父のフラッシュバックがめんどくさい

ふとしたことでいちいちフラッシュバックしてめんどくさい。

父親のフェイスブックにログインして、メッセージのやり取り見て、なんでこんな敵を作る言い方しかできないんだろうってイライラしたり、いろんな人にお金の話をして、どうしてここまで落ちぶれたんだろうってイライラしたりする。

ほんとにどうしようもない人。
だけど最後は味方でありたいと思ってしまう。
嫌いだけど、嫌いじゃないとこもある。

3歳くらいのときに、お父さんがお昼にマック連れてってくれるって言ってたのに寝てたから、無理やり起こしたらめちゃくちゃ怒られたこと。

高校生の時に、自分を産んでくれた人の話をしてくれて、それから家出してずーっとガソリンスタンドの裏で寝てたこと。

高校卒業して、お父さんと飲みに行って、それが最初で最後の飲みだったこと。

大学生の時に、継母が夜逃げのように弟二人を連れて実家に帰って、お父さんと二人で生活してたこと。

就職で県外に行ったけど、毎日草むしりで気が狂いそうになって、会社辞める言ったら、わざわざ3つ離れた県まで車で来て引っ越し手伝ってくれたこと。

お父さんがカテーテル手術をしないといけなくて、でもお父さんが渋ってたから一緒に病院行って、そのまま入院することになったお父さんが全然お金持ってないくせに財布に入ってた2000円全部握らせて「少ないけどこれで昼飯食べて」って言ったこと。そしてそれがお父さんと会った最後の日だったこと。

ほんとにもっとみんなが幸せになれる選択肢なんてたくさんあったじゃん。

お父さんが僕の目の前で入院中ずっと世話をしてくれたおばあちゃんにキツく当たった時があった。声を荒らげて子供みたいに。

とても悲しかった。
僕にはそんな風に受け止めてくれる人はいない。
病気で弱ってるお父さんも、夜逃げのように出てったくせに母親顔する継母にも、心労を重ねても元気良く振る舞うじいちゃん、ばあちゃんも、お父さんの弟の叔父さんも、友達も、彼女も。
受け止めてくれるかもしれない。
でもずっとそういうの封じ込めてきたから出し方が分からない。
心の中なんてくっそ汚いけど、いつも上辺だけでヘラヘラしてる。
めんどくさいから。

子供みたいに声を荒らげるお父さんにそっと言った。
「母親のいない子供の前で、母親にあたるな」
お父さんは目を見開いて、僕はおばあちゃんの手を引いて家から出た。

それでもおばあちゃんはずっとお父さんの心配をしていた。自分の善行が悪意ある言葉で否定してきた人をそれでもずっと。それが子と親なんだろう。羨ましかった。

フラッシュバックしたらこうしてノートに文字を殴り書くことで落ち着いてくる。
悲しくないのに涙が出てくる。


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