無意味で無駄な体幹トレーニングをしない為の秘訣~“体幹”の筋力を鍛える前に、“体感”する力を鍛えよう!~
自分自身のことを良く知らずに、幸せな人生をまっとうできるだろうか?
自分はいったい何を望んでいるのか?
どんなことをしている時が最も楽しいのか?
他人の生き方やアドバイスを参考にするよりも、自分自身を理解することの方が100倍重要だろう。
そしてそれは、体にも全く同じことが言える。
自分の体を感じる力(体感力)が乏しければ、パーソナルトレーナーから教わる体幹トレーニングの効果は半分以下だ。
ここでは、体幹トレーニングを効果的に行うためには自分の体を体感する力(=感性)が必要ですよ!と主張していくつもりだ。
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体幹トレーニングの歴史|勘違いを紐解く
“体幹トレーニング”
ここ10数年で、知らない国民はいないくらい世に浸透したワードではないだろうか。
書店に行けば、専門書が何冊も見つかるはずだ。
特に、サッカー日本代表の長友選手の影響は大きいだろう。
(当時は身体を固めることによって安定感を引き出す的な理屈だったが、当の本人はその硬め過ぎた身体のせいでパフォーマンスが低下し、現在ではヨガ推しに心変わりしているが)
そのおかげで現在では、どんなジムやパーソナルトレーニングに行っても体幹トレーニングなるものはやらされるはずである。
もちろん、体づくりにおいて体幹が重要な要素であることに変わりはない。
だがここで重要と言っているのは、“筋力”ではないことに注意が必要だ。
なぜならこれまでに、美しい姿勢を維持するために、あるいは腰痛を予防するのに、体幹の筋力向上が必要だとする科学的根拠は得られていないのだから。(シックスパックがほしいだけなら話しは別かもしれないが)
もしあなたが機能的な身体を作りたいと望んでいる場合は、いつどうやって体幹の筋肉が使われているかという“質”に焦点を当てる必要があるのだ。(=発火頻度とタイミング)
ではその“質”を高めるにはどうすればいいのだろうか?
体“幹”力よりも体“感”力を鍛える
その答えは、感覚だ。
自己制御能力とも言える。
例えば、、
「このエクササイズ中って自分の骨盤の角度はこんなもんでいいのかな?」
「このトレーニングをするとどうしても腰が反ってしまうな...もっと腹筋に頑張ってもらおう!」
このような自分の体の感覚に耳を傾けながら体幹トレーニングを行っているだろうか?
あるいは、そもそも自分の中心軸すら把握していない人も、現代社会では非常に多い。
すると脳は常に不安な状態になる。
自分が今どういう体勢にあるのかを、体の感覚がきちんと教えてくれないからだ。
結果的に、呼吸が浅くなったり、肩首に余計な力が入ったり、姿勢が悪くなったりする。
そんな人がいきなりユーチューブやインスタグラムに投稿されている動画を見ながら体幹トレーニングをしても、なかなか思ったような効果は得られないのは明白だろう。
(たまに自分のクライアントの体幹トレーニングシーンやモデルが投稿してるトレーニングシーンで、明らかにやり方が間違っている動画を見ることがあるが、そのトレーナーの能力の低さを発信しているだけだからやめた方がいい)
したがって、体幹トレーニングを行う際は、体幹の筋力を鍛えるよりも、体感する能力を研ぎ澄ますことに重点を置くことが最重要ポイントということになる。
感覚頼りの脳の機能|感覚入力と脳の指令
私の記事ではよくお伝えするのだが、姿勢も歩き方もコントロールしているのは脳である。(細かく言うと、脊髄の反射機能もかなり関与している)
脳が変化していなければ、姿勢も歩き方も改善していないのと同じだ。
(ちなみに脳のプログラムが60分で変化することは考えられないので、60分後のビフォーアフターの写真は全て無意味と言える。だって家に帰っている間に元に戻ってしまうから。)
そして脳は、身体の各部位に散在している感覚センサーからの情報をたよりにプログラムを構成していると認識することには価値がある。
例えば、どんなに格式が高いMBAを持っているイケメン社長でも、各部署の売り上げ情報が適切に報告されなければ、来月の経営戦略が立てられないの同じで、どんなにカリスマトレーナーの動画を見ても自分自身の体の感覚に鈍感のままでは体幹トレーニングをしても姿勢は美しくならない。
余談だが、シックス○ッドやEMSなど電気信号で強制的に腹筋を刺激する機械について考えてみたい。
いや、、考えるまでもないか。
これらの機械を使っただけでは、機能的に美しくしなやかな身体は絶対に作れない。
なぜなら脳の指令や感覚の入力の一切を無視しているからに他ならない。
(私が最も尊敬していたサッカー選手、クリスティアーノ・ロナウドには申し訳ないのだが...ビジネスとはそういうものだ)
感覚を鍛えるための注意点|安心とリラックス
では体感する力(=感覚)を鍛えるためにはどうすればいいのだろうか?
まずは、脳に十分なエネルギー(酸素と糖分)が行き届いていることが前提だ。
そういったことから、過度な糖質制限はオススメしない。
過度な糖質制限は脳の機能が低下することが、研究によってわかっている。
次はトレーニング方法について。
体幹トレーニングというと、四つ這いや横向きのエクササイズを想像する人が多いだろう。
厳密に言えば、体幹はほぼ全てのエクササイズで使われべきなので、体幹トレーニングの定義は曖昧と言える。
そんなありとあらゆるトレーニングの中で、もし感覚を研ぎ澄ますために選択してもらいたいのは仰向けのエクササイズ。
ストレッチポールを使うとなお良い。
その理由は、背面全体が地面に接地しており、そこからたくさんの感覚入力を得られるからだ。
それに頭をリラックスできるので、より体幹部を意識しやすい。(頭を支える肩と首の筋肉は、体幹がうまく使えていない人にとっては最終代償ポイントとなる)
最後に、現代人のほとんどにみられる問題に対処しておこう。
パソコンやスマホの画面を1度も見ずに1日を終える人はいったいどのくらいいるだろうか?
むしろ1日中画面を凝視する人もいるだろうし、これからもそんな人たちがますます増え続けると予想できる。
しかし、近くにある画面を集中的に長時間見続けることなど、私たちの祖先たちはほとんどしてこなかったはず。
だからこんなにも近視になる人が多いのだ。(世界的に見ても日本人は驚異的に多い)
これは視点の過剰固定といい、姿勢筋(肩と首)の慢性的な過剰使用を促す。(結果的に肩こりや頭痛、猫背の要因になる)
このままでは使いたいはずの体幹の筋肉たちを、うまく働かせることができないだろう。
したがって、体幹トレーニングを始める前に、仰向けになって(感覚入力を最大にしてリラックス)目を閉じ(視覚情報を遮断)、深い呼吸(脳に十分な酸素を供給)を数分間行うといい。
そうすることで、まだトレーニングを始めていないのにも関わらず、体幹の筋肉が目を覚まし活動状態になることが、これまでに示されている。
間違いなくこの方が、効率よく機能的な体幹を鍛えることができるはずだ。
まとめ|彫刻家は目指さない
私はムキムキではない。w
それどころか決してムキムキになりたくはない。
(T-シャツをピチピチに着たり、ジャケットやスキニーパンツをムチムチに着たくないので)
もし私と同じように、彫刻のような肉体に憧れる価値観を持たずに、機能的に美しく、しなやかなカラダを目指すならベンチプレスもバーベルもウェイトマシンも捨てていい。(特に女性は)
その代わりに、自分自信の感覚に鋭くなり、自分の体をきちんとコントロールできる能力と知識を獲得することに、時間を費やそう。
彫刻は掘るのをやめればすぐ台無しになるが、研ぎ澄まされた体感力は一生モノになるのだから。
このコラムを書いた神尾健太という人物➤https://wp.me/P9oEaZ-41
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