見出し画像

第九話 十年越しの恋(大人の切ない恋愛短編集(官能小説) 1)

【18歳未満の未成年が読むには不適切な性的表現が随所に含まれる官能小説です。 切ない恋愛短編集のそれぞれの話のアフターストーリーになっています。切ない恋愛短編集「第九話 遥か彼方の空から君を想う」を読んでからこのお話を読むと更に味わい深いと思います】

隆治りゅうじ、おめでとう。妹を幸せにしてやってくれ」
拓哉たくやさん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」

 長い旅を終え、ようやく芽久めぐと結婚した蒲生隆治がもうりゅうじ。国内トップの総合リゾート運営会社である宝生ほうしょうグループ会長令嬢の結婚式は盛大にり行われ、ようやく二人きりの時間を持つ事が出来た。

「隆治さん、お疲れ様でした」
「今日一日で、芽久の家がどれだけすごいか改めて実感したよ」

 芽久の父である宝生グループ会長の命を受け、世界中のさまざまな料理に触れてきた隆治は最高の料理人となって帰ってきた。隆治より一つ年上で芽久の兄、更には社長である拓哉を支えるために芽久と結婚してほしいと会長に頼まれ、相思相愛の二人は周囲に祝福されて結婚に至ったのである。

「やっと二人きりになれたね」

 芽久が隆治に抱きつく。

「隆治さん、私もう大人になったよ」

 そう言ってドレスの上から胸を持ち上げる芽久。

「ねえ、私もう子どもじゃない。触ってみて」

 帰国してからまだ触れていない芽久の体。彼女に手を取られ、胸に当ててみる。ドレスの上からでも柔らかい感触が伝わる。十二歳だった芽久に恋をしてから十年、今日まで大切に想ってきた。結婚するまでは触れてはいけないと守ってきた自らの誓いが今ようやく解かれる。

「今日、抱いてください」

 芽久がするりとドレスを脱ぐ。透き通るような白い肌が露わになる。細身の体に形の良い小さな乳房が映える。大きすぎるとアンバランスになるが、北欧の妖精のような彼女にはこれがちょうどいと隆治は思った。

 彼女ばかりを裸にして繁々しげしげと見るのは悪い。そう考え自らも裸になる。料理の修行をするうちに筋骨隆々となった腕は、彼女の太腿くらいだろうか。七つ年上の二十九歳、身長差が三十センチ。よろいまとっているかのように芽久には見えた。

 世界中を旅して、赤黒く日焼けした体。酒場で荒っぽい連中と喧嘩をするのは日常茶飯事、時には死ぬかと思うような目に遭った事もある。それでも隆治は、宝生グループの名を汚さないように生きてきた。全ては芽久のために。そんな芽久を壊さないよう、そっと抱きしめる。

 十年間、彼女を忘れた日などない。もちろん、恩義のある会長や現社長の拓哉のため一生懸命に修行してきたのであるが、それ以上に芽久に相応ふさわしい男になるために生きてきた。愛しい芽久。何にも代えられない宝物の芽久。その芽久が生まれたままの姿で腕の中にいる。

 彼女の柔らかな乳房が肌に触れている。可愛らしい顔に良く似合う形の整った乳房。上方向につんと誇らしげに反り返っている。服の上からではよくわからず、頭の中で想像するだけだった。明らかに成熟した大人の乳房がそこにある。

「私、大人になったよ」

 心を見透かされたかと隆治は思った。本当に抱いて良いのか。この僕にそんな資格があるのか。地上に舞い降りた天使のように清らかな存在。会長や拓哉が大事に守ってきた女の子。その子を前にして、男の象徴が反応を始めている。外国の女たちから誘惑されても、芽久のために守ってきた男の象徴。

 それが今、ムクムクと反応している。彼女の裸体に押し当てられたそれは、窮屈きゅうくつそうに上を向きたがっている。それに気づいた芽久が下を向いて驚いた。

「すごい。おっきい!」

 驚いた顔が可愛い。こんな表情も見せるんだなと隆治は思った。

「隆治さん、私ね……」

 しばらく間を取ってから、あっけらかんと芽久が言う。

「とってもいやらしい子なの。幻滅するかな?」
「え?」
「私ってさ、近寄りがたい女なの。男の人が簡単には近づけないって言うか」
「そりゃ、会長や拓哉さんが許さないよ」
「そう。だからね。男の人との経験がないの」
「うん」
「でも、隆治さんにつまらない女だと思われたくなくて勉強したの」
「勉強?」
「そう。ネットでいろいろ見れるからね」
「うん」
「隆治さんのは見た事なかったけどきっと大きいだろうなと思って、おもちゃを買って練習したの」
「芽久もそういう年頃だもんね」
「隆治さんがれたくても入らないと困るでしょ? だからね、少しずつ少しずつ挿れてたら段々気持ち良くなっちゃって」
「芽久……」

 隆治が知っている幼い芽久はもういない。まだ小さなつぼみだった少女はもう綺麗な花を咲かせている。その日が来た時に困らないよう、全ての準備を整えて。

「いつも隆治さんの写真を見ながら、隆治さんのものを想像しながらしてたよ」
「芽久、僕だって同じだ」
「私の、想像してくれたの?」
「うん」
「じゃあ、このベッドに寝て実物を確認してください」

 隆治を仰向けに寝かせると、お互いの局部が見えるように彼の体にまたがった。

「想像していたのと実際は違いますか?」

 恥じらいながらたずねる芽久。彼女の秘部もまた恥ずかしそうに花弁はなびらを閉じている。

「想像していた通り、綺麗だよ」
さわってください」

 芽久の声が震えている。今まで誰にも見せた事のない秘密の花園。それを世界で一番愛する人に見てもらっている嬉しさと恥ずかしさで思わず力が入ってしまう。

 恐る恐る指を近づけ、軽く触れてみる。乙女の敏感な反応が背中に映る。閉じた花弁を軽く開くと、色鮮やかな肉ビラが顔をのぞかせる。整ったその形に思わず見とれてしまう。

「隆治さん、お互い舐め合いっこしましょ」

 恥ずかしさにもう慣れたのか、いたずらっ子のような笑みを浮かべる芽久。そして彼のものに触れたり唇をつけたりと忙しくしている。いろいろ勉強したものを実践するために、黙々と作業を続けている。

「ねえ、早く」

 芽久の大胆さに驚いて固まったままの隆治の顔の前で腰を振って誘ってみる。これもまた、どこかで見たのであろう。小ぶりのお尻に誘われて、まだ濡れていないそこに唇を当てる。

 何度もキスをした上の唇のように、下の愛唇もまた柔らかい。程良く湿った舌先を使い、愛液の分泌を促す。

「はあん……」

 敏感な妖精が鳴き声を上げる。その淫靡いんびで悩ましい声が隆治の下半身に刺激を与え、芽久の口の中で悶えている。大きくなった肉の棒は小さな蜜壺に早く入りたいと懇願している。芽久の花園から湧き出る愛液もまた、早く迎え入れたいと溢れんばかりである。

「芽久、そろそろ良いかい?」
「はい。れてください」

 ゆっくりと体勢を入れ替えて見つめ合った後、軽くキスを交わしてから挿入を試みる。あまりに小さく可愛らしいそこに、これが果たして入るのだろうか。そんな不安を見透かしたのか芽久が小声でささやいた。

「大丈夫。前もってひろげてるから。もっと大きいのれた事あるよ」

 その言葉を信じ、少しずつ少しずつ近づけていく。まずは問題の頭が入れば大丈夫。そう思って挿れてみると、思いのほかすんなりといった。

「ね、大丈夫でしょ?」
「痛くないの?」
「うん」

 こんな華奢きゃしゃな女の子にこれが入るとは思わなかった。そんな驚きを抱える隆治。

「もっと入るよ」
「良いの?」

 確かに、すっぽりと迎えてもらった。

「動いて良いよ」
「うん」

 壊さないよう、ゆっくりと動いてみる。冷たい機械ではない人肌の肉の棒、さらには愛する人の大切なものを挿れてもらった嬉しさが込み上げて、思わず涙がこぼれる芽久。

 彼のものではない別のものを先に挿れてしまった後ろめたさを感じていたが、今となってはどうでも良い。あの日々があったから、彼のものを挿れる事が出来た。こんなに大きいけど全然痛くない。

 それから芽久は何度も絶頂を迎え、隆治は我慢しきれず果てた。彼女の中ではなたれた精子たちが、ゴールを目指して競い合っている。

大人の切ない恋愛短編集(官能小説) 1
第一話 男の後ろ姿
第二話 夏の日の公園
第三話 懐かしい再会
第四話 日向の女
第五話 先輩が彼女
第六話 二人で掴んだ幸せ
第七話 初恋の人
第八話 彼女が帰る場所
第九話 十年越しの恋
第十話 昼下がりの誘惑



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?