには地域のみなさんで考えて話し合って解決することが絶対に必要になってきます。たとえば高齢者の方や車いすの方、さまざまな障がいをお持ちの方などの要支援者の方の避難も自分ではできません。そういったときに、先ほど浅井会長も仰っていたように、日ごろから顔が見える付き合いをして、自分の存在を認識してもらうことが大事で、こういったことは防災のテーマのときにだけ考えるんじゃなくて、地域の祭りごと、行事ごとに参加してもらうと、どういう人が自分たちの町内にいらっしゃるのかがよく分かります。ですので、まちづくりとして考えることが、災害関連死の予防にも大きく繋がってきます。

避難所の様子ですが、足の踏み場もないような状態です。一日床で寝ると、埃やハウスダストで、全然症状のなかった人でもみなさん呼吸疾患になります。2日目、3日目になったらそこらじゅうで咳込む声が聞こえます。高齢者の方は乾燥肌になるので、毛布で寝ていたらすぐにダニがわいて、皮膚の病気になったりもします。

災害避難の方法なんですが、いつ、だれが、何をするかという、マイタイムラインというのを京都府が進めています。台風のときと地震のときとで少し動き方が違いますが、いつ、どう動くか。どこで、どう動くか。誰と、どう動くか。そういう形で行動計画が立てられています。


質疑応答や参加者の意見・感想など


参加者A

以前、市営住宅で火災があったときに、高齢者の方や障がい者の方が下に降りるのに大変苦労されてたんです。それで、市営住宅の建て替えのときにはエレベーターに発電機を設置していただけたらと思います。

それと、この地域は高齢の方が多いですけど、養正小学校が近いとはいえ、避難のときにそこまでその高齢の方を連れて行く人がいないので、市営住宅の跡地に避難できる場所と、あわせて食料の備蓄ができる場所もできたら有り難いです。市営住宅の方だけじゃなくて小学校から離れた場所の近隣にとっても良いことだと思います。


参加者B

 避難所の運営を地域の中で事前に相談し合って考えておかないとあかんと思うんですけど、そのやり方の指導は松本さんのような防災士の方にお願いするか、消防署の方にお願いするか、どちらが良いのか知りたいです。


松本さん

 避難所の運営は各地域の自主防災組織の方が主体としてすることになっています。その運営の指導に関しては、消防署ではなく区役所の地域力推進室の防災担当の方にお願いしてもらうことになると思います。

 ただ、僕も今回のようなご縁で関わらせてもらったところは、言ってもらえれば来ますし、実際にいろんなところに行かせてもらってます。


参加者B

 養正学区の中の各団体が防災に対してどういう動きをするかという話し合いを今までになされた記憶がないんです。災害のときにそれぞれの団体が勝手に動いてしまうと混乱が起きると思うので、そういうことを目的にした研修会のようなものを地域で開催してほしいというのを、鞍谷会長や浅井会長にお願いしたいです。

 あと、地域で例年開催されている防災訓練に関して、例年同じ流れで同じやり方でずっとやってるから、もうちょっと他の方法で、誰もがきちっと参加して、実質的に訓練するような防災訓練を考えてほしいという意見が、私たち自主防災会の委員からも、地域の方の願いとしても出ていますので、こちらについてもあわせて両会長にお願いしたいです。


参加者C

 京都市には防災士の方はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか?


松本さん

 本格的に活動されてる方は少ないですけど、防災士自体は京都全体で1500人ぐらいいるんですけど、人口比率でいうと全国の中でも少ないです。

 京都府の中では亀岡市で予算を組んでくださって、去年から亀岡市のほうで防災士の養成講座が始まったりしているところです。


参加者B

 その養成講座は京都市ではやってないんですか?


鞍谷さん

 去年の11月の末ぐらいに消防署から、防災士の制度があるから、個人負担で8,000円かかるけど誰か興味ある人いませんか?という話はありました。なかなか個人で8,000円負担するのは難しいので、京都市から半額でも助成金をもらってどなたかそういう人を地域からつくっていきたいという話は消防署の人ともしています。


松本さん

 今仰ったように、各自主防災の会長さん発信で、地域の人で防災士を育てていきませんかという動きを京都市のほうで進めておられます。その8,000円というのは認定書を作るための申請にかかる金額で、講習を受けるのに僕は6万円出しています。民間資格なのでそこまで認知度もないし、権限もないですけど、こうやって現場の話をいろんな地域の人に伝えるのも防災士の役割です。

京都市のほうが自主防災の会長さんを通じて声をかけ始めてるところで、来年から京都府で予算を組んで、申請の8,000円の負担はいりますけど、防災士の講習は無料で受けられるように進めておられるところです。


参加者D

 市営住宅の建て替えのときに防災倉庫も作ってほしいです。ただ、それを作ったときに地域の人でそれを管理できるかという問題もあると思います。


参加者A

 防災の活動はとても大事なことなんやけど、若い人が出てこないのが問題。


杉山

 今話に出た、地域が高齢化していて若い担い手がいないという問題について取り組まれているような事例を松本さんは何かご存知ですか?


松本さん

 八幡市の男山団地のほうの防災訓練に携わっているんですけれども、そちらの地域もほぼ高齢者です。ただ、八幡市には大きな工場がたくさんあって、そこに外国人の技能実習生の方がたくさんおられます。その団地を寮として使われているので、地域の防災訓練にその外国人の方々が参加できないか相談を受けまして、八幡市や京都府の外国交流センターの方にも間に入ってもらって、防災訓練に参加してもらっています。外国人の方々には避難する際に高齢の方がいたら手助けをしてほしいということも伝えています。体力のある20代の方々が多いので、避難所においても力仕事を積極的にやってもらえますし、テントやダンボールベッドの組み立ても訓練の際に、日本語と絵で書いてある説明書を見て実際にやってもらいました。食事の運搬や水のバケツリレーなども参加してもらいました。

 宇治市のある自主防災会では地域に新しいマンションが多く、未就学のお子さんがいるような若い世帯の方も多いので、若い方に参加してもらうために、訓練のカリキュラムに非常食のレシピなども組み込んだりしています。料理教室に防災を無理やりくっつけたような内容の防災訓練ですが、食べ物を振る舞うと意外と参加してもらえるんです。そういう普段とは違う視点の工夫をすることで、普段参加されない方や、町内会員ではない方も面白そうだからということで来てくださったりしています。


杉山

 この(養正)地域の特性としては、実は若い人がたくさん住んでるんです。人口としては20代が一番多く住んでいる地域なんです。あと、外国籍の方も多くて10%ぐらいいらっしゃいます。そういった方は防災訓練に参加されてるんでしょうか?


鞍谷さん

 私が会長になってからはここ2年ほどなんですが、お見受けしたところ若い方の参加が少ないです。今仰ったように地域としては若い方がだいぶ増えてきていると思うので、そういう方が地域活動に参加しやすい組織づくりということは大事だと考えています。特に若い方が中心で動いてくれはる組織ができると、また若い人にどんどん入ってきてもらえるといういい循環ができますので、これからいかに若い方に参加してもらいやすい環境づくりをしていくかが大事だと思いますし、若い方にここに来たらメリットあるよ、この地域はいいよといっていただけるようにしていきたいと思っています。たとえば御所南学区や御所東学区は若い人に人気があって、その地域に住まいを持ちたいという人が多いと聞いていますので、そういうような新しいイメージづくりを地域で取り組めたら、そういう状況が早く実現できるんじゃないかなと思っています。私もこの地域に50年ぐらいお世話になっていますが、そういう話が全然出てこないので、みなさんのお力でそういう機運が少しずつできてきたらと思っています。


杉山

 そういう若い力を地域防災に取り込むという事例はありますか?


松本さん

 宇治市の京都文教大学に防災士でもある先生がいらっしゃって、まちづくりや地域コミュニティを専門にされているんですが、その延長線上に防災をとらえて、大学の防災訓練をするときに大学のキャンパスを開放して地域の人も一緒に訓練するようなイベントを学生さん主体で企画されたりしています。

 宇治市の中学校では体育館で一晩宿泊する避難所体験プログラムというのも開催しています。中学校のときからそういうことを経験していると、大人になってからも訓練に参加しやすくなるので、子どものうちから意識を刷り込ませていって、やっと少し芽が出てきたかなというところです。


参加者E

 避難所に関することで、かまどベンチというのがあるというのを聞いたんですけど、そういったものがどこにあるのかとかも知らないし、実際に何か災害が発生したときにどこに行けばいいのかも普通の人たちはあまり分からないんですが、ハザードマップを見ればここに何が何個あるとかが分かるんですか?そういうわけでもないんですか?

 何かがあったときにどこに行けばよくて、そこがダメだったら次にどこに行けばいいのかが分からないので、何を見ればそういうことが分かるのかが知りたいです。


松本さん

 水害のときはここ、地震のときはこっちというように災害の種類によっても変わってきますが、ハザードマップは危険な場所を示しているものなので、何がどこにあるとかは載っていないと思います。

かまどベンチに関しては、醍醐地域で市から予算をもらって、子どもたちと一緒に地域のための防災マップをつくって、そこにかまどベンチのある場所とかを記載して各戸世帯に配布したこともありますので、そうやって、知らないんだったら自分たちであらためて調べてそういうマップを自分たちで作って、知りえた情報を次の人に伝えていくというのも大切なことだと思います。


参加者E

 かまどベンチがあっても使ったことがなかったらいきなり使えないと思うので、若い人たちに向けてかまどベンチでバーベキューしようみたいなことをやれば、若い人たちも使い方が分かるようになって、いざという時に使えるようになると思うので、楽しいイベントにしてやるほうが人が来るかなと思いました。


松本さん

 ちょうど今日、私の仲間が大宮交通公園にあるかまどベンチを使って、防災ではない別のイベントなんですけど、公園にこういうものがあるんですよというアピールも兼ねて、これを使って温かい料理を食べましょうというイベントをやってます。そういうふうに全然違う目的で使っていただくことで、いざというときにここでご飯を食べられる場所だというのが分かっていただけると思います。


浅井

 かまどベンチは僕の記憶では養正学区にはないです。ただ、小学校のプールの北側にかまどみたいなのがあって、コロナ前にそこで火を起こして焼きマシュマロを作ったことがあります。避難所である養正小学校にはカセットコンロが4台あります。

津波があるようなところは1分1秒を争うので、とりあえず命だけでも助かるために何も持たずに避難しているところがテレビに映ったりして、よく誤解されるんですが、災害があって避難所に行くときは必ず自分が3日間生き延びるための食べ物や飲み物、必要な薬、衛生品などを持っていってくださいという言い方を京都市はしています。でも、水は60kgのひとなら1日3リットルぐらいいります。それを3日間分リュックに背負って避難所に行けというのは僕はおかしいと思います。

そこで避難所の養正小学校と向かいの飛鳥井児童公園にプレハブの備蓄倉庫を3つ作ってます。現在そこにわかめご飯900食、羊羹1,500食を用意してあって、満杯になってます。ダンボールベッドは小学校の体育館の舞台の横に置いてますけど、置く場所も大変なんで、それをどうするかという問題もあります。あと、第二避難所として左京地域体育館を使えないかと京都市側と話したんですけど、備蓄倉庫がないから指定の避難所にはできないという話になってます。そこで、市営住宅跡地の活用予定エリアにもそういう設備が欲しいというのが地域住民の声です。

あと、避難所になるところには、太陽電池パネルとか、小さな水力発電設備とか、水や電気を自立できるような設備が必要やと思います。大きな体育館で雑魚寝するような避難所のスタイルもずっと変わらないですけど、せめて広場のような場所があればテントを張ったり、トレーラーハウスとかのプライバシーが守られた自立できる設備を設けられるので、防災に強い地域になると思います。

3月24日(日)に地域の防災訓練があります。いつも来られる人は同じような人ばかりなんですけど、多くの人に参加してもらいたいですし、保育園やいきいきセンターなどの職員の方も、昼間に災害が起きたら利用者の方も一緒に連れて避難してきてもらわないといけないので、職員の方にも防災訓練に参加してもらいたいです。


かもがわデルタフェスティバル実行委員会 参加団体

(50音順)
おんらく市場
京都学生演劇祭実行委員会
京都TeraCoya
左京西部いきいき市民活動センター
人権連
田中神輿会
特定非営利活動法人劇研
特定非営利活動法人YTまちづくりの会
部落解放同盟田中支部
養正学区各種団体連絡協議会
養正学区社会福祉協議会


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